学生スポーツの魂 - アメフト関東学生リーグの再編成について
またしてもITとは関係ない話題ですが・・・。
あまり馴染みが無いかもしれませんが、アメリカンフットボールの関東学生リーグが33年ぶりに再編成されるというニュースが流れました。
ごく簡単に新旧リーグの編成を解説すると、
- 旧:野球のセパのように2つのブロックに分け、毎年くじ引きで両ブロック編成を決める。
- 新:セパを統合して、チームを固定する。
要するに、以前はリーグの対戦相手が毎年変わっていたのに対し、新しい仕組みでは、他のスポーツでもよくあるように、常に決まった相手が一緒になります。以前の仕組みをプロ野球に例えると、今年は巨人と中日は同じリーグだが、来年は中日は別のリーグに行くというかなり変わった仕組みでした。今回、それをあらためて、巨人と中日は常に同じリーグに入るという極めて自然な仕組みになるわけです。
私は学生スポーツの魂の一つはライバルであると思っています。ライバルとは、在学中の4年間を通じて戦いを繰り返し、勝ったり負けたりする相手です。ライバルがいるからこそ、勝つための工夫や努力を重ねることができます。それだからこそ、ライバルに勝てば喜び、負ければ悔しく、その思い出は深く深く刻まれます。
そして、このライバルは在学中だけに存在するものではなく、卒業後も怨念、因縁、怒り、涙、歓喜などの感情を伴って存在し続けるのです。このOBの思いが在学生への精神的、経済的な援助として現れ、在学生チームをより発奮させ、成長させます。このOBと在学生の連携を太くするための条件は、OBと在学生が同じライバルチームを持ち、同じ思いを共有することだと思います。
この33年間の変わった仕組みは残念ながらこのようなライバル関係をまったく生まず、個人的には関東学生リーグを非常に味気ないものにしたと思っています。OBと在学生が同じライバルチームを共有できないので、OBは練習場所や試合会場に足を運ばず、試合結果に興味をもたず、学生の戦いを孤独にしてしまいました。
私は旧来の仕組みの弊害を20年近く前から指摘していましたが、今日、それがようやく改善されることになり、大変嬉しく思います。また、このような決断を下された関係者に敬意を表します。