10円の価値の電力を42円で売る(買わされる)方法
価格はいろいろな場面で変わります。100円のコーラも場合によっては1000円で売れます。
220円のビールがサッカースタジアムで飲む時は500円で売れるという説明の方が私には身近なのですが、場合よって払っていいと思う値段が変わるのは道理です。
こんな値段が変わるのも消費財による消費の場によって価値が変わるという性質によるものです。ビールであれば飲みたい時に手に入る、しかもその時には安い店に買いにいけないとなると高くても買おうという気持ちになるわけです。
一方、電力も似た性質があり、足りない時に助けてくれる確実な電力なら高い単価を払ってもいいでしょう。地球温暖化の問題とか調達の安定性の問題があるにしろ、火力発電なら10円/kWh程度の価格で得られます。
逆に天気まかせで不安定で、足りなくなったら代替運転を強いるような電力源なんて高い値段を払いたくありません。太陽光発電はその最たるもので、需要期の昼に発電されるとはいえ、曇ったらとたんに出力が落ちます。その不安定で価値が低い電力を今後20年42円/kWhで買い取ろいうという法案が策定されてしまおうとしています。
私はあきらめの境地にあったのですが、
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法
の施行に向けた主要論点に対する意見募集についてで、パブリックコメントを寄せられる
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620112023&Mode=0
と知り、この問題をより知って意見を述べる方が増えることを願ってブロッグエントリーを起こしました。
今は東京電力は実質国有化されており、叩いて金を出せる存在を超えた、日本国民がどう支えるか自分の物として考えるべき企業です。その東京電力などの電力会社の負担を増やそうという法案は、
あなた、そして私の財産を削り取る
法律にほかなりません。
自然エネルギーで産業振興というビジョンもありますが、太陽光発電パネルはいわば「電気の缶詰」であり、相対的に電力料金が高い日本の産業をドライブするエンジンとは非常になりにくいものです。
来るか地熱発電ブーム空白の10年を取り戻す方法
WEDGE6月号特集
で話題のように、日本の特性を生かして産業振興になる自然エネルギーは他にもっとあります。そして、22世紀に向けて地震の可能性が高い国や地域での原子力発電という人類が必要とする課題の解決策も日本はその答えをだす近い場所にいます。
なぜそのようなチャンスではなく、太陽光発電パネルの輸入事業という日本の特性が活かしにくい事業に国民負担を強いるのか? 大いに疑問を感じます。
日本の国富流出を減らすための太陽光パネルといいつつ、結局、パネルは輸入か輸入の燃料で作るという皮肉な自体に一人でも多くの方が気づき、目を覚まされることを期待しています。