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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

安全ちゃんでふと思った

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ご存知かと思いますが、「カフェオレボウルをヘルメットに!」で安全ちゃんが鮮烈なデビューを果たしました。先日の金子平民さんと言い、はてなは新しいタイプのアーティストのインキュベーション空間になりつつあるのではと思えるほどです。

70年代の学生運動的言辞を駆使しつつ、80年代の「オリーブ」ヘゲモニーの復権を訴え、それを現在のYouTubeで華麗に提示する。しかも、オーディエンスとしての”はてな”をしっかり文脈に組み入れている。そういう時代のまぜこぜ感がなかなかすごいと思います。カフェオレボウルは元オリーブ少女のイコンなわけですね。

実際、80年代は雑誌に勢いがあって、「新しい雑誌を立ち上げる」ことが現在の「起業」に近い意味を持っていたと思います。
当時の雑誌は、いいポジショニングを得ていい意味での影響力を駆使できると、ターゲットのライフスタイルや価値観の変化を促すことができました。雑誌が「人種」を作ることができた、そういう時代だったわけです。
人種が誕生すると、固有の消費が発生しますから、広告媒体が必要になる。その人種がまさにその雑誌を読んでいるわけなので、広告クライアントからすれば、その雑誌に広告を出すのが一番の近道ということになる。

従って、雑誌が成功するということは、想定した読者層にいい意味での影響を強く与えつつ、部数もそこそこ伸びて、広告媒体としても成功するということを意味しました。編集も、広告営業部門も、読者も、広告クライアントも、みんなが喜んだ。その典型が「オリーブ」だったと言えるでしょう。

結局、事業が成功するとは、そんなことなんだろうな。

顧客の創造。そこがキモなわけです。

安全ちゃんに話を戻すと、上は学生運動の後ろの方の世代から、80年代サブカル世代、元オリーブ少女、そして現行はてなユーザーの若めの方々まで、非常に広い層にリーチしていますね。世代で区切ることが意味を持たない微妙なセグメントにおいて顧客が創造されています。

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