「司会」がトレンド入り、記者会見が広く見られる時代に、自ら燃える日大広報のケーススタディ
日大アメリカンフットボール部、内田前監督と井上コーチによる会見。AbemaTVなどで生中継され多くの方が生中継で見たと思うのですが、印象に残ったのは司会者の高圧的な態度だったでしょう。核心を突くいい質問の畳み掛けを打ち切ってなんだこれはと思わされました。確かに長い会見だったし会見後に、内田正人氏が日大常務の資格を停止して第三者委員会に進退をゆだねると早く言わせたかったんだろうなという気持ちもわかります。
しかし、
記者「司会者のあなたの発言で日大のブランドが落ちてしまうかもしれないんですよ」
司会者「落ちません」 (場内笑い)
なんていうやり取りをやっていまうのは、広報戦略的にまずいと思わないのか?どこを向いて広報は仕事しているのか?と疑問を持たざるを得ない会見でした。
相対的に内田前監督や井上コーチの態度が誠実で、驕慢な日大広報部が批判をかぶるという新しい広報戦略は結果的にいい結果を生むかも知れません。こんなひどい環境の中で監督やコーチはまだまともだったのかもと世論も変わるかもしれません。 https://www.youtube.com/watch?v=6VvRMefMDCI
ともあれ、怪我をされた関西学院の選手や指導者、保護者の皆様、への謝罪があったのかもしれませんが、印象として残りませんでした。また、内田前監督は、前の4年制が大学日本一を成し遂げたことを繰り返し語り、大学チームが試合で結果を残すことへの執着が深いことを印象づけるというか実際にそこを主に考えていて、今もそうだということが伝わりました。
反則があってはならないというのは暗黙の了解だと内田前監督は繰り返し、井上コーチは選手の成長ばかりを考えて大きな怪我を対戦相手に負わせてしまったことはあまり考えておらず、日大広報は、会見を早く終えて、内田氏の常務職務停止を語らせたい、そう思いながら、記者の質問に答えることは二の次だった、そんな大事なことは何と考えているのかがよくわかったと思います。
内向きの論理で構築された組織が世間の荒波に突然揉まれた時に起きるケーススタディとして、まだまだ、日大アメリカンフットボール部 &日大広報事件は目が離せないことは確実でしょう。