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日本男子バレー 快進撃の陰にはスタッフの分析力

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男子バレーネイションズリーグで日本チームは大活躍を見せている。石川選手を中心とした攻撃力、世界一のリベロの山本選手や高橋選手の安定した守備力とチームの総合力で、スロベニアにストレートで勝利。世界の4強になった。6月末の時点で10位だったランキングは次々と強豪国に勝ったため5位に上昇。いよいよ準決勝に進む。「なぜ急にこんなに強くなったのか」。その原因は一つではないだろうが、競技力については南部監督時代に当時大学生だった石川選手・柳田選手らを中心にNEXT4を作り育てきたのが花を咲かせたのだろう。そして、ブラン監督という有能な指揮官を戦術面でサポートする伊藤コーチの分析力が抜きんでているに違いない。大学時代からアナリストとして名を馳せ、東京オリンピックでもその手腕を発揮。ブラン体制になってからコーチとしてチームに係わっている。「分析もできる・サーブもスパイクも打てるコーチ」というところか。日本チームは「ボールがコートに落ちない守備」と言われるが、それには対戦相手のスパイク・サーブの傾向を読みつくしている結果だろう。的確に相手の攻撃・守備を分析し、試合の中でデータを活かしながら試合を進めている。選手起用も見事で、終盤の難しい局面で宮浦選手を起用するなど選手の適性を見極めた采配は監督コーチの眼力の高さだ。

 2017年のバレーボールオールスター大会で、芸人まがいのコントをコートで披露したときは「日本のバレーも終わった」と思ったが、中垣内監督がブラン氏を招へいした時からその潮目が変わったのか。海外で活躍する選手が増え、高い指導力を持つスタッフがその力を引き出す。日本のサッカーが強くなった道筋もそうだった。バレーの世界ランクは、ラグビーやサッカーのそれらよりも高い。バレーを応援しましょう。

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