ワールドビジネスサテライトに出た反響ってすごいですね
サイボウズがテレビで取り上げられるのは製品より圧倒的に人事制度という部分が、嬉しくもあり悲しくもある複雑な今日この頃です。^^;
昨晩はワールドビジネスサテライトで、「変わる“働き方”と給料」というコーナーで取り上げていただきました。
サイボウズの紹介の前には、厳しい春闘の労使交渉についての取材が続き、バックの映像にはお決まりの自動車工場のラインが映しだされています。
今年の春闘では「ベアアップ」の要求は姿を消し、焦点は「定期昇給の維持」。自動車大手はすべて定昇維持、電機各社も多くが定昇は維持しました。(中略)かつてのように横並びの賃上げが難しくなるなか、春闘の役割も変わっていくと専門家は指摘します。働きやすさやワークライフバランスなど賃金以外の要求のウエートも高まっていくとみています。ソフトウェア開発会社「サイボウズ」が取り組むのは、社員の生活に合わせた給与プラン。「仕事重視」や「自分の時間重視」のプランが用意されています。
工場の映像が物語っているように、「労使」というチームの形って、雇用者と非雇用者があまり入れ替わらないことが前提で、しかも使用者の指示によって労働者が働かされるという感じの労働形態においてのものだと思います。
高度成長期というか、大量生産の製造業が主流の時代は、作ればつくるほど売れたわけですから、組織としては大量生産の効率性を高めるチームワークの手法をとります。その場合、このやり方は有効です。
しかし、作っても売れない、売れるものをどうやって生み出すかがテーマ、とか、ビジネスモデルを変えて多様化しないと、みたいな企業の主要課題になる場合、労働時間で社員価値も測れないし、指示通り部下が仕事をするといいものができるという話でもなく、労働者が団体交渉するっていうこと自体にほとんど意味がなくなります。
こういう時代に管理職的な地位につく年齢になったのが、ややうらめしい気分ではありますが、ビジネスモデルも製品バリューもマーケティング手法もめまぐるしく変わる今、上司となる自分たちの考えるプランが最上でもなければ、チーム運営の方法でさえ、私たちの世代の常識で考えていると、世代間ギャップとかいう問題ではなく、顧客バリューを出せなくなる組織にさえ陥ってしまうリスクがあるでしょう。
なので、結果的に自分にはない新しい感性、新しいマネジメント、新しい発想を部下に出してもらわざるを得なくなり、それを誘発する組織形態や、マネジメントを行うのが今時の管理職の仕事になってきました。
新しい発想は、そもそもいろんなことを多様化しなくては生まれにくいので、いかにして多様性を生み出すかを考えれば、当然に働き方にも行き着くわけですね。
とか思いながら、意外に反響が多い昨日の番組関係のツイートを眺めていると、
サイボウズは、労働組合もないんだな。それじゃあ三流企業のままだ。 取締役は、株主に利益を還元しなければ解任されるから必死になって株主のために行動する。それに対してバランスを取るのが労働組合。
まあ、うちが一流企業とは全く思っていませんが、労働組合のない企業が三流というのはどうかなあと・・・。
うちの場合は役員と社員持株会の合計で議決できるくらいの数になるので、他とは違うと思いますが、株主が取締役を専任し、取締役が社員を雇用するというこのピラミッド構図では、日本企業らしさでもって世界で戦っていくのは難しいのかなと思います。
労働組合は産業革命の副産物であって、元々は熟練工がオートメーションにより不要になって使用者と職人の関係が対等ではなくなり、労働者が団結しないと使用者に勝てなくなったから生まれたものです。で、オートメーションには大掛かりな設備が必要で、その設備資金を集めるために株主がたくさん必要になったのでしょう。(私は経済学は素人なので、間違っていたらご指摘ください)
工場を持っていない産業や、付加価値重視の経営を目指せば、株主と使用者と労働者のチームワークは違うものになってゆくし、そうしないといけないと思います。
まあ、これは実際にサイボウズで人事制度の変遷と共に10年以上働いてみて思うのですが、経営者が使用者の視点を持たなきゃいけないし、使用者は経営者の視点を持たないとなかなか腹に落ちないと思います。
また、こういうご意見も。
WBSでサイボウズが定時にあがれてる社員がいますよ!ってアピールしてたけど内部統制課ってようは事務員だろ?事務員が定時とか開発部出してみろよっておもた。
もちろん、開発でも営業でも定時に帰る人いますよ〜。
ちなみに事務員さんっていう職種はうちにはないです。役割分担で事務をする人はいますが。
この辺り、書くと長くなるので「続く」にします。^^;
あ、そうそう、もともとはグループウェアがチームワークに役立つよという話にするつもりが前段がどんどん延びてこうなりました。奥深いですね、組織と働き方と情報共有の話。