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これから20年、大手出版・雑誌発行社として伸びるには、「情報産業」として生まれ変わり、顧客の生涯価値向上に貢献競争に勝つことが条件になりそうです。小学館の雑誌、小学六年生、五年生の休刊を聞いて、持論が確かなものだなと実感しました。

もちろん、今、業開最大手の小学館が収益源とする女性ファッション雑誌が20年程度で消えてなくなるとは思いませんし、ドラえもんや名探偵コナンなどの権利ビジネスも続くでしょう。しかし、従来型の出版ビジネスは縮小基調が続き、整理・統合が避けられなさそうです。

そう考えるに至った背景としてまずは、なぜ雑誌 小学六年生が負けたのかを二つの側面から考えてみましょう。

ゼロ歳からの幼児教育の取り込みで、しまじろう、のベネッセに負けたドラえもんの小学館

ある年齢層の子供を持つ方以外はご存じないと思いますが、今の幼児教育はゼロ歳から始まっています。1歳未満の子供に人気のキャラクターは、アンパンマンとベネッセのしまじろう   http://www.shimajiro.co.jp/ です。そんな乳幼児がキャラクターなんて意外でしょうが、この二つはなぜか人気があります。

少子化の流れのなか、結構高い比率の親が幼児教育に熱心です。 マーケティングで顧客の生涯価値、ライフタイムバリューという言葉がありますが、ベネッセはまさしくその生まれた直後からの取り込みに成功して、通信教材で、ニーズにこたえる高い付加価値と、それに見合う売り上げ・利益を得ていると考えられます。

かつて、小学館は、小学生になったら勉強しよう、という「ピカピカの一年生」というキャンペーンで成功していました、また学研も大きなシェアをかつて持っていました。小学校というきっかけを生かしていたこれらの老舗の前にもう手をつけているわけです。

しまじろうで幼児を取り込んだベネッセは、コラショとかの小学生年代のキャラクターによる、小学生向けの通信教育で存在感を高め、もともとの中心としていた中高生の進研ゼミへとつなげています。

小学館もドラゼミとかの通信教育で対抗しようとしているようですが、継続的に顧客の価値に貢献していくとかいう取り組みでは遅れを取っているようです。

中学受験の大衆化と勉強に関心の無い層の拡大による、「普通の小学生」の消失

雑誌小学六年生の部数が落ちた理由のもう一つは、都市部を中心とした中学受験熱によるものだと思います。
東京で受験率27%(2007年受験塾の日能研推定)などのように、都市部で、中学受験はかなり一般的になっています。今現在の小学六年生の発行部数 6万から7万に相当するかずだけ、中学受験しています。これらの層の多くは小学4年生から塾通いしており、学校の勉強にあわせた学習雑誌を読む意味をなくしています。

また、中学受験が広がる一方で、私の個人的な実感として、学習に関心が無い層も広がる二極化が進んでいるようです。

付録とかで楽しみつつ、学校の授業の理解を助けてくれるというのが、小学生の学年誌の建前として、勉強の情報を求める読者が減ってしまうことは存在意義が問われることにつながります。年代固有のことって、あるにしても、男女別の関心の差は大きいし、ゲームやファッションとかのことだけなら、それぞれにネットや専門誌で情報取れば済んでしまいます。

多様化の時代には、時代にあったビジネスモデルが必要
もう一つ、顧客のライフサイクルにあわせた情報ビジネスで存在感を強めているのが、リクルートです。
大学新聞の広告代理店から始まったリクルートは、就職、転職、結婚、旅行、中古自動車購入といったジャンルで強みを持っています。

広告価値の高い領域で、人と会社、人と人、人と商品とのマッチングに強みを持つリクルートは、従来の出版社と違うモデルで成長してきました。

リクルートとベネッセは、妊娠・出産という境界領域で競合しつつ、実は見事に棲み分けている業界のツートップといえます。「ぱど」も含めたこういった 情報産業 を基盤に持つ新世代出版社が、今後ますます伸び、従来型の出版社は縮小を続けると予想しています。

R25の隔週化など、決してこれらの新世代の出版社が順風満帆というわけではありません。しかし、情報産業で、どう価値を届けるかというビジネス意識を持つこれらの会社の領域が今後ますます広がる、そう予想しています。従来型の出版社が盛り返すにしろ、社会環境が変わる中で今一度、自社の使命、存在意義を見直し、ビジネスのあり方を変えていける会社が生き残って伸びていくことでしょう。

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坂本 英樹

坂本 英樹

某基盤系の外資ソフトウェア会社でネットマーケティングを担当。リード獲得の実務と裏方に日々奮闘中。

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