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プロダクトマネジメントとイノベーション

200年を超えるコンテンツの力

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本日の日経夕刊に、日本の江戸期の絵画のある流派が、200年の時を超えて師匠の技を伝承していたという記事が載りました。

それは、俵屋宗達尾形光琳鈴木其一(きいつ)という淋派の師弟で、一部未検証ではありながら、松島図屏風に描かれた技法を伝承しているというものです。その間、少なくとも200年です。宗達→光琳間では風神雷神図の伝承がかつて有名でした。

何とも壮大で壮絶な芸の伝承作業であり、「絵画」というコンテンツが200年もの時を超えて伝えられていく様は、日本の芸だけに誇らしくもあります。

以前、ディズニーの「白雪姫」というコンテンツは、絵本→映画→ビデオ→CD→DVDと媒体が変わりつつも、常に一級品のコンテンツとしてベストセラーであり続けているということを書きました。まさに、コンテンツが世を生き延びるのであり、媒体は単にその伝達方法、米国式で言えば、コピー方式に過ぎません。

それと比較してしまうのは乱暴ですが、淋派の絵画という「コンテンツ」が数百年の時を経てなお衆人の注目を浴びるということは、そのコンテンツの力が並大抵ではないことを示していると思います。

コンテンツが生き残るのであり、媒体は変化し続ける(し続けなければならない)、という一種の不文律は、ITという「媒体」を生業にしている私にとっては常に教訓でもあります。それをあらためて感じた記事でした。

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