”情報通信テクノロジは人々を幸せにする”を信条に、IT業界やアジア・中国を見つめていきます。

3年目のITエンジニアが陥りやすいワナへの対策本:【あなたに足りないのは「察する力」だった】

»

若手のITエンジニアが陥りやすいワナがある。 よくあるのは、新卒で入社後3~5年経ち、自分に与えられた仕事の詳細を熟知し、その仕事の遂行に必要な技術力を身に着け、社内や身近な周囲からその技術力を評価されるようになったころに陥るワナである。 

仕事として毎日のように携わっている技術領域でもありその技術を熟知しているころであり、また3~5年も経てばその仕事を一緒に行う後輩もアサインされリーダーとして活躍しているころである。 そんな若手のITエンジニアが陥りやすいワナ。

それは、自信過剰である。

ワナに陥った彼らに共通しているのは、"技術志向" であること。 もともと技術が好きで、仕事を通じて自分の技術力が高まっていくことがうれしい。 

そして、自分の技術力が社内や身近な人々から褒められるようになる。 そんな状況が続いてくると、誰にも負けない技術を持っているように思えてくる。 そして、その自信と若さから次第に技術だけでなく仕事上の様々な場面においても、次第に傲慢になっていってしまう。

そもそも、その技術力は本当に凄いのか? 身近な人々の間ではなく、広い社会、業界内で一目おかれるほどの技術力になっているのだろうか? それが継続されるのだろうか?

以前のブログ:「配属される新入社員への 10 のアドバイス」のひとつとして以下を挙げた。

4.これから外国人エンジニアがどんどん入ってくるだろう。彼らは、『テクニカルな技術力』(重複表現容赦)の観点では "超優秀" である。 何故ならば、人口の絶対数が多いから。優秀なエンジニアの比率が同じだとすると、人口の多い中国やインドは優秀なエンジニアの絶対数が多いのは当然である。 彼らと異なる "優秀さ" を身につける必要がある。そのことを常に意識しておくべきである。

技術力だけで言えば、これからは日本に国内にいても、外国人と勝負しなければならなくなる。 そんな中で『テクニカルな技術力』(笑) だけで勝負できるほどの能力を持っていれば良いが、本当にそうだろうか?

僕の部下でも "自信過剰のワナ" に陥った若手の仲にも、僕の元から "飛び立って" いった者が何人かいる。 "飛び立つ" こと自体は悪いことではないのだが、そんな若手に飛び立つまえに伝えたかったこと、それが「ITエンジニアにとって重要なスキルのひとつは、コミュニケーション能力である」 ということである。 しかしながら、"自信過剰のワナ" に陥ってしまった優秀な若いエンジニアは、そのような話を聞き入れてくれないことが多い。

そんな若いエンジニアや、若いエンジニアを指導しているリーダーにとって、非常に役立ちそうな本を、オルタナティブブロガーでもある田中淳子さんと都川信和さんが出版された。 

ITエンジニアとして生き残るための「対人力」の高め方
~あなたに足りないのは「察する力」だった!~
taijin.jpg

"自信過剰のワナ" に陥っている若手にとって堅苦しい、難しい表現でかかれている対人力、コミュニケーションスキルの本を読んでもらうことは難しいかもしれない。
しかし、本書は、例え無理やり読むように手渡されたとしても、すっと読めそうな構成になっている。

仕事上でありがちな出来事、場面を会話事例事例として脚本形式で書いている。

  • 社外で起りやすい出来事(要件のヒアリング、提案、ユーザ教育、サービス開始、運用保守、その他)
  • 社内で起りやすい出来事(後輩指導を任せられる立場になった場合、リーダーやマネージャになった場合など)

それぞれについて、

  • ありがちな悪い事例が 【どこがNG?】 として書かれていて、
  • それを読んだ後に、その 【解説】を読む。 どこが悪いのか? 何故か?
  • そして、その場面でこうすれば良いというお手本 【これならOK!】 を読むことができる。

ありがちな悪い事例が、いわゆる "あるある" なので、普段技術書以外を読まないITエンジニアにとっても、読みやすい本だと思う。
また、中堅社員研修や、または事前に知っておくという意味では新入社員研修でも取り入れても良いと思う。

田中淳子さん、素晴らしい本をありがとうございました。

Comment(1)

コメント

田沢

本当に「自信過剰」で「飛び立って」行ったかどうかは、
判断が難しいですよね。
10年前の3年目のエンジニアより、現在の3年目のエンジニアは技術力は高いので。

コメントを投稿する