Wikipediaは寄付運営を続けるべきか、広告などの商用モデルに代わるべきか?
元マイクロソフト株式会社の社長、成毛眞氏がWikipedia財団への寄付を呼びかけられています。ただし、Wikipediaという固有のサービスを wikiという「ウェブブラウザを利用してWebサーバ上のハイパーテキスト文書を書き換えるシステムの一種」(by Wikipedia)一般用語で呼んでしまうというあまりに初歩的なミスをされていて、5年弱ほど下で働いていて、その頭の良さとか、レッドモンドの偉い人たちに負けないはったり力とかを知っている身としては、非常になぜそんな表現で、更にまた、寄付を呼びかけるという実に「らしくない」ことをされているか理解に苦しみます。
社会人の人たちは、いままさにwikiに寄附してほしい。あと6億円ほど必要なのだ。wikiがない人類の未来など考えられない。未来永劫の人類全体の財産だと思う。
ビルゲイツが財産の0.01%を寄付するだけでも何十年もwikiは活動できるだろうが、それではみんなの、人類のwikiにならない。賢いビルは絶対にそんなことをしないだろう。
寄付で成り立つ組織は確かにあります。そして、私もささやかながら2009年のスマトラ沖地震への救済とか毎年何らかの寄付は行っています。そういう寄付を否定しないつもりの私でも、Google AdWordsなり何なりで運営費用がまかなえそうなWikipediaへの寄付を呼びかけられることに疑問を感じます。
ひょっとして、それは、Microsoft が独占的な検索エンジンとして選ぶ契約の理由付け、アリバイ工作だったりしないのか???
などとです。
広告をとってしまうと、メディアの中立性や商業主義からの独立がなくなってしまうのではないか?そんな疑念は、昔からあって、雑誌、暮らしの手帖など主義として広告を入れない媒体はありました。しかし、広告を入れる媒体が偏っているかというとそうとは限りませんし、Wikipeda自体が健全に持続的な活動をするべく運営費を稼ぐことは可能だと思います。
ともあれ、儲けに対してとても才覚が利き、営業力が抜群にある成毛氏がらしくないことを書かれている。それは後から振り返るととても意味のあることなのじゃないか、そんな不安がしてなりません。Twitterからのリンクをみると、あの有名な方も協力されているとか。
http://twitter.com/takapon_jp/status/6055494138
堀江貴文(Takafumi Horie)
Wikipediaと戦われ、その一方で創始者のJimmy Wales氏を招いてシンポジウムまで主催された池田信夫氏、そして、成毛氏を良く知り、「ウィキペディアはネットの肥溜」と批判された 西和彦氏の意見など伺いたいと期待しています。
私自身の意見ですが、早いところ責任ある営利組織に改組し、荒らしIPアドレスのブロックや責任あるIDと実名ブログ・Twitterとの連携とか行い、よりいい媒体に育ってくれることを期待しています。
中学生の息子のレポートで、「先生からWikipediaは出典に使うなと言われた、鵜呑みすると危ないから」とか注意されたようなのですが、せっかくだからよりいいものに成れると期待しています。
皆さんはまた違うご意見をお持ちと思いますが、私のTwitterへのコメントとか、このブログへのコメントをいただけると幸いです。
坂本英樹 お断り:
http://twitter.com/sakamotoh
本ブログでの坂本英樹による投稿やコメントは、あくまで個人の主観に基づくものです。現在および過去の勤務先の意見や見解を表すものではありません。