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【PHP on IIS】俺は待ってるぜ

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マイクロソフトが「OpenSource WORLD 2009」に出展していました。さっそく説明員の方にきいてみました。「SQL Server対応のPHPのドライバは、いつ出るんでしょうか?」「8月頃には日本語対応版が出ます。」とのことでした。

バンザーイ!ヽ(*゚ρ゚)ノヽ(*゚ρ゚)ノ バンザーイ!待っていたんだよ、SQL Serverのドライバ。

オープンソース界隈では、LAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP)がプラットフォームの主流です。私はアスキーのUnix文化がバックグラウンドで、Linuxは好きなのです。しかし、一般企業の社内システムの本命は、LAMPではなく、WISP(Windows、IIS、SQL Server、PHP)だと考えています。

一般企業の場合、パソコンがWindowsベースであることから、社内のサーバーもWindowsになるのが普通です。ASP/SaaSとしてサービスを利用するだけであれば、OSがLinuxでもWindowsでもいいと思いますが、Windowsサーバーに加えてLinuxやUnixを社内に入れるのは、管理の負担が大きすぎます。Linuxサーバーを管理できる技術者は、Windowsサーバーの技術者よりはるかに少ないです。Linuxに詳しいサーバー管理者が退職してしまうと、管理ができなくなってしまう恐れがあります。

現実にあるお客様では、Linuxを使って社内システムを構築したIT管理者が退職した結果、その後の管理ができなくなってしまいました。弊社がコンサルティングさせていただいて、Linuxメールサーバーを外部のメールASPに変えたり、LinuxサイボウズサーバーをWindowsサーバーにリプレースしたりして、ようやく落ち着きました。サードパーティーのバックアップツールやアンチウィルスソフトなど周辺の機器やソフトウェアを考えると、Linuxを一般企業で導入することはお勧めしません。

MySQLにも不安があります。無償版のMySQLのデータベースのバックアップ方法は、mysqldumpコマンドやphpMyAdminでエクスポートするしかありません。この方法でエクスポートしたファイルの中身は、CREATE TABLE文やINSERT文の塊です。バックアップ方法というには、どうにも心細いです。「それなら有償版のMySQLを使え」と言われるかもしれませんが、MySQLの有償版を使うくらいの重要な用途であれば、マイクロソフトSQL Serverを使いたいです。SQL Serverなら、トランザクションログのバックアップが標準で、クラスタリングやレプリケーションもできます。書籍やセミナーなどの技術情報が、マイクロソフトの責任で豊富に用意されています。

以上の理由で、PHPでSQL Serverを使えることが必須だと考えていました。PHPのSQL Server用ドライバは、海外では以前からオープンソースのものがありました。しかし、これはシングルバイトのみ対応で、日本語環境では文字化けして使えませんでした。すぐに解決するかと思っていたら、オープンソースと商用ソフトの境界であるためか、これまで実現しませんでした。SugarCRMの代理店をやっていた頃は、SugarCRMがSQL Server対応ならもっと売れるのに、と思ったものです。

この状況が変わったのが、2006年です。2006年秋から、マイクロソフトはPHPのサポートに熱心に取り組むようになりました。これが、「PHP on IIS」です。そして、ようやくマイクロソフト純正のSQL Server日本語対応ドライバが出ることになったのでした。いや~、長かったです。

これで、SugarCRM他の業務系オープンソースアプリケーションを、WISPで使えるようになる目処が立ちます。”オープンソース業務アプリはWISPで”、これからのトレンドになるでしょう。

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