悩める中小企業経営者に向けて、ITと経営をいっしょに食べてやさしく噛みくだく試み

「非同期の時代へ」 2015年のご挨拶に代えて

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あけましておめでとうございます。
新年早々、本ブログにお立ち寄り下さったみなさまに心より御礼申しあげます。
 
さて、昨年末にはサイボウズより「ワークスタイルムービー「大丈夫」」が公開されまして、予想をはるかに超える反響をいただきましたが、他にも昨年は「働き方」に関する様々なニュースがポジティブにもネガティブでも話題になった年でした。
 
「ワークスタイルの自由化」みたいな議論をすると、決まって労働者団体みたいなところが、「サービス残業の助長につながる」と反対し、労働基準監督署さんが「時間管理をきちんと行って」みたいなことをいい、管理職の方が「そんなの管理できない」と嘆くわけですが、まあよく考えてみると「管理できない」のではなく「管理しなくてはいけなくなるので大変だ」ということを言ってるに等しいのかと。
 
9時に来て6時に帰って、残業の場合は申請書類が差し出されて、仕事の内容は決まっていて成果物がちゃんとできているかのチェックをすればいいのなら、何を管理するんでしょうね。
そんなの冷静に考えてみれば上司は学生のアルバイトでも勤まるわけで、管理職というより管理係程度です。
 
でもまあ、労働者側(というか団体系)もどうかと思いますけどね。ノー残業デーを作れとか、定時退社を決まりとして作れとか言っているみなさんって、決まりがあったら楽だとは思いますが、言われたことしかやらない主体性ゼロの時間管理希望者って、経営者側からするとアルバイトの時給以上で雇いたいとは思わないでしょう。
 
 
そもそも前から不思議なんですが、「ノー残業デー」って何でしょう。
 
 
日本では水曜日に「ノー残業デー」を設定している企業は多かったりするのですが、水曜日だけ夫も妻も残業なしだったら、他の日の子育てはどうするんでしょうか?
結局は、この制度ですら子育てという観点からは、ほとんど意味が無かったりします。
 
つまり、ほとんどの日本企業というか日本人は、「みんなでいっしょに同じ行動する」同期的行動パターンが反射神経レベルで刷り込まれてしまっているわけです。
だけど、子育てが予定通りに行くわけはなく、水曜日の夜だけ人恋しくなったり、熱を出したりするわけではありませんから、当然ノー残業デーをやったところで、共働き家庭の育児負担が減ることはほとんどありません。
 
とはいえ、サラリーマンである以上、上司の命令(無言の圧力も含めて)には従わざるをえない。
 
そんなところからも自由になりたいということで、昨年は「複業」という言葉も一般的になりました。
 
企業経営者にとって得意先が特定の1社に偏っていることは最大のリスクであることが今や常識となっていますが、それと同じことをサラリーマンも考えるわけです。
つまり一つの会社にも同期しない働き方ですね。
 
企業戦略としてはずいぶん前から「部門横断プロジェクト」なるものが次々と立てられては消え、立てられては消えするのですが、これも結局は一人の上司とひとつの行動パターンに依存することから日本人は抜けることができないのだと思います。
 
子に同期する。会社に同期する、たったひとつに同期して暮らすのはたぶん楽です。そしてそうやって今まで暮らしてきた人が大半でしょう。
だから両方をこなさないといけないワーママは大変ですし話題にもなるわけです。
 
子供の予定はなかなか思うままにはいきませんが、好きな時間に仕事をするように仕組みを変えることは世の中の多くの仕事でできます。それよりは制限されますが、好きな場所で仕事ができる人も本当は全労働者の半分近くにはなるはずでしょう。
もちろんそれを実現するためには、それをマネジメントできる「組織」とワークスタイルを自分で決める「スキル」が必要になります。
 
言われたことをするということは、何かに同期することです。それがブラック企業なら、黒く染まるしか無いくなります。
一つに完全に同期するのではなく、複数にそのときどきで同期する生き方、働き方、プロジェクトの進め方、それができる「仕組み」を組織が揃え、できる「スキル」を個々人が身につけて初めてワークスタイルの自由化になるんだと思います。
 
 
 
 
と切りのいいところで終わりたい場面なんですが、もうちょっと書いてみます。
 
これって単に大企業のホワイトワーカーに向けてのみの話ではありません。確かに知識労働は時間と場所に依存しにくいですから大企業のホワイトワーカーが一番実現しやすそうに見えます。
でも、これは地域においても同様に必要なものだと思います。
 
例えば、地方では少子高齢化問題に付随して、医師の高齢化や介護者自体の高齢化(老々介護)の問題が出てきています。
70歳の支援者が80歳の高齢者を24時間365日支援できるわけがないのです。しかしそもそも人手は不足しています。
 
特定の担当がいることは必要ですが、担当しかわからないことはリスクですし、過剰労働を助長します。
家庭の問題以前に労働基準監督署の方が代替の効かない過剰労働をしたり、医療介護に携わる方が健康を害するほど働かなければいけない現状も、多くは何かに同期せざるを得ない状況が作り出しているんだと思います。
 
組織としても個人としても、今年はほんとうの意味での「ワークスタイル変革」に意識が向くような年であってほしいと思いますし、そうなるよう微力を尽くしたいと思っております。
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