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C世代が時代を拓く

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社会起業家 第一世代と第二世代

日経新聞本紙の元旦および3日の記事に、「C世代 駆ける」という30代を中心とした新しい働き方、価値観について紹介されていました。

C世代 駆ける

C世代とは、記事によるとこう紹介されています。

コンピューター(Computer)を傍らに育ち、ネットで知人とつながり(Connected)、コミュニティー(Community)を重視する。変化(Change)をいとわず、自分流を編み出す(Create)。ジェネレーションC、未来へ駆ける。

折り紙 C アルファベット  - イラスト素材
(c) takezoooイラスト素材 PIXTA


これはまさに僕ら30代が切り拓いて行く新しい時代について、期待を込めて紹介されているのではないかと思いました。

また、元日の夜には、NHKで、「新世代が解く! ニッポンのジレンマ」という、12人の出演者全員が1970年以降の生まれという討論番組が3時間放送されています。

どちらにも紹介されているのが、社会起業家を世に広め、体現しているフローレンスの駒崎弘樹さん(32)。駒崎さんとは、学生時代にIT起業されていた時にお会いし、その後も社会起業家として立ち上がりから現在まで度々お会いする機会に恵まれており、今月も彼らが主催する「働き方革命」の下記イベントでご一緒させて頂きます。

【口コミ歓迎】1月27日(金)「中小企業向け働き方革命シンポジウム」~コストをかけずに社員のモチベーションと採用力を高める方法~を開催します!

駒崎さんのような就職経験なく社会起業を立ち上げてきた人たちは、働き方革命のイベントでもご一緒する盟友、育て上げネットの工藤啓さん(34)の他、NEWVERYの山本繁さん(33)、かものはしの村田早耶香さん(30)、マザーハウスの山口絵里子さん(30)が活躍しています。

彼ら社会起業家という言葉がほとんど知られていない頃から、想い一つで起業した世代を社会起業家第一世代と呼ぶと、第二世代は「C世代駆ける」でも紹介されていた転職を経て社会起業した人たち。Learning for allの松田悠介さん(28)は、体育教育→ハーバード教育大学院→プライスウォーターを経て起業。クロスフィールズの小沼大地さん(29)はマッキンゼーを経て起業。HASUNAの白木夏子さん(30)は、投資ファンドを経て起業。第2世代が今後さらに活躍し、増加するのは想像に難くありません。

社会起業家という新しい働き方を彼らは10代、20代に提示しています。昔の日本の会社や現存する会社も社会起業じゃないかとよく言われます。それもそうだと想いますが、根本的に違うのは、僕らC世代は、スマートフォンを片手に、MacBook airとPoket wifiを持ち運び、twitterやFacebookでつながり、ブログで情報発信もする。業界の壁や小さなプライド、利権争いに興味がなく、互いの活動に敬意を払い、助け合います。そんなところに今の若者が大企業の古い社会的なスタイルではなく、社会起業家の新しいスタイルに惹かれているいるのではないでしょうか。


”work”から”play”へ

今、日本の高度成長期は終わり、失われた20年と呼ばれ、そんな時代が当たり前の中僕らは働いています。過去と同じやり方が上手く行かないし、先輩や会社が答えを持っているわけではない。そんな時代に希望はあるのか?C世代のインタビューで東大の伊藤元重教授がそのヒントを紹介されています。

「一体化する世界、労働はより高度に」 伊藤元重 東大教授


「やっかいな問題だが、こう考えてはどうか。『働く』に対応する英単語は3つある。『labor』は昔ながらの肉体労働。『work』は現代人のオフィスや工場での仕事。最後に、人間にしかできない創造的(Creative)なことをする『play』。小沢征爾さんや安藤忠雄さんらを思い浮かべればわかりやすい。いまは人間がワーカーからプレーヤーに変わっていく過渡期なのではないのか」

「産業革命期を振り返ればわかりやすい。肉体労働が現代の仕事に変わる転換点となった。いまから考えると滑稽だが、機械の打ち壊し運動も起きた。機械は我々をつらくて危険な仕事から解放してくれるものだったが、当時、5年や10年の単位でみると、今まであった仕事を奪うものでしかなかった」

「われわれは、かつての機械打ち壊し運動のころと同じような苦しみを、中間層の喪失という形で体験している。グローバル化のうねりやITの進歩、産業構造の変化を背景に、職を得られなかったり、奪われたりしている人がいる」


僕らC世代は、単純に物を持つことよりも、マニアックな技術開発に取り組むことよりも、クリエティブなこと、誰かと何かを楽しむことに幸せを感じます。ComputerやITは、仕事や交流を奪うものではなく、より人間をクリエイティブに、コミュニケーションをより良くするために、workから解放し、playへ進化させてくれるものだと思います。

子供 遊び ブランコ 1人  - 写真素材
(c) zhengqiang写真素材 PIXTA


この5年ほど、C世代を見ていると新しい時代を切り拓いていると感じます。それは、ITやビジネスだけでなく、教育や環境、農業、地方から政治まで様々な分野でC世代が活動しています。

ただ、まだ僕らは先輩方と違って、変化を起こすレベルに至っていません。この5年で大きく実を結び、成果や社会インパクト、社会変革を起こすと僕は思います。もちろん、僕自身がプレイヤーとして。そんな30代のC世代の背中を見て、20代がさらに素晴らしい希望溢れる未来を創造してくれるものだと、彼らと触れ合ってさらに感じます。40代の先輩にカッコイイ人はたくさんいます。若者批判をするのではなく、当事者として僕ら30代に背中を見せて欲しい。50代の先輩は今最も社会的な力を持っている方もいらっしゃると思います。ぜひ、C世代を引き上げて欲しい。60代以降の先輩は、日本の大切な価値を未だ多く持っていらっしゃる。父親世代との会話が最も勉強になります。ぜひ、C世代に人として大切なこと、思いやり、日本文化を伝えて欲しいと思っています。

C世代、今年も頑張りましょう。


■参考情報










 

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