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復興は長期戦、強く責任感のあるリーダーこそ心のケアを受けることを考えて欲しい

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2年前のゴールデンウィークに、私は宮城県の石巻に被災した友人を訪ねに行きました。滞在期間中はボランティアをしたかったのですが、ゴールデンウィーク期間中で多数の応募があり、既に募集は締め切っていました。

そこで、友人の知人のAさんのご好意で、Aさんの農園の田植えを手伝うことになりました。田植えには数人の方が手伝いに来ていましたが、私と友人以外は皆プロフェッショナルです。私たちは足手まといだったと思いますが、とても温かく迎え入れてくれました。

美しい風景のなかで泥だらけになってなんとか田植えを終えたこと、作業が終わったあとにAさんの奥様にご馳走になった遅めのお昼と米粉シフォンケーキのとても美味しかったことが、昨日のことのように思い出されます。

強く責任感のある地元のリーダー

Aさんは奥様のご実家の農業(農薬も肥料も使わない農法でササニシキを作っています)を兼業しながら、高校の教師をされています。私は田植えのときにはじめてお会いしたのですが、家族や仲間を大切にされる、とても強く責任感のある地元のリーダーのような人だと思いました。震災直後も、そしてつい最近までも、地元の人たちのために駆け回っていたそうです。

私が何より感銘したのは、Aさんは私より年下であるにも関わらず、年長者、年少者、子供たち、地元の人、地元の人以外の皆から尊敬を集め、頼りにされている姿でした。月並みな言葉ですが、「人格者」として目標にすべき人だと思いました。

自分のことは後回しになっていませんか?

先週、友人からそのAさんが高校での会議中に倒れ、救急車で運ばれたとの連絡がありました。病気は精神的なものに起因していて、いまも予断を許さない状態とのこと。

Aさんはとてもしっかりした人だと勝手に勘違いしていたので、病気が精神的なものに起因していると聞いて驚きました。逆に責任感のある人だからこそ、多くのものを抱え込んでしまったのだとは思いますが、とても無念でなりません……。

震災からの復興は、長い長い道のりだと思います。Aさんに限らずですが、現場でリーダシップを取っている方にこそ、ご自分の心身の健康を考えてくださるように願います。そして、場合によっては心のケアのプログラムなどを受けることも。

一日も早くAさんが健康を取り戻し、田んぼの中で見せてくれたような笑顔を、また見せてくれることを願います。

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