はやぶさ帰還生中継が変える、ネット補完媒体としてのテレビ
小惑星探査機「はやぶさ」が無事地球へ帰還しました。6/14 午前2時現在でカプセルのパラシュート降下も確認され大成功が続いています。しかし、その一方で、テレビでの生中継が無く、ニコニコ生放送やUstreamでしか見られなかったことにTwitterを中心としたネット口コミ界で批判が起きています。この大事件は国民的な出来事としてしっかり取り上げるべきだったのではないか?と。
私自身、Ustream での生視聴で失敗してがっかりしたところなので、生中継で見たかったなと非常に残念なのですが、一ついいことがありました。数年前に話題になった後、いつの間にか立ち消えた、「通信と放送の融合」の意義が分かったのです。
放送は通信によるストリーミング中継の補完媒体としての役目を果たすべきだと。ネットによるストリーミング中継が開いた、リアルタイム中継を求めるニーズは根強く、ミドルメディアたるネットの限界を拾っていくことが必要でかつ、近い将来実現されていくことだと
総まとめ: お帰りなさい、はやぶさ! - ITmedia News via kwout
はやぶ さ カプセルの落下確認 NHKニュース via kwout
Ustreamをはじめとするネットの生中継は、数人から数千人、場合によって数万人とかのレベルの視聴者を集める媒体として機能しだしています。時間の制約が少なく、編集・加工されない生の映像と音声がそのまま流されることが多く、見る側もリアルタイムなダダ漏れの面白さを知り、より広範囲な出来事への生中継ニーズが増えています。
しかし、多くの人が同時に見ることについては限界があるのも確かです。情報感度を高くしていないとその「ネット放送」がどこであるか知ることも困難です。そして、ネットワーク帯域というか伝送のボトルネックにより100万人単位の同時視聴を支えることはかなり難しい状況です。全戸に光ブロードバンドを引いて....という構想もありますが、それを使った大量同時視聴を支えられるインフラがあるのか?となると疑問が残ります。
むしろ、多チャンネル化した放送が、ネットであふれた大量視聴のニーズを拾い、ミドルメディアの限界を支える補完媒体として機能していくと、変化の方が現実的ではないでしょうか?ネットの帯域が広がりボトルネックが無くなることはうれしいことですが、それでもなお、大量同時伝達には放送の方が効率よく便利という面を感じます。
はやぶさは燃え尽きて大きな功績を残そうとしています。その一つにテレビをネットの補完媒体に変えたという功績が付け加わってくれるといいと私は願っています。