ポジティブフィードバックはフラクタルな構造をもって響きあう
エクスペリエンスのデザインを行うには、おそらく、エクスペリエンスをモデル的に記述する言語のようなものが必要だろうと思います。経験記述言語。響きはかっこいいです。
経験記述言語で例えば、表参道における32歳女性(モデル化された存在)のAs-Isの行動を記述してみると、おそらくそこにはたくさんのオポチュニティが見つかると思います。
記述はおそらく、社会ネットワーク分析で使われているノードとリンクを組み合わせたような、捨象化されたプロセス図のようになるのではないでしょうか?そしてそれを記述してみると初めて、いろんな行動の”合間”にあるムダのようなものや、ゆとりのようなものが見えてくるのではないかと思います。
一昨日記したポジティブフィードバック。ポジティブフィードバックは、認知をモデル的に把握するのにも使えるし、人が門前に群れを成す状況を記述するのにも使えるし、よく引き合いに出されるようにQWERTYキーボードをみんなが使うようになった経緯を説明するのにも使える、便利な概念です。
ポジティブフィードバックは、一言で言えば、あるノードからあるノードへのパスが二度も三度も”再訪”されて、それによって”再訪”された側のノードが強くなったり、改善されたり、変化していったりということになります。
このポジティブフィードバックも、何らかの簡単な記述言語のようなもので記述できると思います。
すると、アタマのなかで起こっているポジティブフィードバック、インターネット上を移動しながら特定のサイトや投稿に対して起こるポジティブフィードバック、それからさらには、製品の口コミレビューを利用して製品開発に利用するような企業におけるポジティブフィードバックの活用など、みな、フラクタルな構造を持っている様が見えてくるのではないかと思っておるわけです。
組織規模で起こるポジティブフィードバックは、インターネット上で起こるポジティブフィードバックを内包しており、インターネット上のポジティブフィードバックは、脳内の認知レベルで起こるポジティブフィードバックを内包しているといった具合に。たぶんそこでは何かが共鳴しているような状況ではなかろうかと思います。
人が何か新しい対象に価値を感じる時、それは、その対象に対して、脳内でポジティブフィードバック的にアクセスしたり吟味したりを繰り返しているんだと考えます。
ポジティブフィードバックのパスを可視化して、モデルとして論じて、いい意味で操作を加えたりなんかすると、価値を発生させたり、ややずれた価値の異バージョンを作り上げたりすることもできるんではないかと思うわけです。
ポランニーを読まなければなりません。ということでアマゾンへ。