米式マーケティングの基本が簡単に、Zoho CRMいいかも
BtoB(企業向け)マーケティングと銘打った本ブログですが、原点に立ち返り、Zoho CRM(カスタマーリレーションシップ管理)ツールをご紹介します。
CRMという言葉は何度か流行って意味もちょっと違うのですが、これはSiebelやSalesforce.com流の、
引き合い(問い合わせ) → 連絡先(≒リード) → 商談 → パイプライン(引き合い)→ 売上
という一連のBtoBビジネスを行なっている企業のマーケティング・セールス活動を補足し、Eメール配信による支援、Webフォームからのデータの取り込み、取引先(企業)の管理などを一貫して行えるツールになっています。
Zoho自体がターゲットにしているのは数名から100名以下という幅の小規模企業であり、Salesforce.comとはターゲットの企業規模が違います。その分持っている機能もシンプルなようですが、逆に言うと分かりやすくなっています。
ただし、代理店販売が主とかで、代理店管理が必要とかより複雑な販売形態をとる会社には向かないと思います。シンプルに営業が見込客をクロージングして売上を立てるような直販、それも案件規模がそれなりに大きくて、営業の売上可能な手玉(パイプライン)管理が必要な会社には合いそうです。
米国式マーケティングの基本が簡単に実践できそう:
私自身、Oracle時代はSiebelではなく日本独自カスタム開発のマーケティングツールを使っており、その後のベンチャーではSalesforce.com 、そして今はより大企業向けのマーケティングCRMツールをメインで使っており、Selesforceのいい所、大企業向けのツールのいいところも実感しています。
その一方で、何でもできるので業務に合わせてカスタマイズして逆に効率化ができてないかもしれないというジレンマもあります。
このZoho CRMはシンプルな分、基本に忠実に実践して、マーケティングと営業そして、経営層がしっかり使えば非常にいいツールとして使えそうに思います。
というのも、日本のほとんどの企業は米国式マーケティングがほとんど実践できておらず、そもそも、「リード」の定義がされていない、案件管理が曖昧でパイプラインが管理されてない。売上はパイプラインとして見える化されたものではなく、営業の隠し玉から締め直前に飛び出す、とかいうのが常態だからです。
経営者や営業トップがそれでいいという考え方ならこういうCRMツールは要りませんが、そうではダメで、パイプラインを管理して四半期や月毎の売上管理をより正確にやるとか、マーケティングはマーケティングでイベント参加とかの活動(キャンペーン)の成果をパイプラインにヒモ付て、費用対効果がある程度わかるようにしようとか考えていれば大いに役立つと思います。
そしてまた、Zoho CRMはそういう基本も分かりやすく見せていて、同じ定義で、同じ目標に進めるような作りになっています。
多くのマーケティング担当者は日々の活動に忙殺され、自分の活動がどう、リード獲得、パイプラインの積み上げ、売上という刈りこみに繋がっているか見えずにいます。そして、営業もマーケティングの活動が自分の営業成績に繋がっているという実感を持てずにいます。
そこを、一気通貫したツールで見えるようにすることで、マーケティングは営業という前線に必要な資材(リード)を届ける重要なロジスティックス(兵站)を担う戦いを支える部門という実感を持てることでしょう。
もちろん、いいことばかりではないし、大規模な会社でも機能が足りないところがいろいろあると思います。しかし、先に述べたように比較的案件規模が大きな直販中心の小規模企業であれば情報の共有と運用の方法の意思統一で非常にいいツールとして使えると思います。
Zohoの方に聞くとデータのエクスポートは簡単で、「データロックイン」されてないということなので、Zoho CRMで機能不足を感じたらより大規模向けのシステムに移行も比較的楽なようです。米国式セールス&マーケティングのやり方を取り入れてみたい会社が最初に試すには非常にいいと感じました。