記録するジャーナリズムから、測って確かめるデータイズムへ

無痛分娩は危険?データを読めない記者が生み出す「誤報」

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>信頼失う新聞・テレビは滅ぶのか 池上彰さんが「楽観できない」と語る理由 などの記事でマスコミ側からは、ネットの情報がデマでマスコミが正しいという論調の報道が続いています。熊本の地震で動物園からライオンが逃げてというデマがネットから流れたということを問題にした報道でもネットがデマの元として語られていました。

しかし、マスコミ報道への信頼が落ちている理由の一つは、そもそも、マスコミの記者やデスクがデータ分析ができない人が多くて不正確な報道がよくあること、そして、マスコミの相互批判が不十分で問題を糺そうという自浄作用に欠けていることが問題だと思います。また、マスコミ報道は分かりやすく伝えるという「マス=大衆」へのコミュニケーションんという使命から複雑な問題を単純化することを是としてきました。先の記事の語り手、池上彰氏はその代表でしょう。確かにテレビのような媒体でじっくり語れる場はわずかであり、物事を伝えるには単純化せざるをえない面があります。しかし、そのマスコミが行う単純化が往々にして間違っているのもありがちなことです。

ニュース・解説 麻酔使った「無痛分娩」で13人死亡...厚労省、急変対応求める緊急提言

もそんな、マスコミの単純化による「誤報」でしょう。見出しだけ見ると無痛分娩で13人死亡で、緊急提言が出たというニュースだと思えます。しかし記事本文を見ると、

研究班は、2010年1月から16年4月までに報告された298人の妊産婦死亡例を分析。無痛分娩を行っていた死亡例が13人(4%)

であり、

池田教授によると、国内の無痛分娩は近年、増加傾向にあり、データ上、無痛分娩で死亡率が明らかに高まるとは言えないという。

元の記事を読む
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170417-OYTET50023/#csidxd80fcf41477470d998c39c523945016
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としています。無痛分娩が増える中で死亡例もあるのですが、それがより多いかどうかは分かりません。また、妊娠出産の高齢化が進んでいるという背景もあります。このニュースを見て、「自然分娩が安心だ」と思うのは早計です。

ニュースとして広まるためにはわかりやすさとか、伝えるポイントが重要ですが、そういうわかりやすさが無い、複雑な発表は医学報道ではよくあります。この分かりやすさを求めたために誤解を生みワクチン接種の有益さを損なっている例もあります。 子宮頸がんワクチン、接種の積極的勧奨に「議論必要」...厚労省検討会 (読売新聞 ヨミドクター)

いい記事も多い読売新聞 ヨミドクターだけに、単純化し難いニュースは誤解が生じないように慎重に伝える姿勢を貫いてほしいし、問題ある報道にはネットだけでなくマスコミでも相互チェックが働いて欲しいそう願います。

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