小中学校や高校の授業で活用されつづけるICT環境を構築するには、多くの課題が存在します。その解決策を探る中で見つけたこぼれ話を綴っていきます。また、幼稚園や保育園年代からの「ICTとの適切な関わり方」はこれからの時代の重要なキーワードです。この分野についてもブログを通して伝えていきます。

学校現場の理解から、ICTの整備や活用を考える

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「学校現場の理解から、ICTの整備や活用を考える」

学校現場におけるICT機器/システムの整備や活用について、提案する販売会社の方、整備を検討する教育委員会などの関係者の方々にアドバイスをしたり、その様な製品開発に関するメーカーへのコンサルタントを中心に活動しています。

最近は、タブレットPCなどの活用などに関して、現場の先生からの研修依頼も増えてきました。

SNSやメールなどで、ICTの導入や活用について相談をいただくこともしばしば。

そんな中で考えていることをまとめてみました。 

20150623 研修風景.jpg

怪我、体調不良、忘れもの、人間関係のトラブルなど、目の前の子供達の変化への対応。

縦割りの行政組織や各種団体から依頼される様々な調査への回答。

教材費集計などの学級事務、分掌担当業務など校務に関する対応。

地域の方々との関わり、各種行事、部活動などへの対応。

様々なニーズが学校に持ち込まれ、それぞれの対応に追われる。

授業準備や教材研究、子供達との対話の時間が思う様に取れない現状。

タブレット端末に代表されるICT機器やシステムも、

現場のニーズよりも、トップダウン的に整備されてしまうことが多い。

「これだけ整備したのだから、現場でしっかり活用するように!」という指示やプレッシャー。

要望したり選定していないツールを活用しなければならない苦労。

学校現場には、全てが足し算で降ろされてしまいます。

当然、消化できなくなってしまう。

「ICTが導入されたら、業務が効率化され、教材研究や子供達と向き合う時間が増えます」

そう提案され、整備される、一般家庭や企業には存在しない、

「電子黒板」「デジタル教科書(教材)」「授業支援システム」などの

「学校専用の機器やシステム」

入札によってメーカーが変わる。新機能がどんどん増える。

別の自治体の学校へ異動すると、そこには違う機器やシステム。

見慣れないツールの操作を、一から覚えるところから始めなければならない。

学校以外に練習する環境はない。

多忙な上に、さらに研修を受けなければならない。

ますます、余力が奪われていく。

こういう現場は、決して珍しくありません。

その様な中で、教育の情報化やICTを利活用を推進し

「こんなことができますよ、こんな機能が追加されました!」

「どんどん使いましょう!」

と言ったところで定着するのでしょうか。

タブレット端末や電子黒板、デジタル教科書(教材)などその側面だけをみると、

普及とその活用について、積極的な展開が図られているように思えてしまいます。

しかし、それは学校の教育活動や学習者の活動から見ると、

「ある一部分」の話です。

教師が常に取り組みたいことは「より良い授業の探求」のはず。

学習者が望むのが「わかりやすい授業」のはず。

「ICT」は、その手段の一つであるはず、です。

ICTを取り入れても、指導法や学習内容、子供達の活動がデジタルになるわけでありません。

「教育は人の営み」です。

ICTの導入が授業改善に直結しないことは、肌感覚でわかっていること。

かえって改悪になる場合もあり得ます。

「授業を問い直すキッカケ」としてICTの導入や活用がある。

今の現状からは、そう捉えた方がよい気がしています。

フューチャースクール等の先進的なICT環境を上手に取り入れた学校。

新しい環境の活用や、授業法について慎重に研究するための教師間の情報共有や意見交換など、

かつての学校に存在したであろう

「同僚性」

こういった教師同士の関わりを今一度見つめ直すことが、

授業改善や学力向上、情報活用能力の育成などに繋がったと言われていました。

使える機能、使えるツールから無理せず試してみる。

教師自身が楽しみながら試行錯誤することを許容しあう。

「今日の授業で、こんな活用したよ」

「これは便利だったよ」

「ちょっと失敗した〜」

「これは使おう、これはやめておこう」

同僚同士でそんな言葉が交わされる。

そこから「良いもの、使えるもの」だけが残っていくのではないでしょうか。

ただでさえ余力を失われがちな学校現場に、さらに負担をかけるような整備となっては本末転倒です。

関係者は、現場の声に真摯に耳を傾ける。

現場に足を運び現状を知る。

その結果、過剰な機器やシステムは減り、本当に効果が実感できるモノが開発され、提供されることを期待しています。

そして、現場の教師や学習者が必要としている機器やシステムが導入される

「ユーザー優先」の整備が進むことを願っています。

そもそも、ICTは便利で効率良く活用出来るからこそ受け入れられ、普及するモノのはずです。

学校現場、教師や学習者の助けとなって初めて価値を認められ、普及・定着する。

学校現場の理解し、その課題解決につながらなければ、

新たなパッケージを消費するだけになってしまうのではないでしょうか。

※本ブログは、個人ブログ「教育ICTデザイナー 田中康平のブログ」2015年6月25日の記事の一部を修正しています。

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