業界トップが企業システムの変革に挑戦する「次世代ITリーダー」にエールを送る

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IT界のスーパースターを目指せ

 私は経営のプロフェッショナルを目指して米国の大学院に学びましたが、最近の若い人たちも意識が変わってきていると感じます。生涯同じ会社に勤めようと考えている人は半数を割ってきていると思いますし、プロとしてのスキルを磨き、転職していくことが前提となり始めています。

 一方、M&Aやファンドによる買収、外資の本格参入など、日本企業を取り巻く環境は劇的に変化しており、それはさらに加速していくでしょう。自分の会社が朝起きたら外資になっているかもしれませんね。それはもう身近なこととして起こり得るのです。

 大企業に入ったら40年間勤め上げて子会社に出向するといった、いわゆるレールが敷かれたようなキャリアというのはもはや存在しないのです。若い人たちはそれを理解しています。

 「サラリーマンライフ」は昔ほど安定していないかもしれませんが、でも逆にチャンスはたくさんあると思います。戦国時代のようで面白いのではないでしょうか。特に、ITは特別なスキルが必要とされるため、いろんなチャンスがあり、ITの専門家たちの将来は明るく開けていると思います。

 私はデルで日本のビジネスだけでなく、韓国と中国の一部も統括しています。彼らと仕事をしながら感じるのは、リーダーを目指そうとする人たちのエネルギーです。韓国では働きながら博士号を取るのが一種のブームになっていますし、中国の人たちも貪欲です。

 彼らは、自分のキャリアに対して明確なビジョンを描いていて、その目標を達成するために頑張っています。日本人も忍耐強く、こつこつと努力するところは不変の強みなんですが、彼らは自己主張も強く、残念ながら日本人は一対一の勝負ということになると負けてしまうのではないでしょうか。

 ITだけでなく、韓国、中国、インド、そして米国の人たちが積極的にどんどん自己主張する中、彼らと対等にがんがんやり合う術を学ぶべきです。優しさも日本人の美徳ですが、仕事の場では、やり合うコミュニケーションスタイルも身に付けなければいけないでょう。

 また、先週、このブログでも書きましたが、ITの専門家はまた、ITのプロジェクトごとにビジネスプランを策定しなければいけないわけですから、ファイナンスのような数字の知識も持ち合わせなければいけません。

 ITのことが分かり、世界で通用するコミュニケーションスタイルを身に付け、数字も分かれば、ITの世界のスーパースターになれます。将来、社長も夢ではないでしょう。

 スポーツの世界では、イチローや松井などが世界的なプレーヤーとして活躍しています。音楽でも小澤征爾を筆頭にさまざまなアーティストが世界に羽ばたいています。それではビジネスの世界はどうでしょうか? 海外の企業でも社長が務まる人が何人いるでしょうか? 世界第2の経済規模を誇る国なのに、世界に輸出できるグローバルプレーヤーがビジネスには非常に少ないのです。日本からもカルロス・ゴーンが生まれるべきなのです。そういう人材、スター経営者をつくることが、われわれの次の世代に夢をつなぐことではないか、と私は思うのです。

 1週間にわたって、日ごろから考えている組織の在り方やリーダーの在り方について書いてみました。お読みいただいた方々に感謝したいと思います。

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