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デマンドジェネレーション&パイプライン志向で、「測れて、報われる」BtoBマーケティングのために

皆さんは、学芸会とプロの演劇、どっちを多く見た経験がありますか?恐らく、学芸会の方が多い人の方が多いと思います。私はそうです。

プロの演劇の方が素人より上手いなんて、当たり前ですが、演劇好きの人以外は、案外、身内の学芸会の方が多く接していると思います。それは、いい演劇を見たいというような領域の人は少なく、身内が演じているなら見ようという人は多いという理由によるものと思います。

こんなことを考えたのは、米持氏のこの記事

http://blogs.itmedia.co.jp/pandrbox/2010/03/post-bfcc.html

コスト削減による学芸会のような社会:テクノロジーと希望:ITmedia オルタナティブ・ブログ via kwout

という刺激的なタイトルにひきつけられたからです。

  • セールスのプロでない人がセールスをしているケース。商品の品揃えも、在庫も頭に入ってない、値引き交渉もできない。
  • マーケティングのプロでない人が宣伝をしているケース。市場調査もしない、客層の把握もしない。
  • なんでも自作したがるITユーザー企業。ベンダーソフトウェアを買うより、余っている人材に作らせるほか無い悲しい現実。

 

指摘は分かります。社会の発展を考えると比較優位のメリットを生かす分業が重要です。プロならもっと上手いというのも分かります。

しかし、外注をやめる動きがコスト削減だけを理由に見えているならば、それは表面的的過ぎるのじゃないかと感じました。

むしろ私は、内製化することで自社の強みを発揮すべき領域として積極的に取り組もうとしているのじゃなかろうか?そもそも、SaaSのようにメリットがあれば、既製品のサービスを使おうという動きが広がる中で、表面的なコストだけを見て内製化にシフトするほど今の企業が思慮が足りないとは思えないからです。もちろん、日本で、雇用の流動性が低くて仕事を作るために無理やり内製化している会社が世の中にはきっとあるとは思います。しかし、余剰人員を抱えたまま配置転換して苦境を乗り切るなんていう美談をあまり聞かない昨今、コスト削減だけを理由にそんなシフトが起きているとは思いづらいのです。

「学芸会」のようであろうと、他社との競争に関わる重要なことは自社でやろうという判断:

そもそも、日本の情報システムは、外注や、情報システム子会社への委託が、北米やオーストラリアあたりの企業より多いというのが私の実感です。もちろん、「手組み」で自社開発じゃなく、パッケージを活用とかいうケースが多いですが、そのパッケージを評価・比較検討し、システムのグランドデザインを描くのは自社でというケースが日本は少なく、北米などでは多いと実感しています。

それは、情報システムが、日本でも営業や製造に並ぶような自社のコアコンピータンス(他社との比較優位に関わる根幹)と考えられ始めている現われじゃないかと思います。

もちろん、自社でまかないにくい箇所はあるし、積極的に専門ベンダーやSI会社を活用するということは世界中で行われていると思います。しかし、情報システムが営業や製造と同じくらい重要だから、自社にあう情報システムがちゃんと使えて困らないようにしよう、そう考える会社がやっと増えているのじゃないでしょうか。

プロの目から見てそれは、「学芸会のよう」かもしれません。しかし、自社でノウハウを積み、いいものを使っていくためにしっかり成長させていこうという方針があれば、それは成長の糧としての学芸会として実になり、未来の成長に繋がる重要な投資となると思います。

もちろん、水平分業の意義はありますし、そんな内製化をあらゆる領域で行うことは不合理です。

多くの会社ではロジスティックスを周辺と考えて外注していますし、逆にAmazonはコアと考えて内部に多く取り込んでいます。そして、そうは言いつつも自前で配送会社を作るなんていうことはせずに最終的な配達は外部に委託するし、中古の書籍やらなにやら、協力関係を持つ小売会社との連合関係も持っています。

情報システムも、自社のコアと考えて育てるべき部分と、周辺と考えて外部にお願いする部分とその戦略が重要になっていくのではないか?そう考えています。

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お断り:
本ブログでの坂本英樹による投稿やコメントは、あくまで個人の主観に基づくものです。現在および過去の勤務先の意見や見解を表すものではありません。

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コメント
mohno 2010/03/11 10:37

こう言ってはなんですが、学芸会は自分の家族が演じるから見にいくのであって、(少なくともお金を払ってまで)他人の出番を見ようとは思わないですよね。どれほどすばらしい学芸会でも、所詮プロの劇団にはなれません(学芸会のような演劇を見たぞ、とかいう話はともかく)。

米持さんの感想はもっともなものだと思いますし、「他社との競争に関わる重要なことは自社でやろうという判断」として自社内に知見を蓄積したいのであれば、それは勝手を知るプロを雇い入れたり、コンサルを受けてやるべき、ということではないでしょうか。システム開発については、そもそも企業の差別化要因となりえるものなので、むしろ企業内に開発部門を持つべきという意見もありますが。

まあ、皆、そんなことはわかっていると思うのですが、それでもなぜ内製化しているかというと、みんながやっているので、これまで外注してきた部分での品質競争が起きにくいのでしょうね。みんなで渡っているから怖くないとでもいいますか。

やれやれ。

坂本英樹 2010/03/11 11:07

おお、mohnoさん、早速コメントありがとうございます。
プロのいいところは認めているんですが、日本のITの問題はベンダー丸投げで根幹を自社で把握していないところの方だと自分は思っています。情報システムの内製化が進んでいるという認識は無くて、できあいのパッケージなりSaaSなりを使えばいいのに、「出入りの業者」にカスタム開発させていることが問題だと思います。

問題認識のずれがあるので、問題的の方向が逆になるんじゃないでしょうか?

米持幸寿 2010/03/11 12:01

坂本様
トラックバックありがとうございます。

ITシステムの内製化は進んでいなくて、「出入りの業者」にまるなげカスタム開発、というパターンが多いと私も感じます。
それこそが「コアコンピタンス」を外へ出してしまっている一つの現れだと思います。

問題は「プロが作ったものに勝てるはずもないのに、カスタム開発で安くあげようとする」という考え方だと思います。「作ったほうが良いものができる」ではなく、「安いから」という理由が大半を占めていると感じます。「買うと高い」というイメージが強く、「カスタム開発は安くできるかもしれない」という意識があるかと。外注丸投げの場合「安いところへ発注する」と入札にすれば、みんな値下げしますから、安くあがります。でも、それはプロが作った者と同じものは作れません。
いらん機能がたくさんついて無駄に高いパッケージソフトウェアも問題ではあるのですが、高いだけあってきちんと作られていますし、分析計算機能やスケールの機能はそう簡単に真似できるものではありません。それなりに専門家が作っているわけですから。そういうものは「買うと無駄遣い」的な発想はすくなからず存在する、いや、むしろ多いと思います。
数学やコンピューターサイエンスの専門家(世界的にも有名な博士級の人)が作ったものは金を出して買い、ビジネス最前線の斬新的なアイデアはコアコンピタンスとして自前で作る、というのがよいバランスかと思います。買うと高いので余剰人員(内部・外注業者も含め)の人材を安く買いたたいてカスタム開発させる、というのがコアコンピタンスだとは感じられないのです。
まぁ不景気がこういう体質を後押ししているのも確かなんですが。予算削減の話のなんと多いことか・・・。

坂本英樹 2010/03/11 13:00

米持さん、わざわざこちらにコメントいただきありがとうございます。

問題意識の方向は違うかもしれませんが、しっかり投資すべきところは投資して、投資対効果を最適化させるべきである という点は同じだと思います。

「プロに任せる」にも任せる側、発注側の理解や無いといいものはできず、日本のITの問題はそこにあると思います。その価値や効果や重要性をちゃんと理解し、「安けりゃいい」じゃないもの、見た目や狭い範囲の理解だけの評価でない、社会に役立つものを出そうという意識は不足していると思います。

今後ともよろしくお願いいたします。


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坂本 英樹

某基盤系の外資ソフトウェア会社でネットマーケティングを担当。リード獲得の実務と裏方に日々奮闘中。

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