英語and/orプレゼンというネタのついでに、もう一つ。
各国の訛りなど印象深く思えていることを列挙しようと思います。
●オーストラリア人の ai/ei
中学の教科書でもこの訛りのことが取り上げられてたと思います。例文は、"I go to the hospital today" が、”I go to the hospital to die" に聞こえる、とか。これを思い知ったのは、APNICの現事務局長が着任してまだ日が浅い頃。オーストラリア人です。
IPアドレスには2つの種類の、正反対の概念のアドレスがありまして、その名を、「プロバイダ集成可能アドレス」「プロバイダ非依存アドレス」といいます。英語だと、"Provider Aggregatable" と "Provider Independent" 。つまり、PAとPIなのですが、この2つが同じに聞こえる。。これは辛かった。さすがにこれは、しばらくすると改善されました。ちゃんとピーエイとピーアイに聞こえるようになりました。
●中国人の英語
慣れないと聞き取りづらいんですよね。日本人の訛りが、子音だけのところを母音付けて伸ばそうとする感じのところ、中国人の訛りは、ひっつめようとする訛りなんですよね。北京語話者よりも広東語話者のほうがこの傾向あるように思いましたが、北京語と広東語の雰囲気の違いを反映しているってことですかね?
●韓国人の英語
有名なのは、fとpが聞き分けられないので、coffee と copyの区別が付かない、ってヤツですが、もう3つ。
サ行がシャ行になる感じがあります。福岡方言みたいです。organizationが、オーガニジェイション、みたいに聞こえます。なんだか可愛いです。
日本語話者と同じように、子音だけ発音するのが苦手なのですが、韓国語は母音が多くて、曖昧母音を持つので、これを使うんですよね。例えば、standard。日本人はスタンダードと言いますが、韓国人はスタンダドゥ、みたいに言います。
日本語は拍等長という発音原則があって、同じ一拍を持つ長音記号というものがありますが、韓国にはどうも長音というものがないのか、同じような訛りなのに、調子が狂います。上のstandardのケースに、その例を既に織り込んであります。
●タイ人の英語
なんということはないんですが、タイ語の可愛い感じがそのまま英語にもでてきますよね。
●Singlish
シンガポールの英語をSinglishと言いまして、なんでも laがつき、Okay-la とか No-la とかいう、と言いますが、これを如実に感じたことは実は有りません。前職でシンガポールのお客さんに技術説明しないといけないことがあって、このときにシンガポールの営業が「Singlishの通訳をしてやるよ」と良いながら間に入ってくれました。そこまでひどくなかったような気がするんですが、間に入ってくれて助かった、とは思った覚えがあります。
●フランス人の英語
前職はフランスの通信会社で、2002年ごろはアジアにインターネットバックボーンを張り出していた時期でした。アジア側の技術担当として、フランスの設計者、T氏と打ち合わせすることになった、1回目の電話会議のこと。
外国語が得意な人も不得意な人もいるのは、世の常です。僕の方は好き好んで外資の会社で勤めていたわけですが、本国の担当者には、たまたま配属されちゃったのが国際部門だった、みたいな人もいます。T氏は、まさにそんな感じ。英語は厳しいフランス語訛り。
会議開始当初、どうも聞き取れない単語が一つ頻発していることに気がつきます。肝心なところに挟まっているんだけど、聞き取れない。ホーター、ホーターと言ってるんですけど、なんのことやらさっぱり。5分くらい考え込んでいて、やっと分かりました。
ルーター のことだったのです。
routerのRが、激しくフランス語のRだったわけです。そういうことでしたか。
急いで5分間の話を頭の中で巻き戻して、なるほどそういうことを言っていた訳ね、とどうか追いつきました。IPネットワークの話をしていて、ルーターが分からなかったら、もう何も分からないですもんね。
フランス人は書いてある英語を自分の読み方で読めば通じる、と思っている、なんて噂話がありました。考えてみれば、フランス人に限らなさそうですが、このT氏はまさにそういう感じの英語でした。implementationが、アンプルマンタシオンになっちゃってました。かなりの衝撃を受けるわけですが、そうだと分かってしまえば、大丈夫です。聞けるようになります。
フランス人とは、「俺たち英語苦手だもんなぁ」を共有できたので、とっても会話がスムーズでした。
●フランス人から気づかされた、アジア人の気質の違い
フランスの通信会社時代、アジアのヘッドが何かのキックオフミーティングで、こういうことを言いました。(ちなみに英語です。)
アジア各国は多様な文化と性質を持っている。日本人はpolite、韓国人はfaithful、タイ人はkind 、、、
で、これを聞いた直後変な違和感。というのは、僕は、少なくとも日本人は polite で faithful で kind だと思っていたし、そういう性質はアジア各国で均質的に共有されているような錯覚があったのです。でもよくよく考えるとそれは違って、各国の性質は違うわけです。極言すると、
日本人は、politenessのためには、faithとkindnessを犠牲にできる、
韓国人は、faithのためには、politenessとkindnessを犠牲にできる、
タイ人は、kindnessのためなら、politenessとfaithを犠牲にできる、
と言われているような気がして、これは案外当たっているのではないかと。いかがでしょうかね?
今になって思うと、上に書いた錯覚は恥ずかしいです。でも、学生のときとかだと、外国==アメリカ、みたいなすごく極端な単純化がまかり通りかねないですよね?(僕だけですかね?最近の学生さんは違っても、20年とか前だと時代的にも。。。)
永井さんの「思い出すだけで辛くなる、最悪のプレゼン」を皮切りにして、
大里さんの「外国語のプレゼンの準備は周到に、でも度胸も大事」
岩永さんの「英語のプレゼンで負った脛の傷跡」
それに、山口さんの「最初のプレゼンは最大にして最低。本番の大切さを知った。」
と、プレゼンのねたが続いていまして、乗っかろうと思います。
僕は人前で話すのが苦にならないタチでして、思い起こしてみると、そういう役目が来ても大騒ぎすることもなく準備をして、そこそここなせていたんじゃないかと思います(自己評価でございますが)。
英語の方は、科目としては得意だったとはいえ、海外経験があるわけじゃないので、いざ仕事で使うことになると苦労しました。前職の外資の通信キャリアに転職したのは、そういう苦労をしてみたかったという気持ちもそこそこ作用しています。
日本ユニットではなくアジアユニットの仕事になったときに、アジア一円の営業さんの技術支援が仕事になったのですが、一気に仕事で英語を使うことが多くなり、英語で寝言を言ってたよ、と良く妻に言われました。寝言言うくらい苦労した甲斐あって、英語を使う能力は上がったと思います。
少なくともノンネイティブ同志で話をする分にはかなりスムーズに運べるようになりました。課題が残るのは、まだまだ細かな表現が聞く方も喋る方も行き届かないことと、ネイティブ同志が遠慮無く喋るような会話には付いていかないこと、です。
英語でプレゼンをするということも、そんなに抵抗なくできるのですが、かといって自信いっぱいでもない。もっと上手に伝わるような表現や、言い方があるんじゃないか、聴衆からフィードバックがガンガンあるとか、そういう手応えが感じられるくらい上達したいなぁ、と思っていました。
つまり、英語は、プレゼンでも普通の会話でも通り一遍はできるけど、まだまだ劣等感がある、という感じです。(今もですね。)
そんなさなか、前職の会社が、社員全員を対象に、プレゼンテーションのトレーニングを受けさせてくれました。2006年でしたっけね。
5人くらいのチームで2日間くらいのコース。プレゼンはビデオシューティングされ、自分で見てチェックして、その日程の間で改善する、と。英語のコースでした。
プレゼンの内容は、自分の仕事に関係するものでよいということだったので、IPv4アドレス枯渇に関するスライドをそのまま使ったと思います。内容としては勝手知ったる内容だったということです。
まず最初に自分が思ったとおりに発表してみるというプログラムがあり、僕が一通り発表した後のインストラクターの一言が、僕にはとても意外でした。
悪くないんだけどさ、ムチャクチャ早口ね。もっともっとゆっくり喋った方がいい。
このコメントは衝撃的でした。僕は英語のプレゼンが上手だとは思っておらず、劣等感を持っているわけで、イメージとしてはタドタドしい英語を喋り続けているわけですから、速いか遅いかでいうと、速いわけがないんですよ。ネイティブが喋っていることも速くて聞こえないと思っているわけで。
で、これを、ビデオで自分で見てみたんですが、いやー、速い速い。orz 他の追従を許さんくらいの勢いです。これじゃ分かりにくいわ。なんでこんなに早口になってたんでしょうかね。早口==上手 みたいな卑近な構図があったのかもしれません。
これは大いに反省しました。ゆっくり噛み締めるくらいのスピードを心がけるようにしました。その時指摘してくれたインストラクターはネイティブの英語話者でしたが、その時も今も、英語で発表する相手は、アジア一円のノンネイティブの方々が一番多いため、尚更に、分かりやすい発表をすることが求められるでしょうから。
そして、英語だけでなく日本語のプレゼンでも注意するようにしました、が、、やっぱり時間数に対してスライド数多いことが、多いですかね、今も。
やはり、見なかったふりして通り過ぎることはできないですからねぇ。。番長と遊ぼう。
この1ヶ月くらいツラツラ考えていたんですが、妙案が思いつきません。しかし、○aa○ という形に収めないにしても、今年一年を見通した目標が、一言でまとまるくらい明確なものでないと、いけないんだろうなぁ、と思うわけです。
そういうわけで、良いお題をいただきました。でも、答えはイケてないです。
Maemura as a Kowaihito
Kowaihito - 怖い人 です。これ、「色男」と同じくらい、僕の人生の中で言われたことないです。
あ、ちがう。言われたことはあったなぁ、若いとき、ネットワーク立ち上げをやっていたとき、自分の(勝手な)思い通りに動いてくれないスタッフに当たり散らしてました。反省してます。
草食とまでは言わないですが、今までの人生、穏健と調和を旨としているようなところがありました。それ自体は悪いことではないのだろうと思うし、このポイントを評価してくださる方もいるのですが、お年頃なのか、穏健なだけで済まされないことも多くなってきましたし、穏健といいながらサボっているだけなんじゃないか、という気もしてきました。
むしろ、怖いと言われるくらい、物事突き詰めて追い詰めて取り組まねば、ということで、「怖い人」です。有言実行となるかなぁ。。
あ、「野心的に」という意味合いで、「色男」も良いかもしれませんが、ちょっと、やっぱり、ガラではないような。
ちなみに、○aaSというのは、ありとあらゆるパタンが既に考案されていて、AからZまで埋まるらしいですね。
その中でもっともインパクトがあったのは、先週教えてもらった ZaaSです。 Zangyou as a Service 。
先週のこと。IANAからAPNICにIPv4アドレスの割り振りがありました。大きさは、/8 == class A相当 が2つ。これによって、IANAにおける未分配IPv4アドレスの在庫が/8で26個から24個へ。IPv4アドレス全体が256個ですから、10%を割り込むということになりました。
このタイミングに合わせて、IPアドレスを管理しているRIRs(地域インターネットレジストリ)の連合団体であるNRO=Number Resource Organizationから、以下のようなアナウンスがありました。

Number Resource Organization - Less than 10% of IPv4 Addresses Remain Unallocated, says Number Resource Organization via kwout
彼らはこの10%切りというタイミングを捉えて「大メディアキャンペーン」を展開するらしいです。
というわけで、JPNICでもこれに反応して何かアナウンスしようと準備したわけですが、どうも10%切りに合わせて騒ぐ、という気分にならなかったのです。どうしてかなと考えるに、今までも既に警鐘を鳴らし、情報を提供し、と言った形で進めてきたという背景があって、10% を切ったから特別にどう、というよりも、今まで同様淡々と準備を促すというほうが良いだろう、という結論になりました。
結果、「IPアドレス分配は、今までと変わらず進めますからね(在庫枯渇までは)」というメッセージを前面に出しました。我(我々)ながら、見事な淡々ぶりです。
一方で、10%切りという契機がそうさせるのか、最近、IT系Web媒体だけでなく、一般紙やテレビなどの取材も相次いでいます。ありがたいことですが、テクニカルタームなしに、目に見えないものの、説明をするということの難しさを痛感しています。
ところで、IANAからAPNICに割り振られたIPアドレスは、1.0.0.0/8 (1.0.0.0--1.255.255.255.255) と 27.0.0.0/8 (27.0.0.0--27.255.255.255) でした。このうち、1.0.0.0のほうはちょっとくせ者です。IPネットワークの構築をやったことがある方は身に覚えが有るんじゃないかと思いますが、評価検証のためにネットワークを組んだりすると、つい、1.2.3.4 とか、1.1.1.1とか、そういうアドレス付けちゃうんですよね。かく言う私も、、最初に扱った機器の検証のときに、、、
これは、完全に内部的に使われているのであれば何の問題もないんですが、実際には、たまにインターネット上に経路情報として現れます。もちろん、あってはならないことなので、誤った経路情報が過去に存在したアドレス空間というのは、みんなからの信頼度が若干落ちるんですね。1.0.0.0/8が実際に使われるのはもう少し後ですが、それまでには何らかの対策が取られる必要があるでしょう。
2010年が明けました。あけましておめでとうございます。
新しい十年紀に入ったということになりますが、思い起こせば僕にとっての2009年までの十年紀の始まり、2000年はは、新卒以来勤めた会社を辞めて外資の通信会社に移り、それとともに、今の仕事に至る活動が本格化した年でもありまして、そういう10年が過ぎたと思うと感慨深いものがあります。
ところで、インターネットとはなんだろう?みたいな話をするのに、歴史語りは欠かせません。非常勤で受け持っている大学の講義では、インターネットそのものだけでなくて、通信史をさかのぼって18世紀くらいから話したりしますが、インターネットだけでも、RFCが発行され始めて40年、TCP/IPが30年で、この営みを眺めると、インターネットってこういうもんなんだ、という感じに見えてきます。
僕自身が仕事の実務経験や、ITの利用者としての経験を持っているのが、だいたい20年。20年前の話をしようとすると、学生さんはまだ赤ちゃんだったりします。業界の中の講演でも、30歳くらいの方だと、20年前は小学生です。1990年から現在までの20年で、情報通信の世界は特に大きく変わりました。
20年前と言わないまでも、10年前だとどうでしょう。2000年になるときには、1.5MbpsのADSLが、ほんの一部地域で提供されていただけという時代(Yahoo!BBは2001年です)で、インターネットの風景は全然違います。インターネットだけでなく、いろいろなことが、姿かたちを変えているような気がします。町並みだけに限っても、六本木ヒルズもミッドタウンはなかったし、品川駅の港南口もあんなにきれいじゃなかった。丸の内には、新丸ビルもオアゾもないわけですよ。
これを自分の子供のころに当てはめるとすると、小学生時代であった1970年代に対して、 10年前20年前は、1960年代,1950年代になるわけでして、同じ10年20年が何もかもを変えています。もはや歴史といっても良いような時間の流れが、20年間には、あるいは10年間にも、あるように思います。
というわけで、新しい十年紀の始まりに何を思うかというと、今後10年20年は、これまで同様以上の変化を遂げながら、お年頃的にもっともっと速く過ぎていくでしょうから、おちおちしていられないなぁ、と思うわけです。これは年齢的なもの(後厄が明けました)なのでしょうかね。仕事上の課題も含め、いろいろと考えさせられる新年でございました。
2009年、オルタナブロガーとしましては、「週一投稿」を目標としていましたが、結果として投稿数44本。10本くらい足りない、地味なものでありましたが、一方で立派に人騒がせはしちゃったような。精進いたしますので、本年も宜しくお願いいたします。
現在総務省では、IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会 という研究会が開催され、そろそろ取りまとめの時期に来ています。私はこの下部会議体である、「IPv4アドレス在庫枯渇対応に関する広報戦略ワーキンググループ」というところの構成員だったりするのですが、親会である上記研究会は、できるだけ傍聴するようにしていました。
第7回は12月17日(木)に開催され、そこで、IPv4アドレスの在庫枯渇時期に関する追情報などまとめ、構成員である荒野高志さん(JPNICのIPv6分野担当理事)に発表をお願いしました。ここの旨は、「中古アドレスの使いまわしができたとしても、長くないし、需要に応じた供給を期待するのは危険である」でした。
この研究会の取材を元にして書かれた記事が、月曜日にでてきたのですが、ここでは「供給に期待するのは危険」という旨とはかなり違う方向の捉え方でして、
んー。なんとも刺激的です。
これは、我々が呼ぶところの「IPアドレスの移転」を意味しているのですが、こう書かれるとドキドキします。実際、業界の皆さんが日記やtwitterで次々に声を上げていらっしゃっています。
記者の方にすると、これは一般紙読者向けに明快な表現にしてある、というところのようです。確かに、「移転」といわれても、なんのこっちゃ、かもしれないですね。ちなみには、英語では transfer。譲渡と訳すこともできますが、もう少しプレーンに「移転」という言葉を当てています。
事実関係を申し上げると、
- アドレスポリシは、各地域インターネットレジストリ(RIR)のコミュニティのコンセンサスをベースに制定される。
- 北米(ARIN)、ヨーロッパ(RIPE NCC)では、既にコンセンサスにいたって、施行まで完了している。
- 我がアジア太平洋地域(APNIC)では、この2009年8月にコンセンサスに至り、その後のラストコール、理事会承認まで含め完了している。早ければ来年2月くらいに施行される。
- 日本では、JPNICのコミュニティのコンセンサスに従ったポリシを、JPNICが施行する。コミュニティのコンセンサスは、11月のInternet Weekに併催したJPNICオープンポリシーミーティングで得られ、現在ラストコール中。
- ラストコールが満了したら、「実装勧告」という形でJPNIC事務局に示され、事務局で施行検討・準備に入る。但し、本件非常に大きな方針転換を含むので、念入りに施行検討を行うことになる。この辺のJPNIC事務局の考え方は、3月に、前々回のAPNICミーティングの模様を書いたときに、少し書きました。
記事を読むと、JPNICが積極的に移転による延命を推進しているように思えるかもしれませんが、そうではありません。移転を含む、需要引き当てのための再循環による効果は限定的だと考えています。
闇取引の横行などで台帳が実態を示さなくなるような状態を懸念し、台帳上の名義書き換えを実現する、という感じの考え方です。
そんなこんな書いてみましたが、やはりこれを一般紙読者層にサクッと分かって欲しいと思っても、それはなかなか難しいということになりそうです。blogのほうにたくさん書いて、それを好き好んで読んでくださる方が分かればよい、ということでもないのであれば。
今回のこの記事がひとつの例でありますが、IPアドレス在庫枯渇という問題は、IT系だけでなく最近では科学部の記者の方々からも注目されるようになって来ました。丁寧に伝えていく必要をひしひしと感じています。
広島で開催されているIETF76に日曜と月曜朝だけ出席して、東京にとんぼ返りしてきましたが、twitterやmixiで続々入ってくる情報を横目に見つつ、なんだか悔しい思いが。。
そんな中、Googleが第1回のitojunサービスアワードを受賞した、というニュースが飛び込んできました。水曜日のプレナリで発表されたようです。
itojun award - あどけない話
Lorenzo Colitti and Erik Kline of Google receive initial Itojun Service Award - ISOC
第一回Itojun Service AwardをGoogleのLorenzo Colitti氏とErik Kline氏が受賞 - WIDE Project
第1回Itojun賞はGoogleのLorenzo Colitti氏とErik Kline氏へ - INTERNET Watch
Itojunこと、萩野純一郎さん。2007年に若くして亡くなったインターネット技術者で、IPv6の開発の中心人物の一人でした。僕なんかより若いのに、IAB - Internet Architecture Boardのメンバに、村井純さんに次いで日本人として2番目になるほど、世界中の技術者から信頼されていた人でした。その遺志を引き継ぐために制定されたのが、Itojun Service Award。IPv6の推進に功績があった人に送られるものです。
受賞者となったGoogleのLorenzo Colitti と Erik Kline は、GoogleのIPv6化を担当する技術者。GoogleのIPv6化のニュースは、2008年の春だったでしょうか。さすがGoogle,IPv6に関しても世界に先駆けてやってくれます。LorenzoとErikはその担当者であるとともに、世界中を飛び回って様々なカンファレンスで、IPv6化の経験を惜しげもなく(多少景気の悪い話も含めて)共有してくれています。上に挙げた「あどけない話」で山本和彦さんも書いていますが、彼らにはこの受賞の資格が十分あると思います。
10/16のエントリで11月にはIETF76とInternet Week 2009が開催される、ということを書きました。
IETFのほう、ほんのちょこっとですが、日曜から月曜に掛けて行って参りました。広島です。今日から本格的にディスカッションが始まるので、分かったようなことも書けませんが、日曜の晩開催された Opening Receptionや、月曜の朝見た感じだと、盛況で活気溢れる感じでした。
本題は、Internet Weekです。実は月曜に緊急プログラム追加を発表しました。
新プログラム「クラウドの虚像と実像」追加!!【Internet Week 2009】事前登録締め切り迫る!!
というわけで、クラウドです。10/16のエントリでも「仮想化DAY」としてクラウドの要素技術を論じるセッションがあると申しましたが、今回追加されたプログラムは、「ウチのシステムはクラウドにしたほうがよいのか、はたまた。。。」とお悩みのネットワーク管理者,設計者,技術企画者の方々必見だと思います。
前半はさくらインターネットの社長、田中邦裕さんに、さくらインターネットのシステム設計の視座から語っていただきます。田中さんは、たとえばこういう記事に見られるように、コンピュータのハードウェアの細部に渡るまで知り尽くした上で徹底的な効率化を行って、経営的にも成功している方です。その田中さんとの事前打ち合わせで出てきた議論ポイントが、以下のもの。
・プライベートクラウド == 分割払い?
・クラウドを実現するハードウェアとデータセンタ
・日本のデータセンタ代は高いか?
(東京にしかないからか?北海道は安い? 海外ではどうなのか?)
・Googleに対抗する和製クラウドはできるのか?
(日本で本当のクラウドを提供できるか?)
・クラウドによって海外から侵食されるのか? 日本が侵食できるか?
(逆に日本のリソースを海外に売れるチャンスはあるのか?)
後半はパネルディスカッションで、こちらにはオルタナでご存じの林雅之さんに、パネリストとして参加していただくことになりました(追記:林さんのページでも取り上げられています。ありがとうございます)。まだ事前打ち合わせを始めたばかりですが、林さんからは次から次にネタが提供され、議論が広がりを見せています。
そういうわけで、新たなプログラムを迎えたInternet Week 2009。他のプログラムも充実しつつ、事前受付の締め切りが今週金曜日と、迫っております。一度Webの方ご覧いただき、聞きたいセッションの見逃しの無きよう。
追記: Internet Watchの取材を受け、それが記事となっています。こういうことにあまり慣れていないのですが、想いを言葉にして伝えるのは難しいですね。この取材は我々のInternet Weekに対する想いを、もう一度整理することになり、勉強になりました。
「Internet Week 2009」の見所は? JPNICの前村昌紀氏に聞く
ICANNソウル会合は、10/25から10/30まで開催されました。
もうそれから1週間が経ってしまい、まぁ、いつもの遅筆なわけですが、今回は出張中に、ウチの2人の子供たちにインフルエンザが舞い込んで大変な騒ぎ。その次の週には妻がインフルで、外出できない、と、相当やられたという都合もあります。

会場は、ロッテホテル。明洞の方のヤツです。10年前に初めて行って以来韓国には数回来ていますが、最近ハングル解読がかなりできるようになりました。この看板、「国際インターネット住所機構(ICANN)ソウル会議」と書いてあります。最後の「会議」だけは現地の友人に尋ねましたが、他は解読すれば単語が想像できる感じです。
今回大きかったのは、IDN==Internationalized Domain Names==多国文字ドメイン名のTLD==トップレベルドメイン名の受付開始が正式に決まったことです。10月8日に川上さんが触れていらっしゃいますし、日本での動きは4月に僕が書きました。
このプロセスに関する議論と準備は淡々と進んで来まして、Fast Trackと呼ばれるプロセスの最終案まで漕ぎ着けていました。ですから、順当と言えば順当に、公開理事会で承認を得られたのですが、承認はスタンディングオベーションによって向かい入れられましたし、壇上にいたCEOのRod Beckstromは、tsudaっていました、は言い過ぎですね、承認の直後tweetで報告です。
また、月曜日は通例ですと"Opening Reception"といった名前のレセプションが開催されるところ、今回は"IDN Reception"として、特にこの歴史的な決定に至った功労をねぎらうような扱い。ICANN役員以外に韓国でIDNに関与した方々がたくさん壇上に上がられましたが、日本の技術者もとってもがんばったんです。こんな本に念入りにしたためられています。
その他にも、Rod BeckstromがCEOに就任して初めて、また、JPAがAoCとなって初めて、また、GNSO(Generic Names Supporting Organization)では、評議会以下のSOの組織構造を大きく変えて、新しい評議会となって初めて、と、初めて尽くしというのも「歴史的」に花を添えていました。
IDNccTLD以外にも、例えば .shop とか .tokyoとか、あるいは .東京 などなど、TLD自体の自由化の議論中ですが、こちらのほうは商標保護のほうで方針が変わったりして、まだまだ議論は続くでしょう。
このようなTLDの拡大や、またDNSのセキュリティ拡張(DNSSEC)によってDNSの根幹が問題なく動くのか、という懸念があり、"root zone scaling"問題として検討が続いていまして、こちらも結論が出るのにもう少し掛かるのではないかと思います。「歴史的」の裏では、いろいろと議論百出な状況もある、ということです。
●22日木曜日夜半ごろ
mixiでマイミクの日記でドエラい記事に気づく。
何が起こったんだ? IPv4アドレスの在庫枯渇というのは、まさに自分の仕事で、今時点の予測だと在庫枯渇は2011年後半以降のはずだ。この記事曰く、ICANNのCEO、Rod Beckstromが来日して記者会見した席で、そう言ったらしい。土曜からICANNソウル会合なので、その途中寄ったんだろう。
間違いだ、と断罪してしまいたいくらいの記事である。Rod自身がそう言ったのか、記者が書き間違えたのか。
もう夜中だが、TwitterのTLでは、記事に反応して動揺の声を上げている人がいる。Twitterと言えば、実はRodとはfollow/followerなので、つぶやけば聞こえるだろう、ということで、わざわざ英語でつぶやくことにした。
●なぜ問題なのか
日本では、JPNICでも枯渇タスクフォースでも、「いつ分配を止める」なんていうことは言わない。
「信頼の置ける予測によると2011年11月だと言っている」
「前振れ要因・後ろ振れ要因ともにあるので、細かく言いようはない」
「インターネット関係各位においては、それぞれの判断で対策して欲しい」
といった言い方をしている。その上で、枯渇タスクフォースでは、ターゲットを2011年初頭として、準備のための作業線表案をアクションプランとして示して、対応を促している。
そこに、2010年10月が最後の分配になるという違う情報が混入することになる。しかも、記事だけ読むと、IANAによる中央源泉在庫なのか、RIRの在庫なのか、はっきりしない。これでは、枯渇に対応しようとする人たちは、混乱してしまうだろう。
●23日金曜日正午ごろ
金曜日は午前中定期検診だった。木曜夜から絶食して、バリウム飲んで台の上でぐるぐるするという一連のプロセスが終わり、職場に向かおうとしたとき、職場から電話が掛かってきた。なんでも、枯渇タスクフォースのメーリングリストが、この件で大騒ぎになっているらしい。
●23日金曜日13時ごろ
午前中メールをぜんぜん見ていなかったが、職場に帰ってメーリングリストに目を通す。確かにキッチリ大騒ぎになっていた。日経はWebだけでなく本紙上でも記事になったらしい。とりあえず、正しく発言を反映した記事かどうか、背景とか聞きたいものだと思った。記事は無記名であったので、記者にたどり着くのも簡単じゃなさそうだ。とりあえず日経方面で知った人に連絡を取り始めるが、程なく、実際にその記者会見にいた方から情報が回ってきて、Rodは、この2010年10月という時期を、念押しされ(つまり、念押しした記者は、変な時期だと思った、ということだろう)たうえで言ったらしい。
そうなると、記者の問題じゃなくて、Rod自身の問題ってことになる。訂正記事を出せる感じじゃなくなるんだなぁ、などと考えながら、結局JPNICからアナウンスを出して、JPNICの見解を明らかにすることにしよう、ということになった。Twitterには気にしてくださっている人がたくさんいるので、つぶやいておくことにした。
●23日金曜日13時以降
JPNICの窓口に問い合わせがいくつか来たらしい。敏感な人は敏感だ。
Rodに真意を問いたいと思って、コンタクトを開始した。まずはTwitterのDM,次にメールアドレスが分かったのでメールで。
どうも、2010年10月という時期は、確かだと思っているらしい。違う導出過程とか、何らかあるんだったら、聞いて納得したいと思い、まだまだ作業中。
●23日金曜日19時
JPNICのWebにアナウンスを掲載。
ICANN事務総長による「IPv4アドレスの割り振り、2010年10月終了」との発言に関して
これでやっと今日の仕事終わったよぉ、という気分になっていたら、素早くこのアナウンスを参照する記事を発見。
ありがたいものだ。
Rodとはちょこちょことやりとりをしていて、きっと明日,明後日くらいに真意が分かるだろう。それによって、また対応を考えねば。
しかし、今一度Twitterの強力さを思い知った。情報提供チャネルとして、情報収集チャネルとして、連絡のチャネルとしても、比類ない素早さで情報が伝達される。
そういうわけで、あと4時間くらいで自宅を出発して、ICANNソウル会合へ。
【追記 10/25 15:30】
RodはIANAとの追検討などから、訂正つぶやきを既にTwitterに投げている。
http://twitter.com/RodBeckstrom/status/5136626046
CORRECTION: #ICANN IANA consensus is that potaroo's late 2011 IPv4 depletion is best estimate: http://bit.ly/nJRbd My Oct 2010 2 pessimistic






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