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PR・広報についてお悩みの方へのおすすめ書籍

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この冬は、PR・広報関連書籍の出版ラッシュのようです。その中で、二冊の本をご恵贈いただいたので、ご紹介したいと思います。

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話題にしてもらう技術~90.5%の会社が知らないPRのコツ

加藤恭子(著)、技術評論社 (2022/11/4)

BtoB IT企業の広報、マーケティングを支援するPR会社 ビーコミの代表を務める加藤恭子さんの著書です。特に、いわゆる「ひとり広報」として奮闘している方や、これからPR(広報)をはじめたいけれども何から手をつけて良いかわからないとお悩みのスタートアップ経営者の方におすすめです。私も、そういった方々からPRに関する相談をお受けすることが多いのですが、その中でよく聞かれるような質問に対する答えが網羅されている印象です。

メディア取材の準備一つをとっても、細かいタスクが紹介されていて、「こんなにやることがあるの?」と驚かれるかもしれません。実践的な内容が詰まっているので、特に、ひとり広報の方にとっては、この本自体が心強い先輩社員になるのではないかと思います。

「読んでもらえるプレスリリースの書き方」や「手作りの小さくて地味な記者会見のやり方」などの項目について、一度ざっと目を通しておきながら、それらのタスクやプロジェクトを実際に行う際に手元において、参考にしながら活動を進めることができそうです。

また、本書は基礎的な内容だけにとどまらないので、PR・広報担当者となり何年か経って実施している内容がマンネリ化してきたという方にも、おすすめです。「一年目に記者会見を行なって大成功だったけれども、その後何をしたら良いかわからない」、「PRのプランを作りたいけれども、作ったことがないので、何から始めて良いのか分からない」といった状態からステップアップするためのアドバイスも書かれています。

第4章「一人でPRを抱え込まない体制の作り方」では、「PR担当者をどう任命すればいいか」、せっかく採用した「PR担当を潰さない4つのポイント」、「PR会社を選定するときに見るべきポイント」などが書かれており、もうPR業界の「あるあるエピソード」連発です。他社の失敗例や経験則をここから学び、PR体制を作っていくことができますので、一読の価値があります。

PRについて悩みながら、身近に相談相手がいない多くの人々に届きますように!

マスコミ対策の舞台裏 役員からの電話で起こされた朝

鈴木正義 遠藤眞代 (著)、日経BP (2022/12/17)

日経XTRENDの3年半にわたる連載「風雲! 広報の日常と非日常」の記事から、「マスコミ対策に焦点を絞って再編集」された全83エピソードが掲載されています。著者のお二人は、ソニー、アップル、NECパーソナルコンピュータなど、エレクトロニクスあるいはテック企業の広報職に長年携わった経験をお持ちです。

前書きには、PR・広報に限らず、それらの企業で「経営者が決断を下す瞬間に立ち会ってきた広報の目から見た、ビジネスのケーススタディーとしても読んでいただける内容」と紹介されています。広報担当者や経営者に加えて、広報担当者からのフィードバックがいまいち腹落ちしない関係部署のビジネスパーソン、広報ってどんな仕事?と考えている学生さんにもおすすめできる本です。

特に、企業の中でのPR・広報の立ち位置について悩む担当者は、お二人の様々なエピソードからヒントが得られるのではないかと思いました。インハウス広報として、社長を含む他部署の方々、また一方でメディアとの間に立ちながら、双方とどう付き合っていくのかと言ったノウハウが満載です。ベテラン広報のお二人も、新人の頃にこのような体験を積んでこそ今があるのだというふうに勇気が出る側面もあるかもしれません。もちろん、昔話だけが書いてあるわけではなく、直近のアンケートからわかったメディアの声や、BTSの記者発表会にみる演出まで紹介されています。

著者の遠藤さんが上司からよく言われた言葉「『メディアは友達じゃない』の真意とは?」、「大企業とスタートアップ広報の違いとは?」、「マスコミからひっぱりだこの経営者は何を話しているのか」、「広報は多少厚かましい人がいい」など、全てお二人の豊富な経験の中から、参考になるエピソードで溢れています。多くのヒントが見つかりますし、何より読み物としても楽しい内容になっています。


それではみなさま、良いお年を!

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