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THE FUTURE OF WORK〜Co-Work時代の働き方〜

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■雇用(Job)と働く(Work)は違う

WIRED今月号の特集、”未来の会社〜これからの「働く」を考える〜” が非常に興味深い。

本誌によると、「雇用(Job)」と「働く(Work)」は違うと紹介されています。「仕事が欲しい」と思うのと、「働きたい」という思う気持ちは、似て非なるものだと。確かにお金や生活のための仕事と、社会のためや自己実現、お客様の笑顔のために働く気持ちは違う。それが、いつの間にか一緒になっているから、これからの時代にあった働き方や、雇用問題を考えた時に、ややこしくなってしまうのかもしれない。

そこで、デジタルネイティブなどの提唱者でもあるダグラス=ラシュコフ氏はこう言っています。

「西洋では『法人(Corporation)』ってものは、中世の終わりごろに登場するんだけど、それまでは、人は自分が生きていくために働いていたんだよ。自分のために靴をつくり、鶏や野菜を育てる。やがて、それを交換するようになるんだけれども、そのときも、人は自分が働いてつくったモノに対して対価をもらっていたんだ。けれども産業革命以降、時計の一般化によって、人は提供した時間に対してお金をもらうようになる。つまり、自分が生み出した価値によって価値づけされるのではなく、提供した時間で価値が計られるようになるんだ。」

これを読むと考えさせられる。僕らは働かされているのか、働いているのか?会社から給料を頂いて、お金のために働くということ(雇用されるということ)は、一体誰の何のためで、それは不幸なことなのか?

■幸せの価値観が変わり始めている

いつから新卒就職活動が当たり前になったのか知らないけれど、僕らが生まれた20世紀は学校を卒業したら企業に就職するのが当たり前で、間違いなく企業が中心の時代です。

企業はとんでもないくらいたくさんの製品を生み出し、先進国の労働生産性は10倍以上になっています。戦後の日本で言えば、確かにモノが人を幸せにしていたのだと思います。冷蔵庫のおかげで食べ物の保存が簡単にできるようになり、洗濯機が手洗いしていた母親を助け、テレビによってお茶の間や電気屋さんに家族や近所の人が集って一緒に楽しい時間を過していたのだと思います。だだ、その後モノが溢れ、急激な労働生産性の向上や効率化によって、21世紀の今、僕らは何倍も幸せになっているでしょうか?

ここに収入の伸びと幸福度を比較したグラフがあります。確かに生活に困る状況であれば、収入が上がることで生活の不安が減って幸福度は上がると思います。しかし、一定水準を越えると幸せだと感じる人は増加していません。

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家の中では個室が用意され、テレビも一部屋に一台、携帯も一人一台、モノが増えるにつれて、家族や近所の付き合いが減っていく。そんな状況が当たり前の環境で生まれ育った今の10代、20代が、車など物欲があまりなく、シェアハウスのような交流を求めているのは、幸せの価値観がすでにモノを持つことではなくなってきている兆しかもしれません。実際ぼくら30代でも地元に返って地域のために働きたいという人や、実家に戻って自然豊かな場所で、自分の技術や経験を活かして働きたいといって東京を離れる人も出てきています。

■脱中心化した社会で働くということ

ダグラス=ラシュコフ氏はさらにこう強調しています。

ネットやパソコンがもたらしたデジタル社会の一番の恩恵は、すべてを脱中心化していくところにある。デジタル社会における信用はトップダウンではなく、互いに協力しあう相互ネットワークのなかで育まれていく。

今後、スマートフォンの普及やビッグデータによってデジタル社会はますますリアルな社会を飲み込み広がっていくと思われます。そんな中、企業のあり方も、個人の働き方も変わっていっても不思議ではありません。むしろ企業は、20世紀型の経営をしていると、気が付いたら大企業であっても倒産し、逆に個人や小さなチームでも、世界を変えるほどの影響を及ぼす力を持てる時代がきています。

ゲイリー・ハメル氏は「経営の未来」において、20世紀型の経営は一方的な指示とそれに対する服従を重視し、21世紀型の経営では、イノベーションが求められ、自発性・創造力・情熱が重要だと言います。

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それは、これまでのトップダウンや縦割りのマネジメントスタイルでは個人を主体とした自発的な行動を生み出すことはできません。逆に個人にとって、自発的で自分の創造力や情熱を注げる仕事こそ、雇用され働かされているのではなく、働くということなのではないでしょうか?

■組織を横断し、個性を発揮するCo-Workについて

21世紀型の経営とデジタル社会に適合した働き方を目指すにあたり、1つの解決策は雇われない働き方として、フリーランスやノマドが注目され、実際にクラウドソーシングやコワーキングスペースなど、オンラインもリアルなスペースもその働き方の増加に伴い、環境が整ってきています。

ただ僕は、必ずしも起業やフリーランスだけが解決策になるのではなく、企業やそこで働く社員も21世紀型のスタイルがあると思っています。

それは、組織横断型のプロジェクトや、役割や部署、場合によっては会社を越えたコラボレーションが生まれ、ボトムアップで事業や経営が成長していく会社になることです。そこで働く個人は、お金のため以上に企業の文化やコミュニティに貢献することに働きがいを感じ、企業はそんな個人を管理ではなく、支え守り、信頼することです。そして1人1人の可能性や個性、やりがいや価値が最大限発揮できる会社に転換することだと考えています。

そしてこの度、そんな時代に求められるシステムとして、Co-Workという企業において業務で活用できるグループコミュニケーションサービスの提供を開始しました。

Co-Work(コワーク)というサービスには、3つの"Co"に想いを込めて、単なるツールではなく、新しい働き方を創ることを目標にネーミングを決めました。
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企業のあり方、個人のあり方、そしてコミュニケーションのあり方を、このサービスを通じて変えていき、これからの時代にあった働き方を作っていきたいと思います。

下記、サービスの紹介動画です。

まだ生まれたばかりのβ版のサービスですが、登録無料はこちらから。フリーミアムモデルで提供しています。宜しければご利用下さい。どうぞよろしくお願いします。
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