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低所得層で本当に人気の政党は?:「自民離れ」と書いた朝日新聞の誤解

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「世帯年収が低い層、特に300万円未満の層で自民支持に代わって増加が目立つのは、無党派層だ。」

っていうのは朝日新聞の記事を見たのですが、これは初歩的なミスなのか、自民離れを探ししたいためのこじつけなのかとにかく間違っています。

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無党派へのシフトが世帯年収300万円未満の低所得層で起きているのかは支持政党がある中でどう変わったかを見ないとわかりません。比率を出してみました。
Snap17-asahi-300.png
自民党の支持比率はほぼ横ばいです。
他の年収層と比べると伸びてないとはいえますが、「自民党離れ」という見方は不適切でしょう。

低所得層で支持を伸ばしている本当の政党は?

チャートで一目瞭然ですが、低所得層で特に伸びたのは共産党と公明党です。特に共産党は大きく支持を伸ばしました。ただ、共産党は各階層でまんべんなく支持を伸ばす中での動きであり、従来から低所得層で強い公明党が引き続き強いという傾向もうかがえます。

朝日新聞のこの記事では、共産党と公明党には言及がありませんでした。既知の常識ということかもしれませんが、データに現れても朝日新聞が語らない事実にこそ注目すべきでしょう。

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