クラウドの最新情報を収集するため、3月23日に秋葉原で開催された「第29回ワークショップ~クラウドを支えるサービスと技術(2)」に参加しました。主催はグリッド協議会です。

全6セッションの中で、特に勉強になったのがオープン・ガバメント・クラウドコンソーシアム(OGC)副代表幹事 中村彰二朗氏の講演でした。以下、講演のメモです。

  • 国内インターネットのトラフィックは年々ピークと平常の差が大きくなっている。ピークに合わせて設備を持つのは非効率。クラウドの利用が選択肢になっている。クラウドは一時的なブームではない。
  • これまでのIT投資は既存システムの保守運用にコストがかかっていた。
  • IT投資を利用率をベースに改善しなければならない。利用者から支持されるサービスを開発する事が重要。元請けから仕様書が来るのを待っているのではダメだ。発想が大事。利用者から支持されればビジネスになる。
  • 米国政府には政府CIOがいる。米国の“DATA.gov”は参考になるプロジェクトだ。政府の様々な機関が扱う情報・データとツールを公開している。
  • 広くサービスを提供するものからクラウド化していくのがよい。
  • クラウドコンピューティングに期待されていることは、早くて簡単な実装、使っただけ支払い、ITスタッフ/コスト削減がトップ。
  • 一方、クラウドコンピューティングが解決すべき懸念材料は、セキュリティー、パフォーマンス、アベイラビリティーの3つがトップ。これらは、クラウドベンダーで対応することと、考え方を変えることで解決することがある。
  • データセンターのPUEは重要。PUEは、データセンター全体の消費電力を、サーバーなどのIT機器の消費電力で割った値。IT機器以外に電力を全く使わなければPUE1.0になる。
  • 日本のデータセンターはPUE2.0くらい。無駄が多い。グーグルやサンなどの先進的なデータセンターではすでに1.2になっている。
  • OGCは経済産業省、総務省、内閣に提言している。提言は4項目:
  • 1.標準化の推進:
    OpenAPIの普及促進によるサービスとデータのポータビリティーの確保。
  • 2.ガバナンスの強化:
    監査に耐えられるクラウドを作る。
  • 3.環境配慮型データセンター:
    TIA942というデータセンターの基準は、停電の多い米国の事情に合わせた基準。日本で停電はめったになく、TIA942に合わせると不必要な自家発電設備を持つことになり無駄。日本版TIA942を提案する。
  • 4.クラウド時代の人材育成:
    今後の人材育成の中心はセキュリティー関係。
    セキュリティー関係は現在はIT人口の1%しかいない。今後はシステムデザインやデプロイメントの要員は不要になっていく。
  • 原口ビジョンでは2015年までに全国のデータセンターのPUEを1.2以下にすると言っている。実現はデータセンターを建て替えないと難しい。2015年までにどこまで近づけられるかといったところ。
  • データセンターを段階的に増やせるモジュール型のデザインにして、地方へ移すのがよい。法改正が必要だが、原子力発電所の敷地内にデータセンターを作ることができれば、地盤の確認が済んでいる場所で警備もやりやすい。
  • 寒冷地にデータセンターを配置してなるべく冷やさない実験をした。岩見沢で1年間実証実験をした結果、冷やさなければならなかったのは年間240時間程度で、PUE1.17になった。
  • 基本構成、地中熱利用、氷雪利用の3つでPUEを試算した。寒冷地だと雪を使った冷却が考えられるが、現実的ではない。まず雪を貯めておくために東京ドーム1個分の敷地が必要になる。また、雪解け水は意外に汚いもので、冷却に使うためには浄水設備が20億円くらいかかる。冷却水を地中で熱交換して冷やす方が効率的。
  • 新しいことをやるには財源が必要。行政クラウドの手始めとして、公務員360万人がMS Officeを止めてOpen Officeに移行することを提言している。Open Officeのストレージは一カ所に集める。公務員がクラウドを実体験して業務に応用できるようになる。ライセンス他で年間1,000億円削減できる見込。
  • この4月からの来年度のクラウド関連予算はほとんど付かない。2年後は大幅倍増されるはず。クラウド関連は平成23年度から。
テクネコ

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加藤和幸

加藤和幸

株式会社テクネコ 代表取締役。
ITを売る側と買う側の両方の経験を活かして、CRMとCMSのコンサルティングを中心に、お客様の”困った”を解決します。

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