クラウド時代のワークスタイルとMicrosoft Office 365
シニアな新米プロダクトマネージャーの奮闘記
日本生産性本部の研究調査によると、日本の生産性はOECD33ヶ国中22位だそうです。ただ、製造業に限定すると6位。つまり小売業とか飲食業などのサービス業の生産性が非常に低いことになります。製造業の生産性が相対的に高いことは感覚としても理解しやすいですが、その他の産業の生産性の低さは愕然とする数字です。
ここでの生産性は、私の理解ではマクロの結果指標です。つまり、景気が良ければ生産性も上がるし、景気が悪くなればビジネス全体のパフォーマンスが下がるので生産性もさがる、ということになります。とはいえ、生産性向上のための取り組みは経済状況を改善する一助にもなると思っています。
この生産性の向上のために何が必要か、という点について様々な提案があり、さまざまな取り組みが考えられていると言えます。
マイクロソフトに所属している私としては、ITの生産性向上に果たす役割を考えるわけです。
マイクロソフトが設計し提供している「ワークスタイル分析調査」というものがあります。もともとはITの導入と活用の状況を調査し、それが個々の業務スタイルをどの程度改善し、組織としての効率性や生産性にどの程度影響しているかを明らかにしようとするものでした。毎年調査内容を改善し得たデータ数も相当数に上っていました。2007年にこの同じ調査をアメリカでも実施しまた。
両国の比較からわかったことは、ITの活用度がかなり異なること、その結果として、働き手の意識に違いがあること、です。この調査では、因果は説明出来ませんが、ITの活用度と働き手の意識の高さには相関関係があることが説明出来ます。詳細は下記にまとめて発表させていただいております。早稲田ビジネススクール・レビュー 第八号 「ワークスタイル分析と日米比較の試み」http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/K00940.html
その時に利用した図を一つだけご紹介しましょう。日米の違いを最も端的に示す図です。
この調査は、いくつものシナリオ(シチュエーション) の際に、その状況で想定されるITの使い方ないしは機能について、4択で回答するよう設計されています。
- 出来ているがもっと良くして欲しい
- 出来ているので現状のままで良い
- 出来ていないため実現して欲しい
- 出来ていないが現状のままで良い
4択を見ていただいてわかるように、決してITを活用する方が良い、という前提には立ってません。もっと活用したいのか、現状のままでいいのか、利用者側の意識が反映されるところに特徴があります。 これを我々がダイヤモンドチャートと読んでいる図に落とすと特徴が端的に表れます。下記の図が日米比較という視点からダイヤモンドチャートを作ったものです。 特徴は二つ。 • 米国は「出来ていないため改善して欲しい」と回答する割合が日本の半分以下である ここから読み取れることは、やはり米国では、ITの活用は進んでいてその状態に満足している人が約半数いる、ということです。 もちろんこのデータと生産性を直接結びつけることには無理があるでしょう。でも沢山ある要素のひとつには考えられるかもしません。何しろ、日本の場合、3人に一人は「出来ていないため改善して欲しい」と思っているわけですから。ユーザー側が改善の余地があると思っているにもかかわらずそれが改善されていない、という日本の状況が透けて見えます。これは現場の意見を取り入れ改善を積み重ねてきた製造業と大きな違いとなっているように思います。
• 米国は、「出来ているので現状のままで良い」と回答する割合が日本よりかなり多い
Outlook がクラウドを上手に活用するためのキーアプリケーションになることについて様々な機能の側面からご紹介してきています。すべて私が現在利用しているもので、仕事の効率化に役立っているものです。
もう少し日常に便利に利用できる tips をご紹介しましょう。
★ 署名
メールに署名をつけることは一般的に行われていると思います。でもつけたい名は1種類でしょうか? 初めで出すお客様、返信の形で出すお客様、社内への発信・返信、いろいろなケースがあるはずです。
もちろんOutlookには署名の機能がありますし、そのことは比較的良く知られていると思います。Web メールを含むほとんどのメールアプリケーションで同様の機能を持っているはずです。
次の画面はメールの新規作成で自動的に挿入される署名です。
さて、ここからがメイントピックです。ほとんどの方はご存じないし、そのように見えないので、試すことも無いのですが、実は上記の署名の入っているところは「右クリック」が有効に使えます。
それを試したものが次の画面です。
ここでは5種類の署名リストが表示されています。
ここで、Biz Japan w address を選択したものがこちらの画面。
2クリックで署名を自由に変えられるのです。いくつかの署名を使い分けたい方には、大変便利な機能です。また外部の方とのやり取りでも最初は全情報の署名を入れるけれど、2回目移行は省略した署名にする、などの工夫も可能です。
★ タイムゾーンの追加
予定表には、当然時間が表示されています。海外に拠点がある場合や海外のお客様とのやり取りが発生する場合、その場所の時間を知るのは大切なことです。
Outlookの予定表では、二つのタイムゾーンを表示することが出来ます。
私の場合は、本社がシアトル近郊なので米国太平洋標準時を表示しています。タイムゾーンには好きな名前をつけることができ、日本の時間をTokyo、もう一つにSeattle とつけています。
設定の方法は次の通りです。(Outlook 2010の場合)
• 「ファイル」から「オプション」を選択
• 「予定表」を選択して、「タイムゾーン」が現れるまでスクロールする
• 「予定表に別のタイムゾーンを追加表示する」にチェックを入れて、タイトルとタイムゾーンをドロップダウンから選択する
以上です。
★ 祝日の追加
Outlook は世界中で使われているので、デフォルトでは祝日情報は入っていません。しかし、祝日を追加するオプションが用意されています。
タイムゾーンと同じオプションの「予定表」の中の「予定表オプション」を表示させ、その中の「祝日の追加」ボタンを押し、その中から追加したい国にチェックを入れて「OK」を押せば予定表に追加されます。複数の国の祝日も追加できるので、海外とビジネスがある場合にはとても便利です。
ちなみに、この画面ショットに表示されているように、同じ場所に日本の六曜などの情報もカレンダー上に表示する機能もあります。大安などの六曜が大切なビジネスをされている方には便利に使っていただけることと思います。
★ まとめ
Outlook は、Exchange をバックエンドに持つことで、スケジュールの共有など一般的に言われていることに加えて、効率を向上させる簡単で便利な機能を備えています。是非実際に使って試してみてください。
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さて、Outlook が Exchange Online のクライアントとしてつまり、クラウド活用のクライアントとして大きな役割を果たしていることをご紹介しました。
クラウドでの活用に限らない Outlook とその周辺のちょっと素敵な利用方法についてご紹介しましょう。
★ 色を変えおしゃれに返信
もちろんメールに html やリッチテキストが許されている場合ですが、返信時の文字色を自動的に変更することが出来ます。機能的にこれで効率が良くなるとは思っていないのですが、ちょっと「おしゃれ」にすることが出来ます。
また次にご紹介するメールの返信時にコメントを入れるときには実はちょっと便利に利用できるのです。
設定の仕方は下記の通りです。
- Outlook のオプションを開きます。
- オプションの中から「メール」を選択します。
- 「ひな形およびフォント」というボタンがあるのでそれをクリックします。
- 下記の画面が出てくるので、「文字書式」の下の「返信または転送時に新しい色を適用する」にチェックを入れます。
- OKをクリックすれば設定されます。
★ コメントを上手に入れる
上の画面にもう一つチェックを入れています。「コメントにマークをつける」という欄で、その右側のテキストボックスに「ken」と入れておきました。
これは、メールで質問などを受けた場合にその質問に一つひとつ答える際にコメントをつけるように回答することができる機能です。
具体的には次のような画面です。
「返信するときの色です。」という文章のあとにカーソルを置いて、改行をすると自動的に[ken]という文字が入り、このコメントは [ken] が挿入したことがわかります。改行しなくてもスペースを入れるだけでも同様の文字が挿入されます。
また色も自動的に異なる色で表示されるので、コメントがついている場所を容易に見つけることが出来る便利機能なのです。
★ とても簡単な「分類」
メールの整理の仕方にはさまざまなスタイルがあります。きれいにフォルダに分けて整理する方法、なにがしかのフラグを立てて整理する方法、全く整理しない方法、などです。
私は、メールの整理を一切しないスタイルを取っています。多いときには、2万件以上のメールがメールボックスにたまっています。
メールを整理しないのにはいくつかの理由があります。
- 整理する時間がもったいない
- 整理しなくても必要なメールは短時間に探せる
- 一つのメールが二つ以上に分類されることも多く、フォルダに分けることが難しい
整理しないけどきちんと整理するにはいくつかの方法がありますが、ここでは私が良く利用している二つの機能をご紹介します。第一に「分類」。1クリックまたは2クリックでメールに分類のためのマークをすることが出来ます。分類の項目や色は自由に設定することが出来ます。
もっとも良く使用する「分類」については、1クリックで設定完了です。左側の赤枠で囲んだところをクリックするだけで、規定の「分類」がつきます。
★ 検索フォルダという仮想フォルダ
もう一つ合わせて利用すると便利なのが「検索フォルダ」です。この「検索フォルダ」は仮想のフォルダであらかじめ設定した条件に合うメールを表示します。この機能を利用するとメールをフォルダに分ける必要は無くなります。
「検索フォルダ」にはさまざまな条件設定が可能です。
私は、前述した「分類」を設定したメールを簡単に確認することができるように検索フォルダを設定しています。もちろん、特定の文字が含まれているメールや、特定の差出人からメールなど、よく確認する可能性のあるものを設定しておくとメールを探すのがとても楽になります。
★ まとめ
メール環境のクラウド化がすすむにつれてメールボックスが大容量化し、沢山のメールを保持しておくことが可能となってきているときに、この検索フォルダという機能は有効に機能します。これらの機能は、現時点ではスマートクライアントだからこそ可能なものもあります。Webメールだけではなく、スマートクライアントと組み合わせてクラウドサービスを利用することの一つの大きなメリットがここにあります。
前回、Outlook のビジネス向け機能の一部のご紹介を始めました。
メールを受け取った後の想定される基本的なアクションとして以下の4つを取り上げました。
- 転送する
- 会議のセットをする
- 自分のタスクとして振り分ける
- スケジュール確保をする
これらのうち上の二つについて前回ご紹介しています。
今回は下の二つについてご紹介しましょう。
★ タスクを設定する
メールが届いたときに、すぐにないしはある一定の期限を決めて作業をしなければならないことは良くあるはずです。その時にフラグをワンクリックするだけで、タスクとして設定できます。
たとえばこちらの画面ショットで ”3 year growth plan” について今日中に作業をするように依頼されたとします。
まずは、赤枠の「フラグ」をワンクリックするだけで、今日のタスクとして登録されます。それは、Outlookの「To-Do」リストに加えられ、設定によってはOutlookの画面上に常時表示しておくことができます。
今日のタスクではなくて、別の日、ないしは期限を設定しないタスクにすることも簡単です。その場合は、フラグを右クリックすると、下記の画面ショットのようなフラグを選択するドロップダウンが現れます。この中から選択すればそれに応じたフラグが設定されるわけです。そこで設定した期限がついてタスクのリストに追加されることになります。
また必要ならば、「アラーム」を設定することもできます。設定した時間にポップアップで注意を促すこともできます。
これらの機能を利用することで、簡単に自分のタスクリストを管理し、ぬけのない仕事を実現することを可能とします。
★スケジュールを確保する
Outlookの予定表でも、手書きの手帳でもよいので、ご自身のスケジュールを一覧してみてください。ご自身が作業する時間は記入されていますでしょうか?
社内でのミーティング、ビジネスパートナーとのミーティング、お客様とのミーティングなどたくさんの予定があると思われますが、これらの予定のうち、ご自身でコントロールできる予定というのはかなり少ないはずです。様々な事情で他の方々のスケジュールと調整しながら予定が決められていくからです。
その一方で自分一人でする仕事は、基本的に自分がコントロールできる仕事です。そのスケジュールを上手に組み立てることは仕事を効率よく進めていくための重要なポイントだといわれています。
自分のスケジュールに自分の仕事を割り振る、というのも自分の仕事を効率よくコントロールするための一つの有効な方法です。時間をかけて取り組まなければならない仕事と認識しながらも時間がとれずに締切を迎える、というのは好ましくない状況です。これを避けるために効果的な方法は、大切なことから時間を確保することです。
Outlookでスケジュールを確保するのはもちろん簡単です。私も重要な仕事を抱えている場合は、きちんとその作業をするための時間を予定表上にブロックします。それで会議などは入ってこなくなります。
メールが届いた時にやらねばならない仕事に気づいたり、あるいはそのメールの中で仕事を依頼されている場合も多いでしょう。その際には、そのメールをカレンダー上の確保したい日の上にドラッグ&ドロップをすれば次のようなWindow が開きます。件名には、自動的にメールの件名が入ります。メールの本文はこの仕事の本文に自動的に入っています。後は、確保したい時間を入力するだけです。ご自身のコメントを追加しておくことも有益でしょう。
フラグを立てて、ご自身の「仕事」のリストに加えるだけでなく、具体的にその仕事を実行する時間を確保すること。これによって、ご自身による仕事のコントロールを確実なものにすることができるわけです。
★ まとめ
さて、2回にわたって、Outlookを中心にそのスマートな利用によっていかに仕事が効率化し、質の高い仕事をする可能性が増大するかについてご紹介してきました。これらは、クラウドサービスである Exchange Online と合わせて利用することでその能力を最大限発揮します。そしてクラウドサービスの登場で誰にでも利用可能な状況になりました。
ぜひご自身で試してみてください。
さて、今回は本題に戻ります。
12/22に投稿した「フローの経済、情報のフロー 価値を生み出すもの」で、Outlookは単なるメールクライアントではなく、仕事を上手に裁くためのツールである、ということを最後にお伝えしました。今回はその点についてもう少し掘り下げてみましょう。
ビジネスコミュニケーションのインフラとしての電子メール
みなさんは一日に何通程度のメールを受信しているでしょうか? ちなみに私は、2010年7月1日から2011年1月5日までの188日間の1日平均が122通です。ビジネスデイの平均は150通を超える程度だと思います。マイクロソフトはメールの活用が活発な仕事文化を持っているのでメールの数は総じて多い方だと思っております。
メールの量が多いか少ないかはともかく、メールから次の仕事につなげる可能性はかなり高いのではないでしょうか?
メールを受け取った後に考えられる「返信」以外の典型的アクションとして次のようなものが想定されます。
- 転送する
- 会議のセットをする
- 自分のタスクとして振り分ける
- スケジュール確保をする
これらのアクションをみなさんはどうされていますでしょうか?
Outlookを利用している場合どのように処理できるかをご紹介しましょう。
まずわかりやすいところから。
★会議のセット
メールの内容があるテーマについて会議が必要である、というようなものだった時に、即座に会議の設定に移りたいはずです。Outlookの手順はこうです。
1. メールの上部にあるリボンインターフェースの「会議」をクリックする
2. 必要なメンバーを「宛先」の欄に加える。(もともとメールに入っているメンバーは自動的に会議メンバーに含まれます。場合によっては削除します。)
3. 「スケジュールアシスタント」で、参加メンバーの空き時間を探す
4. Outlook上で空き部屋を探す(部屋の探し方は、リソースをどのように登録しているかで異なります)
5. メールの内容はすでに会議の本文に記載されているので、追加で必要な情報や趣旨などについて記載する。
6. 「送信」ボタンを押す
以上のステップです。これを実際に実行すると、スケジュール調整、空き部屋さがし、追加情報の記入、などを除けば10秒~20秒の作業です。
言い方を変えましょう。メンバーを追加する必要がなくて、空き時間がわかっていて、追加情報の記載が必要なく、場所は後から決める、ということであれば、開始日時と終了日時を修正する以外は2クリックで完了します。10秒以内の作業です。
スケジュール調整にかかる時間もOutlookであれば素早く完了します。「スケジュールアシスタント」では参加者のスケジュール情報を取得して一覧で表示するからです。空き時間を見つけるのはとても容易です。各メンバーのスケジュールの詳細を並べて確認することも可能ですが、それはまた別途お伝えします。
★簡単に「転送する」方法
転送もまたメールを受け取った時によく発生するアクションだと思います。その際によく転送する先があるはずです。たとえば自分の所属するチームのメンバーなどです。
Outlookの「クイック操作」はこれらの操作をワンクリックで実現する機能です。
たとえば、こちらの図に「チームにシェア」というのがありますが、メールを選択している状態でこのボタンをクリックすると、この「クイック操作」に登録されているメンバーあてに転送されます。その際「参考情報です」などの定型文を挿入するよう設定しておくことも可能です。メールで情報共有する場合などはとても便利です。
「クイック操作」は他にもいくつかの操作を設定しておくことができます。この画面ショットでは、「メールからタスク...」というのがありますが、これはメール本文をそのままコピーしてOutlookの「タスク」のリストに加え、その上でメールを既読にするという作業をワンクリックで実行するものです。
★事前にわかる「自動応答」
ところで、先ほどの画面ショットでもう一つ注目していただきたいのが、赤枠で囲ったところです。ここではメンバーの一人が「自動応答」を設定していることがわかり、その内容から12/29から1/10まで不在であることがわかります。こうした自動応答が設定されている場合は、宛先のところの色も変わり、わかりやすくなっています。
このショットは会議依頼の場面ですが、同じような情報はメールの送信の時にも表示されます。
メールを送信してから自動応答によってメッセージが帰ってくることは良くありますが、それを事前に知ることが出来るのは実は想像以上に重要な情報となります。
メールを出してからしばらく返信を期待できない、とわかるよりは、出す前にわかれば、別のメンバーを選択することが出来るし、別の手段を選択することも出来ます。
さて今回は、Outlookが実現することのほんの一部をご紹介しました。これからしばらくこうしたご紹介を続けようと思っています。
繰り返しですが、「クラウドの話なのになぜOutlookか?」という点についてご説明します。今回ご紹介しているものは、Exchange との連携で実現する機能を含んでいます。次回以降ご紹介するものも同様です。クラウドサ-ビスとしてのExchange Online によって、これらを実現するためのハードルが急速に下がりました。クラウドコンピューティングの実現する新たな地平をより広くするためのツールとしてのOutlookをご紹介しているわけです。
今回のプログも休暇中特別篇ということで、クラウドともOffice365とも関係ないのでご容赦ください。(クラウドコンピューティングとは少しだけつながりますが。)
さて、今回の旅でなぜ自分が「矛盾」が好きなのかを発見したということで、「矛盾」をキーワードにソウルへの旅を総括している。
矛盾その5 つかれないバスタブ
いきなり想定外の極寒の地に舞い降りてしまってろくろく散歩も出来ないとすればどうするか? 日本人であれば、温泉につかって時間を過ごす、ということ思い起こす人も少なくないだろう。温泉は無い物ねだりなので、せめてゆっくりと風呂に入ろうと試みた。
バスタブにお湯をはり、湯船にはいると身体が半分しか湯につかれない。バスタブの上から三分の一ぐらいのところについている排水口が当然のごとく、それ以上の水位の上昇を阻むわけである。これまでそういう経験がなかったわけではないが、今回はなんとしてものんびり湯につかりたい、と強く念じつついろいろ試してみた。砂の下に潜り込む舌平目は館山の海で沢山見てきたので、それを思い起こしつつバスタブの底に出来るだけ張り付くように試みたり、息をすべて吐いて出来るだけ身体を小さくしてみたり。
当然ながらすべては徒労だった。いつも思う。欧米人は何のためにバスタブが必要なのだろうかと。ただ座りたいだけならば、シャワーに椅子を置けばいいではないかと思う。身体を沈められないバスタブ、こんな矛盾がどうして存在するのだろう。。。
矛盾その6 食住足りて、、、
バックパッカーもどきの旅を標榜する以上、気軽にタクシーには乗れない、と最初のうちは思った。2日目にミョンドンまで向かうのに鉄道を使うことに決めた。駅までは歩いて10分程度らしい。寒さの中かなり我慢に我慢を重ね歩くと確かに駅があった。で次の難関がどうやって切符を買うかである。しばし販売機の前にたたずみ、ぶるぶる震えながら観察をしてみた。よく見ると日本語でも表示されるということがわかり、そのボタンを押してみた。で、行き先を決めないと買えないのだが、ミョンドンが見つからない。というよりもアルファベットでミョンドンをどう書くか知らないのである。仕方なく、確実に知っているソウル (Seoul) を選択することにした。Seoul Stationというのがあったのでそれをおすと、必要な金額がチャージされたカードが出てきた。非接触のカードを利用するらしい。日本ではまだ存在しいるあの小さな切符はソウルでは存在しないようだ。
ところで「食住足りて礼節を知る」という言葉がある。もちろん日本も韓国も「食住」は十分に足りているに違いない。電車に乗った3駅目ぐらいで、私の3つとなりに座っていた30歳前後の女性がすくっと立ち上がった。乗ってきた60歳ぐらいの女性に席を譲るためらしい。手でこちらにどうぞと合図をして、誘導していた。日本、特に首都圏ではとんと見かけない光景かも知れない。高齢者に敬意を払うことが「礼節」なのかどうかは必ずしも確信はないが、感じることは、韓国の方が日本よりも「礼節」に優れているということである。つまり韓国の方が「食住」に足りているのかも知れない、ということを感じるわけである。
どうも日本全体に危機感が感じられないが、私はかなり危機的な状況だと思っている。景気高揚感がまったく感じられないまま長期間もがいているのは、国際競争力の総合的な低下が一因ではないかと考えるところである。成功体験が招く鈍感さは良くある話だが、それは大きな矛盾を隠蔽するものでしかない。日本が必要以上の痛みを経験することのないように期待したい。
矛盾その7 買い物嫌いな私
韓国旅行は日本人には大変人気がある。もちろん韓流ブームがあり、近いところであり、そして何よりも円高の影響もあり物価が安いということがその要因ではないかと思われる。
残念ながら私は海外でぶらぶらと買い物をする趣味がない。なので多くの方々が楽しむ重要なイベントがないことになる。ロッテマートにも行ったし、ロッテデパートにも行ったけれども結局何も買っていない。トンデムンは衣料品の卸売りで有名で、確かに激安のダウンコートがいろいろとぶら下がっていたが、たった一日のために余計なものを購入するのは控えた。何よりも帰りは手荷物だけで帰りたかった。
買い物に興味がない私に取ってはソウルへの旅はもっとも大きな矛盾であった。特に極寒のソウルでは外をぶらぶらもすることが出来ないのでなおさらである。
ところで初日やせ我慢したタクシーの利用であるが、乗ってみるとかなり安いということがわかる。200円程度が初乗りで、30分のっても1200円ぐらいしかかからない。感覚的には、日本のタクシー料金の三分の一程度である。この低料金は何によるものなのだろうか? 車が安い? タクシー運転手の賃金が安い? タクシー運転手の地位が低い? そのすべてかもしれない。もっとも韓国の一人あたりGDPは日本の約半分程度なので、それほど不思議なことではない。
矛盾の持つ意味
さて、これを書き始めた理由として矛盾についての話をした。誰しもがある程度矛盾を許容するのだということをホテルである本を読んでいるときに気づいた。そして思い出した。私は学生時代に弁証法に浸っていたことを。テーゼとアンチテーゼがあって、それがアウフヘーベンしてジンテーゼになる。これが歴史の原動力をあると聞いて、それまで偶然の積み重ねだと思っていた歴史が、ある原動力によって突き動かされているダイナミックな現象である、ということを理解出来るようになった。
言い換えると、あるものにはその本質とその本質そのものが生み出すそれと相反する側面があってその両者が互いに影響し合い、新たなものへの発展の原動力となっていると。
ITに置き換えるとわかりやすいかもしれない。ITの統合管理の必要性や活用の必要性が高まる一方で、そのITの必要性は必然的にコスト圧力を高める。つまりITの必要性がテーゼで、コスト圧力がアンチテーゼである。この両者がせめぎ合うこと(アウフヘーベンすること)で新たな仕組みが生まれる。例えばクラウドコンピューティングである。これがジンテーゼということになる。
クラウドコンピューティングは別の説明も出来る。規模の経済性というテーゼがある一方で、その規模が生み出す未利用資産の増大というアンチテーゼがあり、それがアウフヘーベンしてクラウドコンピューティングを生み出す、という説明である。
これは人にも当てはまると思っていた。人にはその人の特徴とも言える本質的側面がある一方で、その本質を否定する側面が必ずあって、その両者が互いにしのぎあうことで常に新しい自分を見つけていく、ということである。
つまり私は矛盾の中に発展や成長の原動力を見いだしていたに違いない。ある本質とそのアンチテーゼがぶつかり合って、どのような新たな本質を生み出すのか、私ごとき才能に恵まれないものにとっては、それを予想することは難しい。しかし、未知の矛盾に泉のごときエネルギーを感じることが出来る程度の学習はしてきた。
今度のソウルへの旅では、極寒の中で物思いにふける時間をたっぷり与えられ、ソウルで感じる矛盾、日本に感じている矛盾、自分自身に感じている矛盾、様々なものごとを考えた。これらの矛盾が新たな発展の原動力になればいいと思いつつ。
新しい年が多くの矛盾を原動力として新たな段階に発展することを強く祈念して新年のご挨拶としたい。
今回のブログは、クラウドコンピューティングともOffice365とも関係のない番外編です。お読みいただく場合はご留意ください。(本当はちょっとだけ絡みますが。)
私は昔から矛盾のある人、事象、関係などが好きだ。なぜかはあまり考えたことかなかったし、考えようともしてこなかった。しかし、ソウルに旅をしている最中にその理由を発見した。30年もたって発見した自分である。旅自体は惨憺たるものであったが、以下はその旅日記。奇妙なタイトルをお許しいただける場合だけ先をお読みください。
矛盾その1 旅の計画
この旅に出たかったわけではない。マイルを使わないと期限が切れてしまうこともあって近いところに言ってみよう、と考えたに過ぎない。場所はどこでも良かったが、ぎりぎりまで仕事の関係でいけるかどうかわからなかった。結局出発の5日前に電話をかけた時、きな臭い状況の韓国・ソウルならばまだ空いていることがわかった。チケットを仮押さえして、Expediaで評判が良くて比較的安いホテルを予約した。予約するときに確認したのはネットワークが通じるかどうかだけだった。結果としては滞在したところは、中心地からはだいぶん離れた、主にビジネス用途で評判がよいところだと言うことは後からわかった。
他方で、ストレスいっぱいの現世から少し離れたかった。本当だったらネットもつながらないところを選択するのが正しいに違いないのだと思うのだが、そうすることは出来なかった。この旅は初めから矛盾に満ちたものとなったわけである。
矛盾その2 初めてのファーストクラス
私は日本人としては初期の頃のバックパッカーだったと思っている。1978年のこと、一人プランもなく、ユースホステルを渡り歩いた。イギリス国内を3週間とヨーロッパ各国を3週間。気持ちとしてはその時の旅とあまり変わらないつもりでいた。当時ヨーロッパに向かうのに横浜港からナホトカまで丸2日かけ、ナホトカからハバロフスクまで1日、ハバロフスクからモスクワは飛行機乗ったが、モスクワからロンドンまではまるまる2日、列車の旅をした。いわばスロートラベルである。
今回の旅といえば、3泊4日の短い旅行。しかも往路はすでにエコノミーがとれずに、ビジネスクラスの旅となった。もちろんマイルでの旅行だったので財布を傷めているわけではない。で、空港でチェックインの時に\9,200円でファーストクラスはどうですか、とオファーされた。別に2時間半のフライトでそれほどファーストクラスに乗りたかった分けではないけれど、結局そのオファーを選択した。私にそれを決めさせた担当者の決めの言葉は、「専用ラウンジでは通常のラウンジにはない定食系も提供しています」との一言。お腹が減っていた私は、チェックインをしたら食事でもしようと思っていたので、その一言でころっと落ちたわけだ。
バックパッカーとは全く結びつかないファーストクラスなるものにのってみたわけだが、感想としては、宝くじが1回当たった程度では私が自費でファーストクラスを選択することはない、ということ。斜めに設置されている座席と妙に遠い足置きのようなところがどうつながるのか、ということを理解できたことは収穫だったけれども、私にはビジネスクラス以上の快適さは必要ないと言うこともはっきりした。どんなに素晴らしい世界が待っているのかと思いきや、それほどの感動はなかったことはある意味収穫だった。もっとも12時間も揺られる旅の場合は違う感想があるのかも知れないけれど。。。
矛盾その3 最後に出てきたPriority luggage
エコノミーではないクラスに乗りたいと思う理由がひとつある。それは荷物につけられるPriority タグである。飛行機に乗ってもっとも嫌いな時間がcheck-in luggageを待っている時間である。今度の旅の往路は何しろファーストクラスの旅だから、荷物もさぞかし早々と出てくるに違いない、と思い込んでいた。
ところが待てど暮らせど出てこない。結局何分待ったのか見ていなかったけれども、レーンの周りの搭乗者がほぼみんないなくなり、いよいよ違うこところに行っちゃった、と思い始めた頃、たぶん最後に荷物として私の小さな Check-in luggage が出てきた。マウスウォッシュなどの液体を持っていたので、ジーンズなどとともに Check-in したのだが、帰りは間違いなく手荷物だけで帰る、と誓った瞬間だった。
矛盾その4 -16℃
私は寒いのが苦手である。ソウルは東京よりも少し寒い程度と思っていた。旅行ガイドにもそんなように書いてあったように記憶していた。だから0℃ぐらいのつもりの服装を用意した。ところが機内放送で「現地の現在の気温は-16℃でございます」との放送。唖然とした。明らかに訪れてはいけないところに行こうとしていると感じた。平地での-16℃というのは記憶がない。
確かに寒かった。ファーストクラスに乗ったとはいえバックパッカーもどきの旅を標榜していたのでつくなりタクシーはもっての外だった。ホテルを経由するリムジンバスが出ていることは知っていたので、それに乗ろうと思っていた。
クリスマスイブで混でいるようでバスは少し遅れているらしい。結局極寒の地で、約15分待たされた。その時に思い出したのが瀬島隆三。不毛地帯の「壱岐正」と言えばピンとくる方もいるかも知れない。シベリア抑留から帰国して私から見ればフィクサーとして日本を動かした人物である。瀬島に対する私の評価はともかくとして、現世を忘れようとした旅の出鼻で瀬島隆三を思い出す、あるいは思い出さざるを得ない、というのはがっかりである。しかもそれが寒さ故、である。
翌日も翌々日も人は、口を開けば20年ぶりの寒さだと言い張っていた。とにかく20分も歩くと耳が凍りそうになるぐらいの寒さだったので、あてもなくぶらぶらする旅には全く向いていない。
ミョンドン、イテウォン、トンデムンあたりは少しだけうろうろとしたが、結局寒くて用もないのにどこかの建物に入り込んだりの連続で、満足のいく散歩ではなかった。
南の暖かい島の浜辺でぼ~っとしているのは旅をしている気分になるけれども、寒いところでホテルに閉じこもって本を読んでいると、何のために旅に出たのか問われてしまうし本人も少し気分が乗らない。せめて温泉があれば。。。
さて、少し長くなってきたので一端中断。
最後にひとつだけ情報に関わることを書いておきましょう。
食事をしたり買い物をしたときにクレジットカードで支払いをすると、ソウルでは、なにやらタブレットもどきの小さなスクリーンにサインをさせられた。今まで紙へのサインがどう使われているのかいつも不思議に思っていた。膨大な数のサインを照合するはずもないし、何か良からぬことが起きたときに引っ張り出すのだろうか、などいろいろと想像をしてはいたものの、どうも良い答えは思い浮かばなかった。
サインがデジタルデータで保存されるのであれば別の話である。私のサインはデータとして積み上げられ、いずれはリアルタイムで私のサインかどうか判別が出来るようになるかも知れない。そうするとクレジットカードの不正利用も防げるようになるに違いない。これでこそ情報の再利用である。
日本がそういうシステムに移行していくのはいつのことなのだろうか?
すすんでいそうて実はあまり進んでいない日本の情報システム環境の一端を示しているように感じられた。
経済理論に精通している方もそうでない方も、日本経済の活発さを示す数字にGDPが利用されていることはよくご存じだと思います。GDPという指標は、フローの指標です。簡単に言えば、どのくらいの量の価値がある期間日本で流れたかを示しているわけです。他方で、ストックの指標というのもあります。「国富」という概念で総称されますが、あまり利用されないですね。バブルの時代には、「東京都一つでアメリが全土が買える」というばかげた説明が土地価格にもとづいて言われたわけですが、これはいわゆるストックの比較をしたわけです。本当に実現可能ならば、絶対に東京を売ってアメリカを買った方が良かったに決まっています。
ところで、情報も同様だと考えています。情報は流れてこそ価値がある。流れなければその持っている価値は意味をなさない。どのように表現してもいいのですが、ようは使われない情報はいくら沢山持っていてもそれだけでは何も意味がない、ということです。
皆様の周りでは、どのような情報が流れていて、どのような情報は流れていないのでしょうか?
より早く、より正確に情報を流すという意味でコミュニケーションの手法が昔から発達してきたわけです。電話機が発明されて、まだたかが130年強です。日本に導入されてからは120年。電子メールなるものが利用され始めてまだ半世紀たっていない。その間にコミュニケーションの仕方がどのくらいめざましく変化したかは、皆様が肌で感じているところでしょう。
この変化を支えてきたものは、ITの発展です。今では長いこと変化してこなかった電話にまで進出しPBXを置き換えることも出来るようになってきています。ちなみに、日本のマイクロソフトは2011年に品川に引っ越しをしますが、新オフィスでは、一部のメンバー以外は原則として電話機はないそうです。発信も受信も原則としてPCから。
ところで、ビジネスコミュニケーションで流れている情報は本当によどみなく流れていますか?
メールを受け取った後、その情報はどのように使われていますか? メールを受け取った後には、そのメールの内容が重要であればあるほど必ず後にアクションが必要なはずです。
ミーティングをセットする、自分に課されたタスクとして認識する、必要なことを調べる、その時にどのようなアクションを起こすでしょうか?
受け取ったメールという情報をよどみなく次のアクションに流しているでしょうか? 同じ情報をどこかに再入力するのではよどみなく流れているとは言えないでしょう。情報に2重入力のプロセス上の非効率は情報システムを構築するときによく指摘される点です。
ところで、仕事を少し科学的に分析する場合によく整理される手法が図のような整理です。図の「仕事3」よりも「仕事2」により高いプライオリティを置くことに心がけましょう、などが指摘されている点です。
今は、この仕事の分類が本題ではありません。実はこうした仕事の分類に基づいて仕事を手際よく裁く仕組みをMicrosoft Outlook は持っている、ということをここではお伝えしたいわけです。
Outlook を単なるメールクライアントを思っている方、それは間違いです。
Outlook は、仕事を上手に裁くための豊富な機能をもった様々なシステムのフロントエンドとして活用しうるアプリケーションです。詳細については、また次回にご紹介したいと思います。
来年に Microsoft Office 365 がリリースされる予定です。
Office 365 は、Microsoft Online Services の次のバージョンというだけではなく、Microsoft Office を含み、その総合的クラウドプロダクティビティ基盤を提供するサ-ビスです。
Office 365 の一つの特徴は、次の3種類のエディションが用意され、あらゆる企業、組織にご利用いただけるようになっていることです。
- Office 365 for enterprise
- Office 365 for small business
- Office 365 for education
Office 365 for enterprise
Office 365 for enterprise は、現行 Microsoft Online Services の次のバージョンとして位置づけられます。大規模な導入から小規模なユーザーまでどのような企業、組織にでもご利用いただけます。コンプライアンスやそれぞれの厳しいセキュリティ要件、IT管理要件にも対応可能な管理項目が用意されています。
詳細はおいおいご紹介していきます。
Office 365 for small business
主に25名以下の企業や組織のために用意されたサービスで、面倒な管理項目を極力削減してどなたにでもご利用いただけるように開発されています。Microsoft Office の製品登録をするのと同様な手順で、基本的設定はすべて終わって、すぐに利用いただけるようになっています。
こちらも詳細はおいおいご紹介していきます。
Office 365 for education
学生を含めた教育機関の皆さんにご利用いただくためのサ-ビスです。このサ-ビスは、上記2サ-ビスがリリースされてからしばらくしてからのリリースの予定なので、ご紹介は上記の二つの後にさせていただきます。
Microsoft Office
さて、Office365 という名称からも容易に想像できることですが、今回のリリースの最大の特徴は、Microsoft Office がこのファミリーに含まれていることです。二つのご利用の形態があります。
一つは Microsoft Office をサプスクリプション、つまり月額課金でご利用いただくサ-ビスです。これは従来からの Microsoft Office と同じものとご理解いただいて間違いありません。
もう一つは、Office Web Apps と呼ばれる、Web で利用可能なOfficeです。
ユーザーが実際にさまざまな作業をするフロントエンドに、使い慣れた Microsoft Office をご利用いただくことがマイクロソフトのクラウドサ-ビスの一つの大きな特徴です。
「クラウドコンピューティング=ブラウザの利用」という誤解
とろこで、クラウドコンピューティングというのはクライアント側はブラウザだけで対応するもの、という誤解が一部にあるようです。通常のクラウドコンピューティングの定義からは、そのような特質は出てこないはずです。IT管理を極限まで減らすとすれば、クライアント側はブラウザのみという選択肢はあると思います。しかし、クラウドコンピューティングの本質の一つは、ITのサービス化である、ということをすでにお伝えしています。その点を正しく解釈すれば、クラウドコンピューティング時代に大切なことは、お客様がご自身に最適なサービスを選択出来ることにあると思います。
ブラウザのみですべてを完結することをご希望のユーザーにはその環境を、リッチクライアントで実現出来る快適さをお求めのユーザーにはその環境をご提供出来ることが大切です。まさにそれを実現するのが Office 365 であるわけです。
「選択の力」というクラウドコンピューティング
リッチクライアントの Office を提供し続けます、というお話をすると、「マイクロソフトはクラウドに本気ではないのですね」という反応をいただくことが良くありますが、逆です。マイクロソフトはクラウドに本気です。リッチクライアントだからこそ可能な快適な操作性、高い機能を実現しつつ、Exchange Online, SharePoint Online, Lync Online などのクラウドサ-ビスと快適につながる仕組みを提供しています。これにより、これまでとはまた別次元の効率の追求、情報共有の促進、共同作業の充実、などを実現出来るようになります。そしてそれに伴うさまざまな効果を体感できるようになるはずです。”Office” という強力なブランドをクラウドサービスの名称に据えたことからもその本気度はご理解いただけると思います。
マイクロソフトでは、少し前までクラウドを示す言葉として ”Power of choice” を利用していました。私はこの言葉が好きです。ユーザーが自由に選択することで最大限力を発揮する環境=ワークスタイルを選択することを可能とする、それがマイクロソフトのクラウドコンピューティングの力です。この選択の幅の広さこそ、他のどのベンダーにも真似の出来ない大きな力だと思っています。
今は、もっとストレートに ”Cloud Power” という言葉で説明をするようになっています。
次回は、再び Office 365 から少し離れでクラウドコンピューティングのもたらす価値について考えてみたいと思います。
このプログの本題は、Microsoft Office 365 が実現する新しいワークスタイルについて検討をしていくことです。
そこに入る前に、私昔から実行しているクラウド活用の一端をご紹介します。
最近、巷ではEvernote というアプリケーションを良く耳にしますが、マイクロソフトには OneNote というアプリケーションがあることをご存じでしょうか? デジタルノートということで、すでに2003年からOffice ファミリーとして提供しているものです。
これは使いやすさ、という意味では抜群に使い易い。
非常に多くのマイクロソフト社員が、会議のメモなどは OneNote で取っています。私もその一人です。
ところで、私は3台のコンピューターを利用しています。会社のデスクトップ(なんと言っても2台のディスプレーをつないだ広いデスクトップとパワフルなマシンの環境は快適です)、会社のノートブック(会議などにはこれを持参します)、自分の個人用の持ち歩いているノートブック(外出時にはこれを持って行きます)です。これら3台で同じ情報を維持するのは以前だったら結構大変でした。ちなみに、データ自体は、2カ所です。デスクトップには日々利用しているデータは保存しておらず、ネットワークドライブで会社のノートブックを参照しているからです。
幸いなことに、OneNote には、自動の同期機能があります。これとクラウドをあわせるととても便利になります。
私は、OneNote の元ファイルを Skydrive 上に置いています ( Skydriveについては、こちらを参照してください )。これで各PCのデータの自動同期をしている。そうすると、1台のPCで書き込んだり修正したデータは、Skydrive のデータに反映され、それがまた他のPCに自動的に反映されます。
これで、ファイルをコピーし忘れたり、もろもろの面倒な手続きなしに、いつでもどのPCでも最新の情報が共有されていることになります。
なぜ Skydrive においているかって? いちいち会社のネットワークにつなぐのが面倒だったからです。Skedrive であれば、Windows Live ID でサインインしておけばいつでも勝手につながってくれます。
同じ OneNote を利用して、ベンダーなどとのビジネスパートナーとの情報のやり取りにも利用しています。Microsoft Online Services のサイトメンテナンスも私の役割ですが、11月に大幅リニューアルをしました。その際にプロジェクトマネッジメントをするAgencyと実際の作業をするベンダーといくつかのビジネスパートナーとのやり取りが発生しました。しかし、サイトの修正ということになると、すべてを文章にして表現することが面倒なことも多々あります。そういう場合には、OneNote に簡単に画像を取り込んで、コメントつけて、というようなことが出来ます。
そしてこの場合は、同じ元ファイルを SharePoint (SharePointについてはいずれ取り上げますが、情報の共有と共同作業のためのアプリケーションです) において、各パートナーと同じ情報を共有しました。私のリクエストを OneNote に書き込んでおけば、そのファイルを共有しているみんなが自動的に知ることが出来るわけです。コメントを作成して、それを送信する、というような手間は不要です。自分の思っていることをノートに書き込むと、それを各ビジネスパートナーが勝手に参照して、必要ならばフィードバックやアドバイスをくれるし、そのままで良ければ作業が進む、といった具合です。
タスク管理をするためのExcelファイルも OneNote に貼り付けておけるので、あわせて利用すると本当に便利でした。
ちなみに、Direct Accessというテクノロジーの導入により、今ではマイクロソフトのネットワークに入るのに特別な認証手段を講じることなく実現するようになったので、SkyDrive を利用しなくても特に面倒なことなしに社内の SharePoint に置いておけば、自動同期が可能になる環境となりました。
特別な認証手段を講じることなく社内のネットワークに入れる、と書きましたがセキュリティは万全です。念のため。これを実現するには、Bitlockerでコンピューターが暗号化されており、立ち上げ時には、Windowsの認証PWとは別にPINコードをいれる設定にしておくという設定が必要で、その上でコンピューターが認証されて初めてDirect Accessが利用可能になります。
とはいえ、Skydrive上では、OfficeのWeb版が利用出来て非常に利便性が高いので、現在でもそのまま利用を続けています。
で、何がクラウドコンピューティングと関係があるかって?
Skydriveです。Windows Live 自体が今言われるところのクラウドサ-ビスです。SkydriveはそのWindows Liveの提供するサ-ビスの一つです。25GBのストレージを提供しています。Hotmail はすでに15年にもわたって提供し続けているメールサービスです。これはGoogleの設立よりも早い時期からのサ-ビス提供です。ところでHotmailは容量無制限というのはご存じでしたでしょうか?一生のメールデータを Hotmail で保存しておく、というのも可能ではないでしょうか?
おそらく多くの皆様が意識して、ないしは無意識にクラウドサ-ビスを利用しているはずです。
これらのクラウドサ-ビスはプライベートな利用から普及してきました。しかし、現在のクラウドの潮流は、ビジネスの領域でいかに利用するか、という次元にまできました。
その場合に大切なことは、ビジネスにはビジネスの要件がある、ということに留意することだと思っています。ワークスタイルとライフスタイルはメダルの表裏という密接な関係ではあるけれども、決して同じ面で論じることは出来ないと思います。
同様にプライベートとビジネスは明確に論じる次元が異なります。この点についてはいずれまた振り返ります。
次回は本題のOffice 365 について少しふれる予定です。

















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