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「ニッポンのジレンマ」に見る弱い絆と選挙以外の政治参加

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先日、NHKで元日の深夜に放送され、若い世代に反響を呼んだ「ニッポンのジレンマ」の第2弾が放送されました。

どんな反響があったかというと、若者たちが「ニッポンのジレンマ」のジレンマという自主企画で集まって討論したり、出演者を呼んで一緒に議論し、UstreamやYoutubeなどネットで動画を公開するなど続いていました。

NHKも放送後ゼミ編と題して4回にわたり出演者と若者を集めたショート討論を放送し、これまでにないテレビのあり方を視聴者も感じているのではないでしょうか?



Video streaming by Ustream

放送をまとめた書籍も出版されてます。

さて、今回メンバーも少し入れ替わり、今回のテーマは「民主主義の限界?」。前回は社会起業家でフローレンス代表の駒崎弘樹氏や、IT起業家でチームラボ代表の猪子寿之氏など同世代のプレイヤーが何人かいたのに対し、今回はテーマを深く論じたいからか、哲学者や評論家、批評家が多かったです。

詳細は現役官僚の千正のブログで紹介されているので見逃した人はぜひ参照下さい。

『ニッポンのジレンマの議論まとめ(民主主義の限界)』


日本のOSを書き換える

元日に放送された中で印象的でかつ第2回でもその議論が続いていたのが、批評家の宇野常寛氏のこの発言です。

この国のOSは60年代から変わっていない。もういちどOSをつくり直すべきだと思う

「OSをつくり直す」まさに今の答えのない成熟社会で僕ら2−30代が感じ、一部の動き始めている人たちが取り組もうとしていることではないでしょうか?この言葉に響いた人たちがニッポンのジレンマに期待と関心を集めた人たちに多かったのではないかと思います。

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「OSをつくり直す」という姿勢は、自分が当事者意識を持って変える行動を起こすことと言い換えることができると思います。RCFの藤沢烈氏がブログでもまとめてられています。

若手リーダーにみる当事者性~"ニッポンのジレンマ"より

「当事者」というキーワードはこれからの時代を僕ら2−30代が生きていくために欠かせない姿勢だと思います。戦後復興を担ってきた世代はまさにこの当事者意識で日本を作ってきてくれたのはではないでしょうか?震災からの復興に関しても今まさにこの1年間現地の方々、現地にコミットしている方々が当事者として活動されていると思います。

佐々木俊尚氏が「当事者」の時代という書籍を書かれてますが、まさにマスメディアの一方的に受け身で流れてくる情報に僕らは慣れ過ぎてしまって、当事者として考えること、発信することを忘れてしまっていないかと思うのです。ニッポンのジレンマに登場する彼らは当事者として活動し、発信している人たちばかり。そしてソーシャルメディアを活用する人たちも当事者意識が高い傾向にあるのではないでしょうか?


弱い絆ほど強みがある

今回、プレイヤーとしてノマド的な生き方をされている安藤美冬さんの言葉が最も身近でリアルに響いてきました。

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論じるだけでなく、実践されている方の言葉はやはり重く感じます。発言数は多くなかったものの、安藤さんの提起に対して議論は加速していったように見受けられました。

日本を支配している空気に限界を感じる。組織に所属している企業人は空気を読んで後ろ向きになる。日本を支配している空気と空気を読まなければいけない文化に限界を感じる。破壊と創造の担い手は、空気を読む人でもなく、空気を読まない人でもなく、空気を作る人

組織でも日本でも空気を作る実践者や、過去のしがらみにとらわれず反発を恐れないチャレンジ、自分の信念を貫くことの大切さは今の時代にこそ求められていると感じます。

人のつながりには二つあり。ストロングタイはシェアハウス、ウイークタイはソーシャルメディア。弱い絆ほど強みがある。緩やかなつながりこそパワーになる。

「日本のOS」をつくりかえる。そのヒントはまさにここに集約されている。このことを理解している人と理解できない人の間に差(Divide)があると僕は思います。シェアハウスは現代の強いつながり(ストロングタイ)を生む象徴で、エジプト然り社会を変える強い力はソーシャルメディア、緩やかなつながりにこそあると。

シェアハウスに関しては、その先駆けを創り出したソーシャルアパートメントの役割が大きい。単なる寮やタコ部屋的なイメージのあったシェアハウスを、箱ではなくソフトを大切にしコミュニティを作っている。最近ではシェアハウスをメディアとして捉えてる「トーキョーよるヒルズ」が、強いつながりとしての場と、現代ビジネスと連動した企画をUstreamで配信するなど緩やかなつながりを強い力として活かしつつあります。

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21世紀の生き方〜高木新平〜

ノマドは花粉の運び手。企業などのボーダーを超えて移動することによって、アイディアの種を植え付けたり、新しいものを生み出すイノベーションの担い手。固定化された社会構造に対して新しい風を起こす。フリーランスだけでなく、社内ノマド的な動きもできてきている。日本にとって、大きなチャンス。それによって、予算をつける上層部が出てきている。これが増えることで、日本社会を何か打破する力が生まれるのではないか。

選挙以外の政治参加について知られていない

今回、もっと共感したのは後半にエコノミストの飯田泰之氏が話された言葉でした。

選挙のことを政治参加と呼んでいる。選挙は、政治参加のごく一部でしかない。大学生は、国会議員に会いにも行かずに絶望している。国会議員は会ってくれないかもしれないし、会っても通り一遍のことしか言ってくれないかもしれない。市議会議員は会って、膝を詰めて話してくれる。

昨年まで僕も政治参加=投票だと思ってました。僕は政治家でもないし、法律を作る官僚でもない。政治家に友達もいなければ、官僚の友達もいなくて、入ってくる情報はテレビが中心。最近ようやくツイッターで情報が入ってくるようになった程度です。そのため政治参加というと、政治家になるか(ならないですね…)、官僚になるか(なれないですね…)、候補者に投票するしかないと思ってました。

前回2010年の参議院選挙の際にネット選挙が解禁されずこのままじゃいけないと、有志と一緒にGood Net Votingというツイッター模擬選挙のキャンペーンを開催しました。その時もどんな候補者に投票していいのかわからず、ネット上にもっと政治家の情報がオープンにされて欲しいという思いから始めていました。つまりその時点でもまだ政治参加=選挙と思ってたのです。

それが昨年、NPO法が改正されて寄付税制が変更になる(寄付が税金控除になる)という日本の寄付文化を促進する法案が可決され、その背景にNPO法人シーズという団体が中心となってロビィ活動を一生懸命されていたという情報がネット上やイベントで発信されて、良い意味でショックを受けたのです。

新寄付税制とNPO法改正(パワポ)

同じ頃、今まさに話題になっていますが、休眠口座を活用しようという動きを、NPO法人ETIC.のソーシャルアジェンダラボ(SAL)というプロジェクトの支援のもと、フローレンスの駒崎さんが中心となってまとめた提案を政府に提案するという活動をされていました。

「休眠口座基金」政府提案資料リンク

これらの動きはテレビではほとんど放送されていません。背景や裏方で誰が頑張って動いているのか、また利害を調整されている人から法案をまとめる官僚、もちろん政治家へとつながっていくのですが、僕らが知っているのは目立った一部の内容と最終行程だけです。

でも実は、役所の方に政策提言することもできれば、国会議員でなくても市議会議員なら簡単に政治家に会うこともできる。提案をまとめるリサーチャーとして参加することも、ソーシャルメディアやブログで政策や活動をしている人たちを支持する発信をすることもできます。今は、ネット上で署名を集めるサイトもあるので、署名に参加することも簡単にできます。それらを全て政治参加と捉えることで、自分達で選挙以外に関心のある法律を可決するよう世論を盛り上げ、政治家に優先順位を上げてもらう活動ができるはずです。

政策決定プロセスをもっと個別に情報公開し、僕ら自身が当事者として参画していくことで、政治や法律ももっと身近に感じることができる。ニッポンのジレンマを見て改めてそう感じました。できることをやっていきましょう。


 



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