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東京の屋上で、5.4μSv/hrや0.5μSv/hrが計測された意味

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東京都杉並区のビルの屋上に積もったチリで約6μSv/時の放射線量を計測する動画が4/12にYouTubeで流れ一部で話題となりました。「東京も子供は注意した方がいい。」「地面」も危ないという危惧の声があったのですが、実際のところ実は東京も危ないのでしょうか?報道されている、東京の放射線量は、実はでたらめでこの映像の数字が真実なのでしょうか?

この映像を解釈できそうな方ということで、福島の大学で助教をされ、大学の戦力測定もされている三宅 将生氏にぶしつけながらご意見を請いました。余震多発のなか突然の問いかけに以下のように、お答えいただきました。非常に明快で簡潔なお答えに感謝しております。

屋上一面に降り積もったものがこの部分に水たまりとなって集まり、そのまま乾燥したように見えます。その時に濃縮したのでしょう。たまり場と全体の面積比によって濃縮度が決定

http://twitter.com/#!/jamfmu/status/57799108936740864

@sakamotoh 極端に濃縮されたポイントがある場合はそこに注意をはらう必要があると思います。ただ、ずっとそこにいるわけではないので、避難うんぬんというのとは別問題でしょう。

http://twitter.com/#!/jamfmu/status/57800257836298242

jamfmu

このいただいた見解のもとに見ていただいたのは、先のYouTube動画と同じソースと思われる動画や写真と見解が記載されたブログ「天災と人災」
http://maxlabo.exblog.jp/m2011-04-01/ の動画です。そこでは東京のビルの屋上で、5.4μSv/hrや0.5μSv/hr の放射線量が計測される様子が映っていました。

同じ屋上でも10倍違う値が出る意味

同じ屋上でも場所によって10倍値が違ったのですが、これは、場所によって濃淡があること、つまり、屋上で均等に6μSv/h クラスの放射線量があるのではなく、10分の1の場所もあることを意味します。そこから、濃縮されたポイントがあることで場所によって大きな値が出ていると理解できます。

ただ、人が暮らす上での環境から受ける年間の放射線量を計算するにあたっては、局所的な大きな値ではなく平均的な空間の値と内部被曝の合算で考えるべきでしょう。

条件により放射性物質が濃縮された場所が当面はある、という認識は持ちつつも、人が暮らす空間での値、0.1μSv/h近辺がやはり東京での今現在の放射線量と理解するのがよいかと思います。

いずれにしろ、恐れすぎず侮らずという科学的に冷静な対処が今求められていると思います。

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