iPhoneが牽引する米国モバイル・バーチャルグッズ市場,年間150億円規模に急成長
ソーシャルゲームがいよいよスマートフォン上で開花しはじめた。
米国調査会社Frank N. Magid AssociatesとAurora Feintは,米国モバイル・バーチャルグッズ市場に関する共同レポートを発表(元記事)した。
このレポートによると,米国モバイル・バーチャルグッズ市場は,過去一年で168(百万ドル)に達するとのこと。そして,そのほとんどはスマートフォン(主としてiPhone)上のゲーム仮想アイテムの購入だ。
ちなみに米国のスマートフォン普及率は23%。7000万人(米国民の23%にあたる)が所有しているが,そのうち45%(3150万人)はゲームをプレイしており,うち16%(504万人)はバーチャルグッズを購入している。その平均額は年間で41ドルになるという。
つまり言い換えると,スマートフォン上のゲームは,ARPU(ユーザーあたりの月額売上)が49円,16%がペイド・ユーザーで,ARPPU(ペイドユーザーあたりの月額売上)が308円となる。特にPCソーシャルゲームと比較すると,ペイド・ユーザーの比率が高いのが特徴のようだ。
またスマートフォン・ゲーム利用者の多くは18-34才の男性で,55%はバーチャルグッズ購入に興味を持っているとのこと。
平均値で言うと,彼らは年間14ゲームをダウンロードし,そのうち4ゲームではバーチャルグッズを購入,残り10ゲームはフリーで遊んでいるという比率とのこと。また彼らはゲーム選択の際,クチコミによるリコメンドを重視する傾向にあると報告されている。
今後1年間のバーチャルグッズ購入見通しに関しては,ほぼ同額を購入する意向が60%,プラスとマイナスがともに17%となっており,この好調傾向は持続しそうだ。
ちなみに,このようなフリーミアム(フリーゲームだが,一部のヘビーユーザーがバーチャルグッズを購入する)タイプの課金がiPhoneで可能になったのは,iPhoneOS3.1がリリースされた昨年9月からだ。したがって過去1年とは言え,実質的には8-9ヶ月程度で150億円を売上げたことになる。
7月にはFarmVilleのiPhone版がいよいよ登場する。スマートフォン市場の爆発やペイドユーザー比率の高さなどを考えると,米国におけるソーシャルゲームの主流も,日本と同様,モバイル・シフトしていくのは自明の理といえそうだ。
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