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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

校長先生 話が長くなっていませんか?

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校長になると人前で話す機会が増えます。入学式、卒業式、いろいろと挨拶する場面も多くなります。長いこと教員をやっていますが、申し訳ないくらい校長の話は覚えていません。記憶に残っているのはほんの少し。校長の話は長かった。話が長くなると要点がはっきりしなくなるのが、その原因のひとつなのでしょう。

校長になって心掛けたのは話を短く終わらせること。通常は2分以内。短い時は1分だった。卒業式の式辞も4分でまとめた。聞き手が理解しやすいペースは1分間で300字と言われる。500字程度で話をまとめるのだが、言いたいことを短くまとめるのは大変な労力だった。しかし、その分、言いたいこと・言うべきことも浮き彫りになった。工夫したのは必ずキーフレーズを入れることだった。心に残るようなキーフレーズをその時その時考えた。「義理と人情」「人としての基本」など。

「校長の話、感動しました。原稿を下さい」とか「話を聞いて嬉しくなりました」と先生たちが感想を伝えてくれるようになった。「校長の話を聞いて生徒が拍手をしてました。こんな光景初めて見ました」と言われたこともあった。毎回、人の心に伝わるような話はできないが、一生懸命に思いを伝えた。生徒に「校長先生の話、よかったです」と言われると本当に嬉しかった。

言葉を伝える、思いを伝える。校長の大事な仕事。話は短く。長い話ほど伝わりません。

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