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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

日大薬物問題と日本ハム不祥事

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日本大学のアメリカンフットボール部部員が違法薬物所持で逮捕された。この問題をめぐって大学側の対応に批判が集まった。記者会見を開いたが、会見の内容や説明者の言い方が「謝罪会見ではなく言い訳会見」と捉えられた。

自分が高校で校長を務めていた時に、部活中に生徒が熱中症で倒れるという事故があった。保護者に学校に集まってもらい、顧問を同席させ管理職から謝罪と説明を行い再発防止策をまとめ提案する、というお話をさせていただいた。顧問も当日の状況を説明し、保護者に謝罪と再発防止を約束した。

学校で起きた事件・事故については現場にいた教員が事故について説明をする責任「説明責任」があり、管理職にはそのような事故が起きた「結果責任」がある。しかしながら、日大の会見には現場監督である監督の姿はなく、誰も説明責任を果たさなかった。これはおかしい。青山学院大の駅伝チームを率いる原監督は「会見の場に監督がいないのはおかしい」と発言したが、まさに同感である。監督は何をしているのか・・・。

同じようなことが、日本ハム球団で過去に起きた。中田選手の暴力問題、円陣での人種差別発言問題。球団は結果責任を果たすこともなく、当時の栗山監督も説明責任を果たしていない。球団の首脳はどのように事態の収束を図ろうとしたのだろう・・・。栗山監督は「自分の言葉で説明したい」と言ったのかもしれない。球団がそれをストップしたのかもしれない。現場監督が説明責任を果たしていないという点では、日大も日本ハムも同じなのだ。WBCの優勝で栗山監督は「名将」としてスポットライトを浴び続けたが、この問題についてはどのように考えているのだろう。何もなかったかのように野球を続けている日本ハム。それでいいのか。

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