小中学校や高校の授業で活用されつづけるICT環境を構築するには、多くの課題が存在します。その解決策を探る中で見つけたこぼれ話を綴っていきます。また、幼稚園や保育園年代からの「ICTとの適切な関わり方」はこれからの時代の重要なキーワードです。この分野についてもブログを通して伝えていきます。

「公立小中高校のICT環境デザイン 3つの要素/3つの関係先/10の項目」

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「公立小中高校のICT環境デザイン 3つの要素/3つの関係先/10の項目」

先日、11月23日(日)

日本デジタル教科書学会研究会「21世紀の学び 3本の矢の提案2 in 東京」

が開催され、その中で「21世紀の学び 環境デザイン編」と題したパネルディカッションに登壇させていただきました。

この「3本の矢の提案」は、北海道の山田秀哉先生、京都府の広瀬一弥先生、佐賀県の内田明先生(いずれも学会理事)による実践をベースとした提案型研究会という内容。

第1回が佐賀で開催され、その時は模擬授業用の環境準備とICT支援員という役割で関わらせていただきました。

第2回は舞台を東京に移し、お話しする機会をいただきました。

パネルディスカッション1は「授業デザイン編」として、前述の3名による興味深い発表や、現場教員ならではの指摘がなされました。

パネルディスカッション2は「環境デザイン」です。

徳島文理大学の林向達先生のコーディネートのもと、私と株式会社エデュテクノロジー

の阪上氏が登壇し、コンサルタントの立場から環境デザインの課題を議論しました。

「環境デザイン」と一口に言っても、とても幅広く、捉えどころが難しいテーマです。

 今回は、課題の共有と入り口の整理を中心に準備していきました。

私が学校のICT環境整備に関わるようになったのは、2000年のミレニアムプロエクトの頃からです。

当時は、数多くの校内LAN整備に関わりました。

PC教室が中心だった学校に、ネットワークが敷設され、校内の多くの場所で情報共有やインターネット利用が可能になった時代です。

学校によっては、グループウエアやe-Learningシステム、動画ストリーミング環境なども整備されました。

その後、一部の自治体では校務用端末や校務支援システムの導入、ユニット型電子黒板の整備なども始まりました。

学習者用のICT環境は、PC教室が中心。

デスクトップPCとサーバ。教育用ソフトウエア、授業支援システムなど。

今と違うのは、教育用ソフトウエアが豊富に購入されていた点でしょうか。

自治体は平成の大合併のピークを迎え、予算配分が見直されていきます。

結果、教育ICT関連予算は削減の一途を辿っていくことになりました。

ある自治体では、PC教室1教室あたりの予算額は2000万円を超えていましたが、毎年減り続け、今では半額以下。

一度減った予算が増えることは、極めて稀です。

その稀な例は、首長の選挙公約やトップダウンにより、学習者用の情報端末整備などに取り組んだ自治体です。

ICT環境は、タブレット端末やクラウドなど進化した部分がある一方、

活用が難しく、思うような成果が現れていないのではないか?という課題も指摘されています。

その原因を探る中で、「ICT環境デザイン」という視点に辿り着きました。

私見ですが、ICT環境デザインは、大きく3つの要素に分けることができると考えています。

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研究会では、「環境整備に至る過程のデザイン」の中からお話しさせていただきました。

この要素の中は、更に「3つの関係先と10の項目」に整理することができます。

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これらが連動せず、それぞれの課題を抱えたまま整備へ進んでいるのが、活用を難しくしている要因の一つだと考えています。

どうすれば、解決できるのでしょうか?

そのために必要だと思う方策として

・過去または現在の環境を評価する

・検討委員会等、組織や体制の在り方を検討する

・導入までの手順を見直す

このような点について指摘させていただきました。

資料全体はこちらです。

絵を見て、頭の中を整理して考えてみると、課題解決に向かいそうに思われるかもしれません。

しかし、大切なのは

「俯瞰して整理し、関係各所を調整しながら、やらないことを決めていく」

これができるかどうかです。

パネルディスカッション1の中で、

「現場の教員は、大盛りご飯(様々な課題)をさらに盛られて、もう食べられない状況」

という指摘がありました。

足し算だけではなく、引き算が出来る人や組織が本当に求められています。

その「人や組織」は、誰?どこ?

ここが最大の課題かもしれません。

私の仕事は、そのような「人や組織」を育て、増やすことです。

来年の夏には、3つの要素に関するワークショップ等のセミナー開催を計画しています。

日頃実施している企業内研修やコンサルティング業務、セミナー、このような研究会等を通して、より良いICT環境デザインの実現に貢献できればと思います。

 

研究会の企画・運営に関わられた方々、

発表の機会を与えていただき、ありがとうございました。

同日ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

まずは、問題提起から。

ICT環境デザインを考えるスタートラインに立てた1日でした。

※本ブログは、個人ブログ「教育ICTデザイナー 田中康平のブログ」2014年11月25日の記事の一部を修正しています。

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