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復興支援でITが貢献できることって

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一部では話題になっていますが、NHKスペシャル 東日本大震災「追跡 復興予算19兆円」は、なかなかすごい内容でした。被災地に行ってみてもこの巨額の予算が一体どこに使われているのかホントに不思議になりますが、そういうことだったんですね。(書くとキリがないのでやめときます)

番組の中では、いろんな省庁へ開示請求をして、資料を見ながら19兆円の内訳を分析して取材していってます。テレビですから若干の大げさな表現はあるでしょうが、それにしてもどこが復興関連かよくわからない使い道のものが多いなあと、驚きます。

ところで、昨年より今までにほぼつぎ込まれているという19兆円という金額が、私にとってはあまりに非現実的な巨額で、全くイメージがつかないのでちょっと調べてみました。

例えば、平成23年度の場合、一般会計歳出予算は92兆円です(復興支援費は入ってません)。このうち一番大きいのが社会保障関係費で27兆円、中でも年金医療介護保険給付費が20兆円ですから、復興予算19兆円は、およそ国家予算の2割、医療、年金、介護の一年間の国家負担分に相当します。

どれだけ巨額かなんとなくわかりました。

ちなみに、上記の社会保証関連費は国庫負担分で、保険料収入をあわせた全体の規模では105兆円(年金53兆円、医療32兆円、福祉その他20兆円)ということです。一年間に日本全国の福祉関係で使われた予算に匹敵するということですね。
ちなみに国直轄の公共事業費は5兆7千億円です。

私はこの方面は疎いので尚更かも知れませんが、調べるのに思ったより時間がかかりました。

こんな簡単なことを調べるのに30分もかかっているわけですから、番組を制作したスタッフはネットすら使えずに書類の束をひっくり返して調べてホントに大変だったんでしょう。

被災地の状況はそれぞれのスポットごとにアレが酷いとか、これが足りないとかいろいろ報じられるわけですが、こうやってお金の流れを全体から見渡すことって、意外にだれもやっていないのではないかと思います。

もし、この復興予算が復興省のサイトのトップに円グラフで出ていて、それぞれの支出をクリックするとドリルダウンで内訳が出てきて誰でもいつでも見れるものであったのなら、この無駄遣い(と番組を見て私は思いました)の相当数はなかったんではないかと思うのです。

そもそも見えないと思うから、変なことを考えたり解釈を変えたりしてしまうわけで、リアルタイムで見えてしまえば(もちろん見やすい形で)少なくとも1時間番組を見ただけで呆れてしまうような使い方もしないんじゃないかと思います。

情報公開と言いながら、公開してる資料や内容は紙、もしくは紙をPDF化したような形態が未だに主流で、IT化の利点であるデータベースから検索やいろんな切り口で情報を取り出せるような姿には全く成っていません。

復興予算に限った話ではないですが、ここをITで見やすく(仕事のやり方から見なおしてもらう必要はありますが)するだけで、2割くらいの無駄遣いはすぐになくせるのではないかと思います。

もう一つ、ITが貢献できそうなポイントがありました。

番組中でガレキ処理の費用について市町村別の比較をしていたのですが、決まった重さごとの処理費用単価が市町村によって大きく開きがあり、一番高い自治体と安い自治体では7倍もの差になるそうです。

差が出た原因として、番組中では分別収集の徹底の差と処理費の水増しなどの不正を上げていましたが、この処理費の不正についても報告書の改ざんや不備で見つかっています。

これもITでかなり解決できる部分ではないかと思います。

そもそも、あの混乱の中で紙の報告書を書かせる方も大変、書く方も大変、ましてや検証なんてできそうにもありません。

自治体が検証できないのなら、最初から公開して市民がチェックすれば済む話です。

まあ、そこまでは極端だとしても、GPS付きのスマートフォンで現場の写真を撮影してその場でデータベースにデータを送っていれば、場所も時間も、入力者も写真も改ざん無くリアルタイムで記録されます。

被災地の現場で「ITどころじゃない」という言葉を何度となく聞いていますが、実際「紙なんて使っている場合じゃない」と思います。

被災地で何度か活動してみて、「ITなんてここでは役に立たないのではないか?」と無力感に打ちひしがれることが多かったのですが、やっぱりすごいことできそうですね。

ちなみに、この番組ですが今晩再放送があるようです。

NHKスペシャル 東日本大震災「追跡 復興予算19兆円」
[総合] 2012年9月13日(木) 午前0:25~午前1:25(60分)

ちょうど2時からのAppleの発表を待つ間ですね。こっちもご覧になってはいかがでしょうか?

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