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【百年に一度】危機ではなく変化

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自動車や電器などの製造業では、派遣社員切りから、正社員の希望退職や解雇へ進みつつあります。

自動車メーカーが空前の減産に入った。3月末までの12社合計の世界生産は年度当初計画に比べ250万台減と、スズキ1社の年間販売台数に相当する。

(1月25日日経新聞朝刊)

新聞などではあいかわらず「百年に一度の危機」の表現が目立ちます。確かに危機的状況であることに違いないのですが、「危機」と言ってしまうと、”危機が去れば”元に戻るような期待を持ってしまいかねません。本当に元に戻るのでしょうか。

昨年11月に書いたエントリ「なぜ今【ベーシック・インカム】なのか」で引用した、ヴェルナーの言葉が思い出されます。

私たちはようやく現在、経済において生産が消費をはるかに上回るというパラダイスのような状況を手に入れたのです。

明らかな不況になる前から、自動車の国内販売台数は減る傾向でした。今後さらに国内販売の減少と円高が続けば、海外生産の割合を増やす自動車会社が出てくるでしょう。ソニーのテレビ部門のリストラは、液晶テレビのビジネスがアウトソース中心になったにもかかわらず、ブラウン管時代と同じ人員を抱えていたのが原因との指摘もあります。どちらのケースも、危機が去ったからと言って前と同じになるわけではなさそうです。

今年も自宅の庭の水仙が咲きました。水仙の花は毎年咲きますが、今年の花は去年咲いた花ではありません。

「行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。」です。

今の状況を危機ではなく変化ととらえて、自分は今後どうすればいいのかを考えたいと思います。

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