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プロダクトマネジメントとイノベーション

SaaSモデルはなぜ儲からないか?

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Salesforce.comの07年度第3四半期は、決算報告によると、前年同期比で売上げが大幅に伸びたにもかかわらず($74M→$118M)、営業利益は損失でした。これで、07年度は3四半期連続で「営業損失」となっています。

同社は、アプリケーションの機能、品質レベル、顧客満足度、拡張性などの様々な点で本格的なSaaSの先駆けと見られています。07年度は通期で$500M近くまで売上げを延ばし、スター街道を驀進するはず・・・と皆が思っていました。

Sfdc_q2_1 しかし、どうして儲からないのでしょうか。
同社の見込みでも今年度は通期で利益が出ないとネガティブな予測をしています。あまりに高機能なサービスであるため、開発費が膨らんでいるのでしょうか。いや、前期の数字ですが、売上高に占める開発費の比率は9%と新興企業にしては低いぐらいです。一方で、販管費の比率は76%にも達しており、粗利の75%を上回ってしまっています。

どうやら、Salesforce.comは顧客あたりの単価が低いにもかかわらず、販管費が高すぎるのが原因のようです。Salesforce.comだけがSaaSではありませんが、実はこのように販管費比率が非常に高いSaaS企業が多いのが現在の特徴です。

SaaSというのはエンドユーザにとっては非常に便利なサービスではあるけれども、ビジネスモデルはまだ確立していないというのが正直なところではないでしょうか。おそらく、SaaSを提供するためのコストがSaaS時代にマッチしてないのでしょう。

時代を先取りしすぎたということで、SaaS各社は値上げに踏み切るかもしれません。

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