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悩める中小企業経営者に向けて、ITと経営をいっしょに食べてやさしく噛みくだく試み

XYZからABCへ

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今日は水戸でセミナーです。

東日本大震災では東北の沿岸部の津波被害があまりに甚大だったために、内陸部はほとんどスポットが当たらないのですが、何度も東北を往復すると内陸部は水戸周辺の被害が一番大きかったことがわかります。
もうかなり復旧も進んでいるとは思うのですが、5軒に1軒くらいの割合で住宅にはブルーシートがかけられ、駅前のビルも半数くらいが工事用シートで今も覆われています。


この被害がほとんど報道されず霞むくらい沿岸部や原発周辺地域の被害は大きいということなのでしょうが、経済的損失などを考えると、本当に東北の復興には発想の大転換が必要なくらいの規模なんだなと思います。

ところで12月7日に永田町のJA共済ビルで、Enterprise Management Forum「経営戦略 × クラウド」というイベントが開かれて、弊社の青野も講演するのですが、基調講演は、元ソニー会長の出井伸之氏が登壇します。出井氏の功績はいまさら言うまでもありませんが、一旦撤退したコンピュータ分野でVAIO事業を引っさげてヒットさせるなど、ソニーの構造改革に取り組んだ方です。

出井氏は「XYZ戦略」から「ABC戦略」への転換を説いています。
今までの日本企業は、改善を繰り返して帳尻を合わせてうまく着地させる「XYZ戦略」が得意であり、それに対して大胆な変革が必要な今は、「ABC戦略」が必要だというものです。

「ABC戦略」は全てを捨て去って一からやり直す、というものではなく、今まで培った自社の強みを再定義して新しい成長戦略をつくり上げるというものです。
垂直統合を得意とする日本の製造業は、その構造故にガラパゴス化が進んだというのが定説ですが、ガラパゴスは反対側からみると「強烈な個性」でもあります。
日本企業の全てが世界の覇者を目指すならともかく、頂点に立つほんのひとにぎりのグローバル企業以外は、ニッチ分野でのナンバーワンを目指すべきで、ガラパゴス製品で世界一のシェアを持っている中小企業は日本に数多くあります。

独自という価値を活かし、その価値を再定義して新たな成長に結びつける「ABC戦略」こそ日本の多くの企業が必要としている戦略なのかもしれませんね。
今回のイベントは、その戦略とクラウドを結びつけての講演ということで、私も勉強したいと思います。

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