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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

BM-0006:事業モジュール#3 KAIZENエンジンの企業顧客

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企業顧客については、議論すべき事項がたくさんあります。ここでスタックしてはいけないので、挙げるだけ挙げてみます。

1. 戦略コンサルティングの組み入れ
消費者の生の声を商品開発や顧客満足度向上に積極的に活用できる企業はさほど多くないと思われる。
KAIZEN提案の活用が営業利益の向上などの現実的な成果を生むためには、商品開発のプロセス、マーケティングのあり方、関係する組織間に働く力関係(ガバナンス)、経営の関与(目標設定とインセンティブ設計)といった事項に関する戦略コンサルティングが不可欠になる。
この戦略コンサルティングを行うことのできるスキルセットを持ったコンサルタントの確保は不可能ではないとして、では、本事業に適用できる実証済のノウハウをどのへんに求めればよいのか?言い換えれば、応用可能なベストプラクティスはどこかに転がっているのか?それともまったく新規に開発する必要があるのか?

2. 収益モデル
本事業は当然ながら、消費者から上がってくるKAIZEN提案を右から左に流してチャリーンというものではない。収益の源泉を、企業顧客がKAIZEN提案を積極活用することによって増加させることのできた営業利益の増分に求める。すなわち、増加した営業利益金額の所定の比率を企業顧客に請求させていただく。
請求は基本料金部分と成功報酬部分の二本立てとする。この考え方でよいか?

3. ターゲットの設定
企業活動に消費者のKAIZEN提案を採り入れて、端的には営業利益を向上させるポテンシャルのある業種は多岐にわたる。本事業の立ち上げ時には対応人員も少ないことから、できるだけ早期に成果が出て、早期にこちらのキャッシュフローを増大させる業種に絞り込み、さらに当該業種において相当程度にイノベーティブな経営を行っている企業にターゲットを設定しなければならない。
現時点ですぐに思い浮かぶ事業領域には、ハードウェアとソフトウェアとサービスが渾然一体となった商品の領域、すなわち、①新型の携帯電話を使って決済を行いつつサービスを享受するといった複合的なパターン、②カーナビで通信系のサービスを提供しつつそれに決済と有料コンテンツサービスが絡むといった複合的なパターン、③ホームシアターのハードウェアセット上で再生することに意味があるブロードバンド有料コンテンツの利用といったものがあるが、ターゲットについてこの認識でいいか?

4. KAIZEN提案の収集・公募の領域
消費者からKAIZEN提案を収集・公募する際に、企業顧客の受け入れ態勢の準備度合を勘案しつつ、業種を限定した形で公募する(戦略コンサルの適用業種に限定する)のがよいのか?それとも、業種に現実的な制約を設けず、集まってくるものを柔軟に集積して、一部のKAIZEN提案については、戦略コンサルティング抜きで、スルー販売をしてしまう形があってもよいものか?

5. 企業顧客とともに事業内容を開発する形態
開業当初の本事業はいわばβ版であり、企業顧客にぶつけて使ってもらうなかで細部を調整していかなければならない筋合いもの。そうであれば、事業モデルに予めβ版共同開発のメカニズムを組み込み、特定の企業との間では、①β版のサービスを利用していただくが代価は取らない、②β版共同開発によって得られた知見は知的財産権の保護措置を講じ、両社がそれによって現実的な便益を得られるようにする(当該業界において傑出したノウハウを持てる→競合企業の利用の可否をコントロールできる)。このような仕組みはどうか?

6. 株式公開企業に限定
KAIZEN提案の提供者は消費者であり、個人情報保護の観点から相応の対策が不可欠。これを利用する企業顧客においても慎重な取り扱いが望まれる。株式公開企業には社会的な監視によるガバナンスが働いていることから、個人情報の取り扱いについても一定水準以上が期待できる。また、KAIZEN提案の内容を企業顧客に開示する際に、消費者の自宅においてデモを行ってもらう必要がある場合には特に、企業顧客が株式公開によって相応の信頼を得ているということであれば安心感がある。
以上のことから企業顧客は株式公開企業に限定する。これを例えば、東証一部上場企業に限定といった形で、より狭めることが有効か否か?

主なポイントは以上のようになるでしょうか。いずれにしても、これは私だけが考えて云々すべき事項ではなく、戦略コアチームおよび経営コアチームが集まった時点で侃侃諤諤の議論をすべきものです。

ご興味を抱いていただけそうな方々にご説明をして回るための旅立ちの日が近づいてきています。
来年の今ごろにはβサイトが立ち上がっていなければなりません。

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