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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

3~5年でレイトマジョリティに浸透する製品・サービスをイメージすべき

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先日イケてないサービスの儲けについて言及した際に、ロジャーズのイノベーション普及理論を使わせてもらいました。その翌日、日経のウェブサイトに行ってみると、偶然にも勝間和代女史が同理論で株価の動きを説明していたので、すこし「はっ」としました。もっとも着目している部分はまったく違います。

携帯3社の株価を「普及曲線」で読み解く・勝間和代

勝間女史が株価の伸び=時価総額の増大がどういうメカニズムで起こるかを解明しているのに対し、当方では拡大してしまった後の過分な儲け(レント)を見ています。
顧客の拡大がラガードにまで及んでしまうと成長率は鈍くなるものの(株価は伸びなくなる、あるいは下落するものの)、例えば従業員1人当りの指標で見れば(儲ける度合で見れば)、たぶん儲けは分厚くなっているはず、ということを当方は言っていたのでした。

ともあれ、勝間勝代女史の説明は、株価の上昇と下落のメカニズムを非常にすっきりと納得させるという意味で秀逸です。目からウロコですね。

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この数年間に起きた変化は、実はたった1つの法則で説明できる。それは「普及曲線」の変化である。
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 したがって、株価は「普及率が16%を少し超えたくらいの業界の株は過小評価され、その後普及率が50%前後で株価がピークとなり、以降は妥当な評価になるまで株価は下落する」という流れになることが多い。
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すばらしい!慧眼!

ロジャーズのイノベーション普及理論を、株価の増減=時価総額の増減のメカニズム解明に使った例は、寡聞ながら他に例がないのでは?と思います。

普及率が16%の頃は、まだ「その市場のすごさ」が多数派には理解されていないため、当然のごとく当該銘柄の成長余地が過少評価されていて株価の伸びは鈍い。けれどもある時期から急に理解が浸透していき、その銘柄が持つ成長余地が注目されて株価は急上昇する。しかし、成熟が若干見え始めた時点でピークを打つ。このパターンはおおむね”モデル”と言っていいかと思います。テクノロジーが関わる民生分野の商品・サービスを扱う企業の時価総額増減を説明するモデルということです。

現在では、どういう企業も時価総額の増減を意識した経営を行わなければなりません。スタートアップもそう。
勝間女史の上の知見を適用するならば、スタートアップにおいては、ゆくゆくアーリーマジョリティ、レイトマジョリティに拡大するような商品・サービスを投入することが非常に大事であるということがわかります。
俗に言うキャズム越えについても、投下商品・サービスのターゲットとしてイノベーター層ばかりを見ているからキャズム越えが問題になるのであって、2~5年先に確実にマジョリティ層に浸透しそうな、ある意味で角の取れた商品・サービスが投入できているならば、あとは常識的な、地道な営業を続けていくだけで、自然と顧客層が拡大していくということが言えるのではないでしょうか?

ポイントは、マジョリティが受け入れる余地を持った角の取れた商品・サービスであるかどうか、ということになります。そこをしっかり見ると、スタートアップにおいて投下すべき商品・サービスがどういうものであるかが明らかになると思います。ということで、自分へのメモとします。

若くして開発に携わっていると、どうしてもクールな商品・サービスに仕立てがちですが、その時に見えているのはアーリーアダプターのマーケットであることが多いです。いったんそこに浸透した後で、角を丸め角を丸めして、後続のマジョリティを目指すというのもよいのですが、途中で空白の期間が生じますね(マジョリティに方向転換するのに時間がかかる)。最初から角を取りやすい商品・サービスとして設計しておくのも手でしょう。

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