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今の中学一年の英語の教科書に、大きく衝撃を受けた

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僕の娘は英語を習っています。小さいころは英語使っているだけで遊び、って感じだったのが、小学校に上がったころから座学が始まり、ついに中学1年の教科書を使うようになりました。ニューホライズンを使っています。僕もこれだったように覚えています。今日、これを初めてマジマジと中身を読んでみて、ある一文が目に留まりました。

My Name is Ikeda Ken

ん?おおおぉ。

Last Name - First Nameの順で並べてあるんです。

僕が中学1年生だったのは30年以上前なのですが、もう当然のこととして、First Name - Last Nameでした。「英語では、名前-苗字の順番で書くんだよ」なんて言われて、Akinori Maemuraなんて書くのが、なんだかとっても新鮮でカッコよいと思ったものです。

今僕が、アルファベットで自分の名前を書くときは、MAEMURA Akinori と書くようにしています。一番日常的なものは、電子メールのFrom行。学生のときくらいから、英語に関する本や、言語比較、文化比較のようなテーマの本が好きで読んでいて、その辺から影響を受けてそう考え始めたのだと思いますが、僕は前村昌紀であって、昌紀前村ではないじゃないか、などと考え始め、アルファベットで書くときにも姓・名の順番で書きたいと思うに至っています。

その後、上に書いたように、苗字を全大文字で書くのが、フランス人のやり方だ、なんてことを聞いて、上のような書法に行き着きました。苗字を全大文字で書くという決まりが共有されれば、順番がどうであろうが、苗字か名前かが判別できるという合理性にも納得。その後、フランスの会社で4年ぐらい勤めましたが、確かに、そういう風に表記することもあったのです(いつもじゃないにしても)。

実際どういう表記が多いか、これは一概には言えないでしょうが、メールのFrom行を例にとって、僕の周りの日本人だと、

1) Akinori Maemura 風:  これがやはり一般的

2) MAEMURA Akinori 風: 1)に大きく水はあけられるが、1割強くらいいる感じ?

3) Akinori MAEMURA風: 2)よりは少ないかなぁ。

4) Maemura Akinori 風:  3)よりちょっと少ないような気がするけど、いることはいる

という感じ。(なんか大雑把で説得力ないな。真面目に計測してみようかな。。) 3)4)をおさえて2)が多いというのは、なんだかちょっとうれしい。

日本人の中でもこれだけバラけているのですが、中国人の場合もいろいろです。姓1文字・名2文字の方は、英語風に名姓になっている人のほうが多いのですが、姓1文字・名1文字の方は、なんとなく姓名という順の人が多い感じもしつつ、名姓という順の人も結構いるようです。

だらだら書きましたが、まぁ、要ははっきりせんのですわ。

教科書の話に戻って、Ikeda Kenという順番に関してなんか説明していないかと思って探したら、最初の最初に発見。写真を撮ったので載せようかと思ったけど、無問題か自信がなかったので、抜粋。

日本人が自分の姓名を英語の中で言ったり書いたりするときには、次の2通りがあります。

(A) 日本語どおり「姓+名」とする。

(B)英語国での順番に合わせて「名+姓」とする。

この教科書では(A)を使います。

へぇ。。(A)(B)を単純に両論併記にして、この教科書は「姓名」を選択しているのね。そうですか。

あ、ちなみに僕は、口で言うときは名姓にしちゃうんですよね。なんか。統一感がないですかね。英語のイントネーションにすると、どうもそっちのほうがしっくりくるような気がして。

両論併記==決まりはない ということなんですが、それでは困ることも少なくないわけです。欧米人の名前はキリスト教の聖徒の名前から取っていたりして、姓なのか名なのか分かるケースが少なくないのですが、一般的に外国人の名前は、それが姓なのか名なのか、名ならば性別はどちらか、全く分からないですよね。だから、Maemuraが名前なのか、Akinoriが名前なのか、分からんわけですよ。全大文字のほうが姓だというのも、定説というほど浸透していないのですし。結果、高校時代の先輩みたいに、苗字呼び捨てにされたりすることもあったりして。これ、台湾人の御大からやられると違和感ないですが、西洋人の若い人なんかにやられると、ちょっとばかり気分悪い。ま、そういうもんだと慣れるしかないないんですが。僕だってそういうことやっちゃう可能性もあるし。

アルファベットで姓名の順で書くというのは、多文化主義的で好ましくて、それをこの教科書が(他の教科書もですかね?)採用しているのはすばらしいと思う半面で、姓と名がどっちか分からないというのも、言語としてどうなのよ、と思うわけですが、各言語の正書法を定める以上に、国際的に統一表記を共有すると言うのは、相当に難しいことだと思います。

最後にちょっとだけ中1の教科書に戻ると、今の中1は、最後の最後で過去形を習うんですね。僕たちのときは中2にならないと出てこなかった。

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