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どやしカフェの都市伝説

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今日は日曜だ。休日の軽めの話題ということで、都市伝説を一つご紹介してみようと思う。

以下は、都市伝説である。

都内某所の表通りから1本裏に入ったビルの、とあるフロアに「どやしカフェ ガネーシャ(仮名)」があると言う。いやし(癒し)カフェの間違いではない。客の話をきいて、叱咤激励、気合いを注入し、励まし、背中を押してくれる「どやし」カフェなのである。

ガネーシャは完全会員制だ。外から見てもガネーシャの看板は出ていない。ビルの案内表示では、そのフロアは他の企業の名前になっている。何も知らずにそこへ行った人は、普通の会社のオフィスだと思うだろう。観察力に優れた人であれば、オフィスにしては妙に豪華な応接室や、微かに漂うエスニックな香りに気が付くかもしれない。

平日の昼間はこのオフィスはどこにでもあるような会社の業務で使われている。夜になって、昼間の従業員が帰った後に、「どやしカフェ ガネーシャ」の開店となる。

殺風景な蛍光灯の照明が照度を落とした間接照明に変わり、上品な香が炊かれる。そして、3人の「女神様」が3つの応接室で会員の到着を待つのである。3人の女神様はそれぞれ専門分野や個性が異なり、どの女神様にも会員の指名が付いている。ここで間違えてはいけないが、3人は「女神様」であって「女王様」ではない。風俗的なサービスは、一切ない。女神様のお話がガネーシャの売り物なのである。

会員の到着は事前予約になっていて、他の会員と顔を合わせることがないように調整されている。会員の秘密は完全に守られている。会員が希望すれば、アルコール類や料理が供される。会員は落ち着いた雰囲気の中でリラックスして、自分の悩みや問題を心ゆくまで相談できるように配慮されている。そして女神様にどやされ励まされて、元気になって帰って行く。

ちなみにガネーシャは酒や料理を出すが、飲食店ではない。会員から受け取るのはあくまでも相談料であり、飲食の代金ではない。一般企業で来客にコーヒーを出すのと同じだ。しかも酒は会員が自分で買い置きして、ガネーシャに預ける形式を取っている。料理は近所の厳選された専門店から出前してもらっている。

会員は高額の会費に加えて毎回の相談料を払う必要がある。そこまでしてわざわざ「どやされたい」人がいるのかと思うかもしれないが、これが千客万来なのだそうだ。会員は、中小企業のオーナー社長や大企業の上級管理職が多いらしい。企業の経営者・経営層は孤独である。自分が抱えている問題を、従業員や部下に相談したり弱みを見せたりするわけにはいかない立場だ。仕事上のしがらみが全くなく、しかも秘密厳守のガネーシャは、高い会費を払ってまで通いたくなる有り難い存在になっている。

ここまでの説明で勘の良い方は気が付いたかもしれないが、一見アヤシゲなガネーシャの本質は、経営者・経営層を対象としたカウンセリングでありコンサルティングなのである。実際にカウンセリングの資格を持っている女神様が存在する。また、会員向けのオプションサービスとして、経営戦略、財務・法人税務、企業買収、後継者・相続問題、人事、IT等、各分野の専門家の助言を受けることができるようになっている。

ガネーシャに投資したい、女神様になりたい、会員になりたい等、興味を持った方がいれば、Twitter @tnecoまでご連絡いただきたい。

以上は、都市伝説である。

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