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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

政治の劣化1

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先週末は、合唱の合宿で時間が取れず、記事を書けなかった。埋め合わせで、今週は政治の劣化を二日連続で取り上げる。

このところ、日本の大手企業の経営者の方とお会いする機会が少しあったが、多分これまでも実質はそうだったのだろうと思う一方、様々な産業界の事件、政治の不祥事、トランプ政権を始めとした世界の変化を踏まえて、日本の経営者の一部の方々が従来よりも積極的に発言し、これまでのやり方を変えていこうという機運が盛り上がっている気がする。

具体的に言えば、要は米国を通して世界を見るのは止めよう、日本の企業経営が大事にすることは、欧米の企業とは異なる、といったことだ。この考えは、随分以前から我が国でも標榜されて来たものだが、もちろん様々な意見はあるとしても、少なくとも株主だけが全てではない、また短期的に収益を上げることが目的ではない、企業にはその設立の理念があり、これを達成することこそが目的だ、という意識は高まっている。

これに対して、政治の劣化が止まらない、と感じている。今日は、民進党の代表の件。確かに個人情報をどこまで開示すべきか、という点での議論は理解するが、やはり国会議員は日本国籍が必要であることは、国会議員としては当然の常識であり、また立法府の一員である以上国籍法を守ることは当然の前提だから、父が手続きをしたはずとかいうのは、ナンセンス。

更に言えば、国際社会の通例がどうか、それを踏まえて制度をどう変えるかという議論は否定しないが、それは議論のすり替えに過ぎず、そもそも指摘された段階で国会議員でいること自体が言語道断。つまり、法的に違法であるかどうかとか、制度がおかしいかどうかとか、とかいう問題ではなく、報道番組に出てきて、或いは国会で堂々と国会議員として、或いは公党の代表として、発言をすること自体が、そもそも国民の代表として行動する人間としての資格がないと言わざるを得ない。

これは法的な問題というより、人間としての資質の問題だと考える。もちろん選んでしまった国民の選択眼にも反省すべき点はあると思うが、何故恥ずかしいから国会議員を辞します、と言えないのか、とことが不思議だ。いずれにしても、次回の選挙で国民の質が問われることになるのだろうと感じる。

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