被災地応援ファンドを展開する「ミュージックセキュリティーズ」
今回は、東日本大震災の被災地応援ファンドを展開する「ミュージックセキュリティーズ」を紹介します。ミュージックセキュリティーズは元々は2001年より音楽アーティスト発掘のための資金を募るファンドを運営していましたが、2007年に地場産業を応援するファンドをスタートしました。
そして、東日本大震災後は、「セキュリテ被災地応援ファンド」が追加されました。運営はミュージックセキュリティーズ株式会社、ファンドですので投資に対するリターンは売上に応じた利益の分配金です。カテゴリとしては、事業・プロジェクトなどの資金を調達する「資金調達型」、一般の企業が運営する「営利型」、利益の分配金をもらう「分配(投資)型」になります。
音楽アーティストや地場産業の応援ができる
このミュージックセキュリティーズですが、元々の事業の音楽アーティストの作品の制作のファンドという発想からして素晴らしいと思います。投資家は1口1万円の小口で投資ができ、自分の気に入ったアーティストの応援をすることができます。もちろん、各アーティストの楽曲は事前にWebサイトで聴くことができます。応援する側は少額の投資でアーティストを育成するような楽しみがあり、アーティストはデビューや楽曲の発表のチャンスを得ることができる、アイデア溢れる仕組みだと思います。既に50組近くのアーティストがその恩恵を受けています。
また、地場産業の応援ができるのも良い目の付けどころだと思います。日本が誇る岡山県倉敷市児島のデニム職人の事業に投資したり、鳥取県境港の妖怪だるまの販売事業に投資する「妖怪ファンド」というのもあります。
大震災で被害を受けた事業者の再建を応援できる
そして、東日本大震災で被害を受けた事業者の事業再建に投資する「セキュリテ被災地応援ファンド」があることが最大の特長です。被災地応援ファンドには以下のようなものがあります。
- 気仙沼でただ一つの製麺所の工場再建に投資する「丸光食品ファンド」
- 気仙沼のふかひれ専門店の再建に投資する「石渡商店ふかひれファンド」
- 南三陸町のサケ販売事業者の再建に投資する「南三陸伊藤サケファンド」
被災した事業者の方をファンドというきちんとした仕組みで、しっかりと応援できるのが大きな魅力ですね。「被災後すぐにでも営業を再開しなければと気持ちだけが先走ってしまい、なかなか前に進むことができませんでした」とおっしゃるサケファンドの事業者の方の再建に投資してみたいと私も思います。
明確な投資ならばスッキリする
個人的にはこのファンドというかこの仕組み、とてもいいと思います。寄付をするのか、明確にビジネスとして投資するのかの二者択一が私は一番すっきりします。その効果は、本日(12/8)現在、13,352人がファンドに参加していることからもわかると思います。ただ、募集総額の907,940,000円に対して、調達金額は449,980,000円とまだ半分程度にしか達していないのが気に掛かるところです。投資は5千円や1万円からできますので、皆様もぜひご検討してみてはいかがでしょうか?