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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

新浪社長の皿洗い

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今日の日経新聞、サントリー社長の新浪剛史氏の話が出ていた。35歳で社長になったが「完全に失敗したと思った。立ち戻ったのは原点である「人への気遣い」』。一緒に皿洗いをしてから信頼されるようになった。という話。

自分事で恐縮だが、この4月に全く知らない業界で校長として働くことになった。何もかもが知らない分野。そこで自分にできるのは掃除や片付け。毎日ひたすら掃除をした。朝は外のゴミ拾い。それが終わると、倉庫や物置で片付け。倉庫は足の踏み場もなく物が乱雑に置かれていた。20年以上前の書類が捨てられることもなく、積み重なっていた。朝と帰りは教室に行き、机を整頓し黒板をきれいにした。1階から始めた掃除が最上階の7階にたどり着くまで2ヶ月かかった。勝手に物を捨てるわけにもいかず、全て「これは必要ですか?」と確認してからの作業には本当に時間がかかった。古い書類にも全て目を通したので、学校の今までの様子も分かったのが幸いだった。

掃除をしてわかったこと。それは掃除とは「誰にでもできる人の役に立つこと」だった。自主的に掃除をできる人間こそ、私たち教員が育成すべき人物なのだと。掃除とは「気付いて動くこと」。改めて掃除の大切さを知った。

「凡事徹底」の鍵山秀三郎さんは「掃除が会社を作る」と言っていたが、その言葉は胸に染みる。

何もできることがなかったら、掃除をしよう。掃除をしているといろいろなことに気付く。そして動けるようになる。掃除は心を作り、人を作る。

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