日経新聞アルコール飲料推移のグラフはひどいのか?
まるで、低アルコール飲料* がビール系飲料を抜きそうだと、誤解を与えるからひどいと一部で話題の日経新聞のグラフ。
こういうグラフを作った人はどういう地獄に落ちるんだろうな。 pic.twitter.com/mwq3jl4iUQ
— yu koseki (@youkoseki) 2014, 6月 27
普通に作り直したらこうなった
さっきの日経のグラフ( http://t.co/RJImQbCfQ3 )をそれなりにちゃんとしたものにしてみた。数値は画像見ての概算値なのでややズレがあるかも。 pic.twitter.com/eSTE9BYIqr
— 大和50連敗中ハッシー@1日目E-22a (@hassy_6thsense) 2014, 6月 27
とかの指摘も出ています。 確かに、あまりよろしくない、印象操作に見えるグラフです。しかし、限られた紙面で低アルコール飲料が伸びている一方でビール系は横ばいという事実を伝えるにはこういうチャートも意味があると私は思います。
できることなら、絶対値を示すチャートと、推移を示す下のようなチャートを二つ示したいところです。しかし、限りある紙面にそういうことがやりにくことも確かで、結果、折衷案というか、恣意性のあるグラフが使われるのでしょう。
ともあれ、グラフは雄弁で注意が必要です。同じデータを元にして、税法上の分類でそのままチャートを作り、事実を誤認した説明された舞田敏彦氏のツイートを紹介します。
酒類販売数量の推移図。若者を中心とした「酒離れ」がいわれるが,今世紀になってから確かに減っているな(とくにビール)。最初の「とりあえずビール!」は,今の飲み会ではタブーらしい(原田さん『ヤンキー経済』)。 pic.twitter.com/gnjmPUIEMo
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2014, 6月 21
このチャートでの「ビール」は税法上のビールであり、発泡酒や第三のビール類飲料を含みません。「その他」に入っているうちの、ビール系かそれ以外かが問題です。
「ジョッキ生」とかの呼び名で発泡酒が乾杯に使われたりもありえます。確かに、瓶ビールで差しつ差されつは減るとか飲酒の風景はいろいろ変わっていますが、表現すべきデータを間違うと誤解を生む好例でしょう。
*低アルコール飲料:アルコール度数3%から9%の度数のアルコール飲料のうち、ビール類を除いたもの。チューハイやハイボール、カクテルなどが該当する。