iPhone4S で思い知らされた「高品質」と「高機能」の違い、そして便利な裏技!(写真入かんたん移行マニュアル付き!)
2年間iPhone3GSを使ってきたのですが、iOS5にしたところでさすがに動作が緩慢になり、セミナーでのデモ中に待ち時間ができたり、時には落ちてしまうことも出てきてとうとうギブアップ!
一番早く調達できるiPhone4Sで頼んだら、なんと「白いヤツ」がやってきました。
移行した感想ですが、「もう人に薦めるのにこれ以外考えられない!」です。
Appleは好きですが、帝国になって日本が占領されるのは正直抵抗があります。
おサイフケータイなど、日本が頑張って広めたいプラットフォームを踏みつぶしてゆくのも悲しいです。
しかし、それでも現物を手にしたら、イデオロギーだろうが国籍だろうが関係なくそれほどすごいと思うのです。悔しいけど。
まず、出張の合間を縫って会社に寄りどれだけ夜遅くなっても今日中に完全に移行を終了させるぞ!と意気込んで望んだ私は、見事な肩透かしを食いました。
移行の方法は以下のとおりです。
1.iTunesを立ち上げ、iCloudになっている同期先を、PCへ戻す。
(これホントはやらなくてもいいかもしれないけど、容量が違うのとアドレス帳をGMail連携しているので、念のため戻してみた)
2.iPhone3GSをiTunesにつなぎ、デバイスの表示を右クリックして「バックアップ」を選択する。(これ大切!)
3.バックアップが終わったら、iPhone4Sにつなぎ替えて、表示に従いバックアップを戻し、Apple IDとパスワードを入力する。
あとは、待つだけ。
終わってから、恐る恐るホームボタンを押してパスコード設定をすると・・・
アイコンの配列も背景も以前と全く変わらないiPhoneがそこに!
さらに調べてびっくりしたのは、写真もアドレス帳もアプリも、ボイスレコーダーのデータもWi-Fiの設定も、目覚まし音もそのボリュームの位置さえも完全に再現されていること。
例えば、私は名刺交換をした人を名刺管理ソフト「CamCard」にキャプチャーごと入れて、アドレス帳やGmailと連携しているのですが、そのデータまで完全に再現されていました。もちろんお薬手帳もです。
思わず「連邦の白いヤツはバケモノか!」とありきたりなセリフをつぶやいてしまいました。
移行しなかったのは二つだけ。
各アプリなどに設定しているパスワードと、クライアント証明書は移りませんでした。それも徹底的に移りません。
セキュリティの観点からこれは正しい仕様で、iOSの設計の緻密さをあらためて思い知りました。
外観の美しさはここで語るまでもありません。ケースを着けないで使うのが信者のあり方ですが、私は信者ではないのでケースを着けました。
しかし、これだけ美しいとなるべくこのイメージを残したく、徹底的に薄いケースを探して、「パワーサポート社」の「エアージャケットセット for iPhone 4S/4」にしました。
極薄なのに丈夫です。ちょっと値段が高いのですが、この横の金属とガラスの段差をケースレベルまで再現しているのは、これの他にはたぶんないのです。ボリュームボタンのあたりの処理がとてもなめらかで美しい。
この完成度についこだわってしまうところが、元のデザインの美しさなんでしょうね。
そして性能です。
マグネットコーティングされて(ガンダムネタですよ、ホントは耐指紋性撥油コーティング)指に吸いつくような感覚のヌルヌル感はもちろんですが、デュアルコアで描画性能が上がったのでWi-Fi時のWebページがめっちゃ早く表示されます。
そしてカメラ。4SからSONYのユニットに変わっているらしいのだが、それだけではなくバランスが素晴らしい。
ハイエンドのコンパクトデジカメ以外で初めて出会った、電話屋さんやIT屋さんが作ったカメラではなく、写真屋さんが作ったカメラです。
ここは説明すると1万字は書いてしまうので以下略・・・。
やや薄暗い店内で普通にラーメン撮ってもこれ。(レタッチしてません!)
iPhoneは決して何でもできるわけではありません。アプリの制限は多いし、トップ画面のカスタマイズの自由度も低いです。
マルチタスクも中途半端で、カメラの画素数もフィーチャーフォン(ガラケー)ではもっと多いものがたくさんあります。キャッシュは少ないし、CPUももっと早いAndroidもあります。
しかし、使う側に立って考えたとき、カメラは画素数より暗所に強いほうが室内で活躍するし、機種変で完全に移行するほうが断然便利だし、シンプルでも金属と強化ガラスでできた筐体は長く傷つかずに使えるし、アプリを100個以上入れても動作速度は変わらないほうが専門的な事を考えずに済みます。
Facetimeはアドレス帳から電話番号を探してビデオ通話を押すだけで、双方がWi-Fi環境なら無料でテレビ電話ができます。
「高性能」を「高機能」に振り向けずに「高品質」を追求するのがiPhone(Apple製品)の作り方であり、それは数値比較のマーケティングリサーチではなく、利用者の体験をひたすら考え抜くところから生まれるのでしょう。
母親や娘に薦めるなら、これしか選択肢がありません。
買う前に「あれないの?」と言われることはあっても、買ったあとで「こんなはずじゃなかった」って言われる可能性はないですから。
カメラ一つとっても、800万画素を1000万画素にしなかったのは、予算削減ではなく高感度を強くして、処理速度を上げて早く撮ることやフォーカス、ホワイトバランス調整のエンジンにCPUパワーを振り向けた結果だと思います。外見からはわからないと思いますが、実はレンズもお金かかってるし、抜群に早くて綺麗です。
「顧客の視点に立つって、こういうことだろ!」という声が自然と聞こえてくるのです。
スペック競争が終わった後のモノづくりってこういうのなんでしょうね。日本メーカーがなかなかここに辿りつかないのが悔しいですが。
そして最後に裏技。
Appleは公式には認めていないようですが、実はiPhone4Sだけは、iPad2同様に画像出力ができます!
iPad2用のアクセサリーであるVGAアダプタを付けると、完全なビデオミラーリングができます。(iPhone4ではできません)
ブラウザもこのとおりプロジェクターなどに出力してデモが可能です。
拡大縮小できるので、PCよりむしろいいかもと思うくらい。(ちっちゃいので操作には訓練が必要ですが)
アプリももちろん大丈夫。サイボウズKUNAIのような縦のアプリもちゃんと縦に表示します。
さらにKeynoteを入れると、アニメーションまで再現します。(キラキラ星もちゃんと出る)
※一部ムーブの動作だけは再現しないようです。
つまり、PCなくてもプレゼンもデモもできちゃいます。恐るべし・・・。
まあ、現実にはPowerPointも多いのでしばらくPC併用しますけど、今度これだけでチャレンジしてみます。
※Appleは認めていないので、自己責任でお願いします。