"妻が家で「夫 死んで欲しい」を『Google』でよく検索している?"という誤解が生まれるまで
Googleでは予測検索機能を提供しています。そこで、検索窓に "夫"と入れた後、スペースを空けるといくつかのフレーズが候補に上がるのですが、その筆頭に、"死んで欲しい"というキーワードが出て674,000件 と相当な数のページがヒットし、その後にも、"嫌い"、"言葉の暴力"とかの強烈な単語が並んでいるのが話題です。
ひょえ~! 『Google』で「夫」のあとにスペースを記入すると! - ガジェット通信 via kwout
ガジェット通信が心配するように
結婚は墓場というジョークがあるが、まさに本当の墓場だと感じている妻が多いのだろうか? 自分がせっせと働いているなか、妻が家で「夫 死んで欲しい」を『Google』検索していると思うと、背筋がゾクっとする。そんな人もいるのではないだろうか? ちょっと知りたくない事実であった……。
という事実はあるのでしょうか?
私は、二つの点から、全く間違いじゃないけど、実はそういう妻は多くないと推定しています。
論拠1:"死んで欲しい"での推測検索についてのプチ祭りと2chまとめサイトにあった リンク
Google Trendsでの2009年8月の傾向で分かりますが、2009年8月28日から29日ごろに多く検索されていることが分かりました。ちょうどそのころに2chに投稿がなされて、まとめサイトも作られて "死んで欲しい"というキーワードの推測が怖い、ということが話題になったことが推測できます。
そのまとめサイトの中に、以下のような投稿があります。
- 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/28(金) 18:26:14.80 ID:2Yp5jUqY0
いろいろな推測がされていたようで、そこでとりわけ "夫"が多いという話題はありません。しかし、まとめサイトでリンクが作られた結果、 そういうフレーズで検索される、検索リンクがクリックされることが増えたということは推定できそうです。
推論2:Yahoo! Japanでの推測検索は、"夫" に続くのは、 "浮気" "小遣い 平均"
また、家で妻が夫について検索しているand 検索はというヒントになるのはYahoo! Japanの推測検索です。ニールセン/ネットレイティングスでも家庭パネルではYahoo!強し という結果があります。
その家でよく使われている検索エンジンでの推測は、主婦がどういうときに検索しそうか、その利用シーンさえ思い浮かびそうな、言葉でした。
教訓:母数が不明確なことについては、疑ってかかるべし
今回の話題は、面白ければいいという側面もあるでしょうが、多くの妻が夫にどう思っているか?という話題に摩り替えられて、 35歳独身限界説 by @kazuyo_k を打ち砕くたった一対の映像 なんていうエントリーでも取り上げられています。 ただ、"夫"をGoogleでアンド検索するという数がどれほどあるのか?また、Googleは男性の利用率が高いということを考えると、「妻がこう思っている」と推定するのはすこし急ぎすぎたのではという気がしています。
今回の騒動は、思ったより 夫でアンド検索するという数が少ない中にいろいろな要因が重なって、強烈な言葉が浮かび上がったと考えるのが妥当でしょう。
>>>>>> ITとマーケティング関係のマスコミや関係者のフォローが増えてTwitterが楽しくなってきました。是非フォローして、交流を広げる一助にお使いください。 お断り:
http://twitter.com/sakamotoh
本ブログでの坂本英樹による投稿やコメントは、あくまで個人の主観に基づくものです。現在および過去の勤務先の意見や見解を表すものではありません。