クラウドファンディングサービス「READYFOR?」
今回はクラウドファンディングサービス「READYFOR?」を紹介します。READYFORは、「あの人検索スパイシー」を運営するオーマ株式会社が2011年3月29日にスタートしたサービスです。
「クラウドファンディングサービス」という言い方をしていますが、前々回、前回と紹介したキックスターター、CAMPFIREと同様の事業・プロジェクトなどの資金を調達する「資金調達型」、一般の企業が運営する「営利型」、ものやサービスでリターンをもらう「もの・サービス型」のファンドレイジング・サイトです。
仕組みはほとんど同じ
仕組みとしては多くの人から少額の支援金を集めることで、クリエイティブな活動を支援するクラウドファンディングです。プロジェクト実行者は一定期間内に目標金額を集めきれた場合のみ、プロジェクト実行資金を手にすることができます。目標金額に満たなかった場合は、プロジェクトは未成立となり、資金を受け取ることができません。この辺の仕組みは前述の二つのサービスとまったく同じですね。
「引換券」をもらってリターンと交換
キックスターター、CAMPFIREと少し違うところは、支援者は引換券をもらうことで、プロジェクト実行者が提供する「もの・サービス」と交換することです。結局はもの・サービスでリターンを得るので同じと言えば同じですが。
例えば、「バングラデシュ・15 歳のための雑誌創刊プロジェクト!」というプロジェクトの場合、支援した金額によって「製作するベンガル語雑誌を1部」「雑誌の裏表紙にスポンサーの名前を記載」「雑誌を受け取った学生からの写真付きサンクスレター」「イベントへの招待」などの引換券がもらえます。
社会性の高い活動のプロジェクトを扱う!?
READYFOR?のサイトには、「音楽」「映画」「アート 」「テクノロジー」などのクリエイティブな活動はもちろん、「貧困問題」「教育問題」「環境問題」「医療問題」などの社会問題に対してオリジナルのアプローチをする社会性の高い活動のプロジェクトを扱うと記載されています。実際に以下のようなプロジェクトが登録されています。
- 写真から伝える、未知国の今。~みちのくcaravan~
- 石巻の声を伝えるために~『VOICE』絶望から希望の発信を~
- 『山元町 坂元の夜空に、大輪の華を』今年最後の花火大会
ビジネスとしてはまだ成り立っていない?
クリエイティブな活動に加え、社会性の高い活動のプロジェクトを扱うとしているREADYFOR?ですが、プロジェクトの登録件数は本日(11/29)現在、すべてのカテゴリをあわせても以下の通りとまだまだ少ない件数です。
<募集中のプロジェクト>
3件
<成立したプロジェクト>
18件
<成立しなかったプロジェクト>
1件
プロジェクト成立後は、プロジェクト申請者よりREADYFOR?が手数料を徴収する仕組みになっていますが、この件数では単体の事業としては成り立っていないと思います。前回のブログでも言いましたが、「もの・サービス」でリターンをするファンドレイジング・サイト、特にそこに社会貢献の仕組みを埋め込むことは日本の文化ではやはり難しいのでしょうか……。