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古いパソコンでWindows 7を使う方法

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Windows 7が年内に発売されることになりました。不評だったWindows Vistaを飛ばして、一気にWindows XPからWindows 7にアップグレード予定の方がいるでしょう。と言っても、Windows XPのパソコンにWindows 7をインストールし直して使うのではなく、パソコンの買い換えになるのではないでしょうか。

先日、おもしろいものを見る機会がありました。「レンタル仮想パソコン」です。データセンターのサーバーを月額で利用するレンタルサーバーがありますが、あれのパソコン版だと思えばいいでしょう。ネットワークの向こう側でWindowsデスクトップが動いていて、それを月額で利用するサービスです。

手元のパソコンからレンタル仮想パソコンにログインすると、ディスプレイいっぱいに仮想パソコンのWindowsデスクトップが表示されます。この中は普通のWindowsパソコンと同じ使い勝手です。管理者権限ユーザでログインしているのと同等の自由度があります。ソフトウェアをインストールしたり、設定を変更したりすることが自由にできます。

MS Officeを使いたいのであれば、自分でパッケージライセンスを買うのではなく、仮想パソコン上で月額料金で利用することができます。これなら常に最新のバージョンのOfficeを利用できます。

データの保存は、サーバーのディスク、または手元のパソコンのディスクやUSBメモリに保存できます。なお、USBメモリだけでなく一般的なUSBデバイスは、仮想パソコン上から使うことが可能です。

種明かしをすると、これはVMware Viewを使ったサービスです。Windowsのリモートデスクトップやターミナルサービスと同じような仕組みです。沖縄にあるネットワークデザイン株式会社が、月額のサービスとして提供しています。

シンクライアントの一種ですが、一般的なシンクライアントがセキュリティーの強化、すなわち利用者が余計なことをできないように制限することを目的としているのに対して、レンタル仮想パソコンは、自分のパソコンを使っているのと同じように好きに使えます。例えば、標準で入っているカスペルスキー(ウィルス対策ソフト)を、自分で用意したウィルスバスターやノートンなどに入れ替えてもかまいません。使い慣れたフリーウェアをインストールすることもできます。

さらに、一般的なシンクライアントは常時ネットワークに接続されていないと使えませんが、仮想パソコンはオフライン状態で使うモードがあります。

代表取締役の大川氏によると、SOHOなど小規模事業者向けのサービスとして考えているとのことです。VMware Viewは市販されているパッケージです。それなら誰でも同じサービスを始められるように思えますが、実はVMwareやストレージのチューニングに独自のノウハウを持っているそうです。

以前にも書きましたが、私はシンクライアントが大好きです。ただ、シンクライアントを導入しようとすると、サーバーやソフトウェアライセンスの費用がまとまった金額になります。TCO(トータルの所有コスト)で見れば普通のパソコンより安いと思いますが、中小企業やSOHOではなかなか手が出ません。ネットワークデザインでは、これを月額のサービスにすることで、小規模なユーザで導入しやすくしています。

ネットワークの向こう側にあると、反応速度が気になります。MS Officeを少し使ってみた感じでは、自分の3年前のWindows XPパソコン上で動かすより速くて快適でした。シンクライアントだから遅いとは限らないようです。ただし、無線LAN接続では、YouTubeの動画はカクカクしたコマ送りになりました。高速のネットワークで、MS Office等の一般的な業務アプリケーションを使うユーザに向いています。なお、動画再生はmpg4のみの対応となります。

レンタル仮想パソコンが面白いところは、Windowsのバージョンが、手元のパソコンとサーバー側で同じである必要がないということです。つまり、Windows 7の発売後は、自分の古いWinodws XPパソコンを買い換えることなく、Winodws 7を使うことができます。古いパソコンでWindows 7を快適に使うことができれば、パソコンを買い換える必要がなくエコです。さらに言うと、手元のパソコンは、MacOSXも使えます。

パソコンを使う目的や用途によっては、仮想パソコンで十分な場合があるでしょう。パソコンを買い換えずにWindows 7を使う選択肢にいかがでしょうか。

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