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【速報】Googleが創業わずか3年足らずのAdMobを約670億円という巨額で買収した理由

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昨日,Googleがモバイル広告配信ベンチャーのAdMobを7億5千万ドルで買収したことが発表された。

Google Facts about Google's acquisition of AdMob (Google, 2009/11/9)
Google、7億5千万ドルで携帯広告ネットワークのAdMobを買収 (TechCrunchJapan, 2009/11/10)

AdMobは日本ではあまり知られていないが,2006年12月に創業された米国のベンチャー企業だ。社員数は140人だが,すでに160ヶ国,15000の携帯サイトに対して広告を配信している。顧客リストには,グーグルやヤフーをはじめ,ポルシェ、フォード、トヨタ、アディダスなど超一流どころを抱え急成長している企業だ。

例えばiPhoneアプリを使っていると上部などに出てくる広告。あれを配信している主要プレイヤーがAdMobだ。

Googledisplayads

そして驚くべきはその実績だ。この企業は創業三年にもかかわらず,なんとすでに2009年9月には広告配信件数で月間10億件を超えている。またこのうちiPhoneに対する広告配信は20%,約2億件に達しているのだ。

Admobgraph1

この急成長するモバイル広告を eMarketer (2009/9) によるチャートで俯瞰すると次のようになる。テキストメッセージングが55%,アプリやWeb広告が25%,検索エンジン広告が20%で,このうちアプリやWeb広告のトッププレイヤーがAdMobだ。

Admobgraph2

ちなみに,Googleは今回の買収にあたって,公式ブログで以下のようなコメントを発している。
(日本語訳はTechCrunchJapanより引用)

  • iPhoneとAndroidユーザーは他のあらゆる機種のユーザーよりインターネットを閲覧する量が多いことが判明しています[Morgan Stanley]。これがこの2年間の間にGoogleの携帯からの検索が5倍に増加した理由の一部でしょう。
  • これらiPhoneとAndroidユーザーの4分の1は毎日90分近くアプリケーションを利用しています。[AdMob]

つまり,Googleは今回の買収で,急成長が予想されるモバイル広告の急所である検索とアプリ/Webのトップ・ポジションを手中にしたことになる。

またこれはiPhone陣営からすると深刻な買収だ。少し極端な言い方をすると,YahooのOvertureがいつのまにかGoogle傘下になってしまったようなものだ。(AdMobはiPhone専属ではないがトップ広告配信企業だ) これを機に今後いよいよ iPhone vs Google の戦いが激化していくのは間違いないだろう。

なお今週木曜日に 「mixi,モバゲー,GREEの最新業績比較」 を記事化する予定だが,この三社の長期戦略に与える影響も少なからずあるだろう。ちなみにAdMobはiPhoneアプリに対して広告の相互乗り入れをする仕組みも実現している。

AdMobのiPhone App Exchangeでアプリケーションの広告の相互乗り入れが実現 (TechCrunchJapan, 2009/3/17)

他社にアプリ広告を開放すれば自社のアプリも他社で広告されるという互助システムだ。しかもユーザーのアプリ導入状況を把握し,すでに持っているアプリは広告されない気のきいた仕組みになっている。

ガラパゴス化していた日本携帯仕様によって守られていたとも言える国内携帯コンテンツ市場だが,スマートフォンの市場拡大とともにワールドワイドに競争の舞台が移るのは必然の流れだ。これからのモバイル/スマートフォン市場動向に引き続き注目していきたい。

【追記】
おってTechCrunchJapanから追記事がでました。
AdMobの推定年間収益は「まもなく1億ドル」。Googleは数十億ドルになると考えている
AdMobの買収はGoogleにとって,DoubleClick,YouTubeに続く三番目の規模のよう。またAdMobの現売上規模は90億円レベルだが,Googleはその数千億円規模を期待しているだろうとの観測です。

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